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2008年4月18日 (金)

第31話 激突吉宗vsヨーゼフ

武州多摩の地に流れる多摩川は、東京を流れる大きな川の中でももっともきれいな川といわれていた、春になると美しい緑に覆われ、土手を一歩入ると整備されたサイクリングロードが長く続き、そこにはたくさんの自転車を楽しむ人たちや、ジョギングやウォーキングに励む人たちの憩いの場としても役立っていた

「おはよう、、、今日は天気がいいだがね、、、」

「あら、お楽さん今日もカメラをもってウォーキング?」

「この先で桜が見ごろだからね、、、コボル君もはっはさんも天気でお散歩びよりだがね、せっかくだから一枚、、」

名古屋なまりのお楽さんは嬉しそうに、尻尾を振って喜んでいる柴犬の写真を撮影した

 

「あー、コボル君ばっかり、ずるいわねー」

そこへまた別の女の人が大きなワンちゃんを連れて現れた

「あらー、ルビーちゃんとあかちゃんも来たのね、はいはいわかりましたよ、、、」

お楽さんはこんどはボールをくわえて歩いてくるゴールデンレトリバーにカメラを向けた

「おはよう、」「おはよう、、、」

何時の間にか多摩川の芝生の上には、たくさんの犬の散歩をする人や、ウォーキングを楽しむ町内会の人たちが集まっていた

 

「最近この辺もまた暴走族が増えてこまっちゃうわね、、、」

「夕べもひどかったでしょ、、、警察は何してるのかしらね、、まったく」

「お楽さん、たしか虎三さんと同じ町内会よね、こんど何とかしてくれって伝えてくれるあの人刑事さんでしょ」

「だめだめ、虎三さんよりそう言うことは、辰三さんに言わなきゃ、、、」

お楽さんはカメラをかまえながら、笑って答えた

「辰三さんってあの鬼瓦の?」

「そう、鬼辰さんに言えば、あそこの社員さんたちが、暴走族たちに注意してくれるでしょ、、なんていってもあの人たちは、ほとんどが暴走族とかのOBだからね、、、」

「でも、ヤクザでしょ、、、あの人たち、」

コボル君の飼い主のおかあさんはおびえ顔で、お楽さんを見た

「ヤクザはヤクザだけど、あの人たちは暴力団とかじゃなく、テキヤ一本の稼業人だから別よ、、、それに鬼辰さんは今時珍しい侠客の親分さんよ、、、」

 

「侠客、、?」

 

「強気をくじき、弱気を助ける義侠の親分さん、」

「知ってる知ってる、昔の映画の健さんみたいな感じね、、、、ほほほほ」

町内会の人たちは、親父さんのうわさで盛り上がりながら、楽しそうに朝の憩いのひと時を過ごしていた、そしてその中の一人の女性が、サイクリングロードのかなたを指さして声をだした

「噂をすれば、あの子、鬼辰さんのところのヨーゼフじゃない、、、?」

町内会の人たちは、いっせいに指の先を見た、

そこには、全速力で走り続けるヨーゼフと、やつに無理やり拉致されたあげく、一時間以上もの間、多摩川のサイクリングロードを引き回されて走らされていた僕のすがたがあった、、

Yosivsyozehu3  

「よたー、ー、とまれーー、はひ、はひ、はひ、、、、いい加減にとまへーーー」

僕はよれよれになりながらも、必死になってヨーゼフに引っ張られながら走っていた、

ぶはーぶはーぶはーぶはー

さすがのヨーゼフもへばって来たのか、息をぜーぜーさせていたが、走るのをやめようとしなかった、

 

「あら、見ない顔だがね、あの男の子、かっこから見て鬼辰さんの所の新人さんかな?」

「ヨーゼフーおはよーーー」

お楽さんと町内の人たちは、うれしそうに僕たちに声をかけた

しかし僕もヨーゼフも返事など返す余裕もなく、町内会の人たちの前を全速力で通過したのち、下流に向かって走り去っていった 

「まあ、さすがは鬼辰さんのところの若い衆ね、元気がいいわー」

 

「頑張ってねー、お兄ちゃん、、、」

町内会のひとたちは、僕とヨーゼフを見ながら、楽しそうに叫んだ、するとその声のせいかどうか、暴走を続けていたヨーゼフが突然ブレーキをかけて止まった

「うわーーー!?馬鹿ー!!」

僕はヨーゼフの急停止の反動でリードを持ったまま、見事に一回転して地面にむけて背中から叩きつけられてしまった

「あたたたたー、お前、止まり方ってのがあるだろうが、、、、」

僕は背中を抑えながらヨーゼフを見た、するとヨーゼフはガバットその体を反転させたのち、大きな顔を僕に向け何か合図をした

 

「え?、、、、、」

僕がキョトンとしていると、ヨーゼフは町内会の人たちに顔をむけ、そして再び僕に振り替えると、大きな声で、ワンと吠えた

「、、、、、ま、まさかお前、僕と勝負するつもりじゃ、、、」

ヨーゼフはその言葉に、再びワンっと吠えながら首を縦にふると、その巨体をゆすりながらむっくと立ち上がった、

「やっぱりこいつ、めぐみちゃんをかけて、公衆の面前で僕と、、、、、」

僕がそう気がついたと同時にヨーゼフは全速力で、僕を引っ張りながら走り始めた

「うわーー、、、」

僕は再びヨーゼフとともに走るはめになってしまったのだった、、

 

