第14話 ゴッツ追島
鬼瓦興業の寮生活、初日にして僕は、突然現れたマウンテンゴリラによって、生命の危機にさらされていた
僕はあまりの恐怖に布団の中でじっと息をころし、カタカタと震えていた
そんな僕のことを、マウンテンゴリラは不振そうにながめていたが、やがてその巨大な手で、僕の布団をむんずとつかむと、一気にガバットはぎとった
「ひえー助けてーーーーーー!」
僕は大声で悲鳴をあげながら、部屋のすみへまるで鼠のように逃げ込んだ。
とそこへ、僕の大声を聞きつけた銀二さんと鉄が眠そうな目をこすりながら入ってきた
「何だ吉宗でかい声出して?うるせーな」
銀二さんと鉄は目の前にゴリラがいるにもかかわらず、平然と僕に話しかけていた、
僕は恐怖で手をばたばたさせながら、
「なんでそんな平然としてるんですか!ゴリラ、ゴリラ、、、」
僕は震えながら、目の前のマウンテンゴリラを指さした
「ゴリラって、ば、馬鹿おまえ、、、、」
銀二さんはすごい顔をしてゴリラの後ろで手を横に大きく振っていた
「え?だってゴリラが、、、」
僕は一瞬かたまりながら目の前のゴリラを指さした、
するとそのゴリラはぐいっと僕の前にその恐ろしい顔を近ずけたかと思うと、突然人間の言葉を発してきた
「誰がゴリラだこの野郎!」
「えー!ゴリラがしゃべったー!!」
僕はあまりの驚きに言葉をうしないその場に、腰を抜かしてしまった
「バカ!お前その人はゴリラじゃなくて人間だー!」
「え!?」
「だから、その人が追島の兄貴、オイさんなんだー!」
銀二さんの一言に僕はその場で身動きができなくなり、改めてじーっと目の前の男を見つめた
そしてよく見るとその男はランニングシャツにウェットズボン、体毛もうすく、顔は確かにゴリラだが、頭はビシッとそろえた今の僕と同じパンチパーマ姿をしていた
「この野郎ー、人が仕事から帰ってくればいきなりゴリラ、ゴリラって、気に障ることを何べんもぬかしやがって!!」
そのゴリラ男あらため、追島さんはそう叫ぶと、いきなり僕のことをむんずと捕まえ、そのすさまじいモモのような腕で締め付けてきた
「うげげーーーー」
「あ、、、追島の兄貴、すんませんそいつ新人なもんで、勘弁してやってください」
「新人?」
「馬鹿野郎、新人も糞もあるか、」
追島さんの太い腕はさらにすさまじいパワーで僕の首をしめつけてきた
「ぐえ、、くるちー、、、、、」
あまりの苦しさに、僕の意識は遠~くへ、飛んで行きそうになっていた、そんな中、聞き覚えのある大声がかすかに僕の耳に響いてきた
「おう、追島帰ってたのか、ご苦労だったな」
とその瞬間、僕を締め付けていた太い腕の力がパッと抜けた、と同時に僕の遠くへ行きかけていた意識も徐々に回復し、気が付くと僕と追島さんの目の前には、親父さんの姿があった。
「おやっさん、遅くなりましたが、追島ただいま戻りやした。」
追島さんは、膝に手をのせて親父さんに挨拶をした
「おう、ごくろうさん」
そういうと、親父さんは僕を指さし追島さんに話しかけた
「今日からうちに入った新人の吉宗だ、追島おまえもしっかり面倒みてやれ」
「はい!」
追島さんはそう返事をすると、今度は僕の方を振り返った、そしていきなり僕の頭をむんずと右手で鷲づかみすると、ひょいっと僕の身体を持ち上げ、荒い鼻息を吹きかけながら僕の顔をじーっと見つめた
「ふん!なるほど、こいつが例の新入りって訳ですね、、、、」
追島さんは、そういいながらうれしそうな笑顔で僕に微笑んできた。そして片手でつかんだ僕の頭をさらに天高く持ち上げると
「俺は鬼瓦興業のゴッツ追島だ、、、お前なかなか色男だなー」
にっこり笑ってそう話しかけてきた
「い、、いえそんなことは、、、、」
僕は、苦笑いをしながらそう答えた、すると追島さんは今度は突然打って変わったように恐い形相にかわり僕に向かって一言どすの利いた声でつぶやいた
「俺はなー、昔からお前みたいな、色男が大嫌いなんだ、、、、おまけに、何べんもゴリラ、ゴリラって人の気に障ること抜かしやがって、これからたっぷり可愛がってやるから、よろしくなー、新入り」
「、、、、よ、、よろしくお願いいたします、、、」
僕は恐怖におびえながらも、必死で返事返した、
そんな様子を今まで黙って見ていた鉄が、ボソッと声をもらした
「さ、、、、さすがは吉宗の兄貴だ、、、、追島の兄貴にいきなり会ってゴリラ呼ばわりできるなんて、、、、」
鉄はそういいながら、キラキラ輝く感動の目を僕へ向けていた
「それもそうだなー、この追島を初対面からゴリラ呼ばわりするとは、お前なかなかたいしたもんだぞー吉宗、がははははっは!」
親父さんはうれいそうにそう言いながら、これまた大きな声で笑い始めた。
「い、いや違います、、そんなつもりじゃ、、、」
僕は恐る恐る横を見た、
するとそこには更に怒りの表情をました、追島さんが僕のことを睨みすえていた
「ひえぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
僕はこれから始まる寮生活に大きな恐怖と不安を感じながら、追島の右手の下、いつまでも捕らえられた野うさぎのように、ぶらん、ぶらんと、つるされていたのだった。
つづく
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コメント
13話と14話、続けて今、読ませていただきました~
毎回、PCの前で一人爆笑しながら読んでいるんですが、13話は特に面白いですね!!(^-^)
楽楽さんの掲示板で修正?したって書いてあったけど、また戻した?のかしら・・こんにゃく騒動でしょう?顔面シャワーってとこで、面白くて飲んでいたコーヒーをあやうく口から吹き出すところでした~~~(^_^)v
14話で新しいゴリラさんが登場して(笑)、またまた今後の展開が楽しみです。
投稿: みゅうー | 2008年2月19日 (火) 12時27分
みゅうーさん、こんにちわー^^
コメントありがとうございます、実は楽楽さんのアドバイスの後、こっそりプリントアウトしていたものを読み直して、やっぱりこっちの方がインパクトがあるなと、吉宗くんには申し訳ないけど、顔面シャワーかぶってもらいました^^
ついにゴリラ男ゴッツ追島登場、さらにこれから吉宗くんの回りにたくさん強烈なインパクトを持った連中が登場します^^
次回は噴出しそうじゃなくて、噴出してしまうまで、面白いものを書きますよー
ココログついに絵文字も入れられるようになりました^^
投稿: 光一郎 | 2008年2月19日 (火) 18時02分
みゅうーさん、光一郎さん、こんばんは。
顔面シャワーだから、みゅうーさんが読まれたのは、
再修正されたコンニャクの方なのですね?(笑)
吉宗くんの物語は、何でもありのとびっきり面白くしてくださいな(笑)
投稿: 楽楽 | 2008年2月20日 (水) 00時06分
楽楽さんこんにちわー^^
のびのび自由に書く、楽楽さんの教えを守っていきますよー^^
でもあまりにも暴走をはじめてしまったら、注意してやってくださいね^^
これからの展開では、吉宗くんの秘められた力と、いよいよめぐみちゃんの秘密に触れたいとおもっています^^
お楽しみにー^^
投稿: 光一郎 | 2008年2月23日 (土) 11時25分