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2008年3月10日 (月)

第20話 めぐみちゃん指名手配?

閻魔のハゲ虎という異名を持つ刑事の出現にめぐみちゃんは大慌てで、露店の下に姿をかくしてしまった

僕はわけも分からず,、慌ててめぐみちゃんを見つからないようかくして立ち上がると、そこには鋭い眼光で僕を睨みすえている、ボーリング玉男、閻魔のハゲ虎が立っていた

Toratoyosi

 

「見ねえ面だな、、、、」

ハゲ虎は手にしていたパイプをくわえながら僕をなめまわすように見つめていた

 

「き、、昨日入社したばかりで、、」

僕は露店(さんずん)の下で隠れている、めぐみちゃんのことが、ばれていないかドキドキしながら答えた

「新入りか、ふーん」

ハゲ虎はまるで蛇のような気味の悪い目で、僕をじーっと見つめていた、僕はその異様な雰囲気に耐えられず、緊張しながら言葉を発した

「あ、、、あの、、ぼ、、僕の顔になにか、、、、」

ハゲ虎は僕の言葉に返事もせず黙ってこっちを見ているだけだった、僕は足をががくがく震わせ、脂汗でぎっとり額を濡らしながらも必死になってごまかし笑いを浮かべた

「、、、、、何がおかしいんだ、、?」

「え?、、、、」

突然のハゲ虎の言葉に僕は青ざめてしまった

「何がおかしいんだって聞いてんだ、、、、」

ハゲ虎はまるですべてお見通しといった目で僕に追いうちをかけてきた

「い、、いやあの、別に、、その。、、、」

僕はその場から逃げ出したい気持ちだった、しかしそんなことをしたら、下に隠れているめぐみちゃんが、そう思うと逃げることもできず、ただただハゲ虎の前で蛇に睨まれた蛙状態と化していた

 

その時、聞きなれた大きな声が、僕とハゲ虎の間に割って入ってきてくれた

「あららーこらあ、虎三の旦那じゃねーすか、どうしたんすかこんな所に、、、、?」

振り向くとそこには、野菜の箱をかかえた銀二さんの姿があった

 

「あーこいつっすか、こいつは昨日からうちで働いている、吉宗ってやつでさあ、、まったく気が小さくてね、、、」

銀二さんはアゴで僕をさすと、抱えていた野菜の箱を地べたに降ろし、胸ポケットからたばこを取り出した、

 

「新入りか、、確かに気が小さそうで、お前の所にしちゃ珍しいやつだな、、、」

ハゲ虎はしばらく僕をじーと見つめていたが、突然眉をぴくっと動かし口を開いた

「お前なんだ?その顔の傷は?」

「え、、、?」

 

「夕べこの近くで喧嘩があったらしくてな、おめえ心当たりはねえか、、、、ん?」

「、、、、、、、、!!」

ハゲ虎はそう言うと、再びじーっと蛇のような目で僕を見つめた、僕は再び訪れたその沈黙に耐えきれず、思わず口を開きそうになったその時、

 

「喧嘩?、、、ははは、旦那、まさか、、見て下さいよこの情けない面構え、こいつが喧嘩なんてするわきゃねーでしょ、、、」

そう言いながら銀二さんは、僕とハゲ虎の間に割って入ってきた

「それに追島の兄いに聞いたけど、犯人はどえらい鬼みたいに強い男だったんでしょ、、、俺なら分かるけど、こいつのどこが鬼みたいなんすか、、、、はははは」

銀二さんはたばこを、ふかしながらハゲ虎に訴えかけた、僕はドキドキしながら、銀二さんとハゲ虎のやり取りを見ていた

 

ハゲ虎は再び僕をギロッとひと睨みしたあと、今度は銀二さんに向きなおった

「確かに、こいつは気が弱そうだ、、、、」

「でしょう、旦那、、、、」

 

「それじゃ、下手人はお前か、銀二、、、、、昨夜は何してたんだ、、、」

ハゲ虎はそう言いながら銀二さんを睨んだ

「やだなー旦那、、、俺にはアリバイがあるっての、昨夜はこの裏の倉庫で、これ相手にこれこれ、、ははっは」

銀二さんは、自分の小指をつきたてながら、いやらし笑顔で腰をかくかく振って見せた。ハゲ虎は呆れた顔で銀二さんを見ていたが、しばらくして奇妙な顔で笑いだした

「あいかわらずに、スケこましてやがるのか、、、いい加減にしねえと、いつか変な病気もらっちまうぞ、、、」

「そんなへましないっての、、、ははは」

銀二さんは笑いながら答えた、ハゲ虎も一瞬の間、銀二さんと一緒に笑っていたが、すぐに元の気味の悪い顔にもどると

「まあ、喧嘩っていっても被害者の連中も、札付きの悪だ、俺にとっちゃどうでも良いことだ、、、そんなちんけな事件の犯人より、今日はこいつの事を聞きに来た、、、、」

 

ハゲ虎はそう言いながら胸の中に手を入れて、僕の前に一枚の写真を取り出して見せた

 

「おい、新人、お前この娘に見覚えはないか?」

 

僕はおそるおそる写真に目をやって、再び青ざめてしまった

「、、、、うぐ!?」

そこにはとびっきりの笑顔で微笑んでいる、めぐみちゃんの姿が写し出されたいたのだった

 

「この近くで見かけたっていう目撃証言があるんだが、、、、見覚えあるだろう、、ん?」

ハゲ虎は、写真をさらに僕の顔に突きつけながら、さらに不気味な顔で睨み据えてきた

 

僕は動揺しながらも頭の中で、めぐみちゃんの言葉を思い出していた

『その刑事に私の事を聞かれても知らないって答えて下さい、、、』

彼女と約束したその言葉を守るために、僕はひきつった顔で必死に答えた

「、、、、し、、、知らない、、、です、、、、そんな子、見たこともないです、、、」

 

ハゲ虎はそんな僕をじーっと見つめていた、

(だめだー、このままではめぐみちゃんが隠れていることがばれてしまう、、、、)

僕がそう思った時、以外なことにハゲ虎の顔に変化が起きた、

なんと恐ろしかった顔が笑顔に変わったのだ、

 

「はははは、、どうやらお前さん、何も知らないようだな、、、、分かった、」

そう言いながらハゲ虎はめぐみちゃんの写真を胸に収めてしまったのだった

 

「銀二、仕事の邪魔して悪かったな、、、、」

ハゲ虎はそう言うと、銀二さんの肩を軽くポンとたたいて、神社からあっけなく出て行ってしまった

 

銀二さんはそんなハゲ虎の後ろ姿を見つめていたが、ふっと鉄に目配せをした

鉄も察知したのか、こくりとうなずくと、ハゲ虎の後をコッソリ付けて行った

 

「閻魔の旦那のことだ、油断はできねえからな、、、、」

銀二さんはそう呟くと、小声で隠れているめぐみちゃんに向かってささやいた

「めぐみちゃん、、鉄が戻るまで、もう少し辛抱して隠れてた方がいいな、、、、」

「、、、は、はい、、、、」

めぐみちゃんは三寸の下から小さな声で銀二さんに返事を返した

銀二さんは今度は僕に向かって声をかけた、

「めぐみちゃんが、やつに見つかったら大変だからな、しっかり見守ってろよ、吉宗、、、」

「は、、ハイ、、、!!」

僕は緊張しながら返事をした

 

「俺も仕事に戻らなきゃなんねーから、鉄の知らせが来るまで油断すんじゃねーぞ」

銀二さんはそう言うと、もとのたこ焼売場に戻って行った。

 

 

銀二さんがいなくなり、鉄の報告を待ちながら、僕はあれこれ今まで起きたことを頭に浮かべながら、無言で立たずんでいた

そして僕の足元で隠れているめぐみちゃんもじっと、息をひそませていた

僕はふっと、めぐみちゃんのさっきの言葉を思い出した

 

『 私、人を好きになっちゃだめなんです、、、、、』

 

僕はその言葉の理由がうっすらと分かってきた、、、、、

(人を好きになってはいけない、、、、、そうか、、、、、そうだったのか、、、、めぐみちゃん、、)

 

僕は悟ってしまった、そう、実はめぐみちゃんは何らかの事件に巻き込まれて警察から指名手配を受けているのではないか、、、

 

人を好きになってはいけない、、、、

その言葉の真意は、犯罪に手を汚してしまった彼女が恋愛をすることで、相手に迷惑をかけてはいけない、という彼女のやさしさから口にでた言葉だったんだ、、、、、

僕はそう気がついた時、胸の中がかきむしられる思いだった、

 

(めぐみちゃん、、、、君の笑顔の裏側にはそんな深い悲しみの秘密があったんだね、、、)

僕は露店(さんずん)の中で目にいっぱい涙をためていた

 

そして僕は面接で出会ったときのめぐみちゃん、やさしく僕の傷を治療してくれた時のめぐみちゃん、、、、

そして、 

『頑張ってくださいね、私吉宗くんのこと応援してますから、、、』

 

そう言いながら昨日の夜、ニッコリ笑って微笑んでくれた、めぐみちゃんの明るくやさしい笑顔が僕の頭の中で蘇ってきた、、、

Magumifaight_2 

 

(、!?、、、まて、早とちりはダメだぞ、、、あんなに明るくやさしい笑顔のめぐみちゃんが犯罪を犯すはずはない、、、、そうか、、、そうだったのか、、、)

 

僕はじっと立ち尽くしながら、その目から大粒の涙をぽろぽろとこぼし始めた

「そ、、そうだったんだね、、、、めぐみちゃん、、、」

僕は泣きながら小声でぼそっと呟いた

(めぐみちゃん、、、君は無実の罪を着せられて、警察から追われていたんだね、、、、)

 

(なんて悲しい十字架を背負わされていたんだ、、、、こんなにやさしい子にこんな辛い運命をしょわせるなんて、神様はなんて意地悪なんだ、、、、)

僕は思わず嗚咽しながら泣きくずれていた。そして、哀れなめぐみちゃんが愛おしくて愛おしくてたまらなくなってしまったのだった、

僕はその高まった感情を抑えることが出来なくなってしまった、そしてついに下で隠れているめぐみちゃんにその熱い心を打ち明けてしまった、、、

 

「めぐみちゃん、、、、ぼ、、、僕は、、、僕は君が好きだ、、、」

 

「、、、、、!?」

三寸の下でごそっと動くめぐみちゃんの音が聞こえた、

 

僕の高まりは、さらに頂点へと達した、そして号泣しながら僕はこう繰り返した

 

「めぐみちゃん、、、僕は君を愛しています、、、、、、、、」

Aisitemasu

 

「、、、、、、え!?」

Aisitemasumegumi

 

こんどは下からめぐみちゃんの驚きの声がかすかに聞こえてきた

 

「何も言わなくていい、君のつらく悲しい秘密、、、、僕にはすべて分かっているよ、、、、めぐみちゃん、、」

「、、、、、、、、、」

 

「すべての秘密を分かった上で僕は、僕は、、、、、僕は君を心から愛しているんだ、、、、」

僕は涙でぐちゃぐちゃになった顔で、高まる感情の赴くままにめぐみちゃんに愛の告白をしてしまったのだった、、、、

それが、僕にとって更なる恐るべき試練の道への幕開けだったとも知らずに、、、、

つづく

続き
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イラストは後日更新します^^

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