「そう言うことなら、僕だって意地だーーー!こう見えても部活の持久走だけは、自信があったんだ!」

僕はそう叫ぶとよれよれになった体に鞭をうって、ヨーゼフのリードを強く握りなおしながら全速力で走りだした 

そして僕とヨーゼフは再び、町内会の人たちの前をすごい速さで通過したのち、今度は上流に向かって走り去って行った

 

町内会の人たちは、驚いた顔で僕とヨーゼフを見つめた

「あら、、、すごいねー、今度の新人さんは元気だがね、、、、」

お楽さんが嬉しそうに笑っていた

「でもヨーゼフ君もめずらしいねー、いつも多摩川に来ても、のっそり歩いているだけなににね、、」

芝犬コボル君とそのおかあさんも目を丸くして、僕とヨーゼフが消え去ったはるかかなたをながめていた、、、、

しばらく町内会の人たちは黙って僕たちが消えた先を眺めていたが、一人の女性が大声で叫んだ

「あー、また戻ってきたわーーー!」

人々ははいっせいに、上流を見つめた

 

「ぜはー、ぜはー、ぜはー、ぜはー」

「ぶほー、ぶほー、ぶほー、ぶほー」

僕とヨーゼフは、頭から湯気をたてながら、よれよれな姿で、ふたたび町内会の人たちの前に姿をあらわすと、すごい勢いで彼らの前を通過した、、、

「がんばれーーーお兄さん!!」

「がんばれーーーーーヨーゼフーー!!」

「ファイトファイトーーー」

人々から歓声が上がり始めた、

僕とヨーゼフはその歓声にこたえるように微笑みむと、下流のかなたへ消えていった

 

「ねえ、ねえ どおなさったのかしら?みなさんおそろいで、、、、」

そこへ可愛い子犬連れと、楽器と譜面を片手に持った上品な女性が声をかけた

「まあ、クッキーちゃんのおかあさんのあきちゃんに、みゅうちゃん、それがすごい楽しいのよ、、、、」

「何が楽しいんだい?」

さらに釣竿をかかえた釣り人達もぞろぞろと集まってきた、お楽さんは、うれいそうに僕達のことを話し始めた、

そして気が付くとサイクリングロードをはさんで、そこにはたくさんのギャラリーが集まってしまっていた

 

「おーい、また戻ってきたぞーーー」

あゆ竿をかかえためがねのおじさんが下流を指差して叫んだ

「がんばれーー、お兄ちゃん!!」

「ファイトーヨーゼフーー!!」

 

「はひ、はひ、はひ、はひ、、、」

「ぜほー、ぜほー、ぜほー、ぜほー」

僕とヨーゼフは沿道のギャラリーの前をすさまじい形相の作り笑いで手を振りながら通過すると、再び上流にむかって走っていった、、、、

Yosivsyozehu1  

「おひ、、、よーへふ、、、いいはへんに、、、はひるのほ、やめろーーー!!」

僕は目を血走らせ、頭から湯気を出して走りながら、ヨーゼフにうったえた

「ぶほーー、ふぼぼぼーーぶほほーーー!」

ヨーゼフはまるでお前の方こそ、めぐみちゃんから手を引け、、、そういった目線で僕をみながら、走るのをやめようとはしなかった、

「こいつ、、、、はひはひ」

僕もめぐみちゃんがかかったとあっては、走るのをやめることは出来ず、ぼろぼろのからだに鞭打ちながら、走り続けた

そんな僕達に、なぜか町内のギャラリーは楽しそうに、声援を送りつづけてくれていた、そして僕たちも苦しい中、そこを通過する時は、なぜか作り笑顔で手をふってしまっていたのだった、、、、、

 

そんなことを繰り返しながら、気が付いたら僕とヨーゼフは多摩川の上流と下流の往復を十数回くりかえしていた、

そしてついに、僕達は町内の人たちの前で同時に力つき、二人そろってサイクリングロードわきの芝生の上にドサッと崩れ落ちてしまった、、、、

 

「ぶは、、、、おまえも、、なかなか、、やるな、、、、ヨーゼフ、、、ぶは、ぶは、、、」

僕は目を血走らせながら芝生に横たわってヨーゼフを見た、、、

「ぶほ、ぶほほ、、、、ぶほ、、、、」

ヨーゼフも、お前もやるじゃないか、、、そういった目で僕を見ていた、、、

その光景はまるで、少年院時代、クロスカウンターによる同士討から奇妙な友情が芽生えた、矢吹丈と力石徹といった、まさに、あしたのジョー の名シーンを彷彿させるものだった、、、、

パチパチパチパチ、、、

 

「え?」

気が付くと僕とヨーゼフの周りには、すごい数の町内のギャラリーが群がっていた

「いやー兄さんたち、頑張っただがねーー、」

お楽さんはそう言いながら、僕とヨーゼフの写真を撮りまくっていた

「え、、、、あ、ははは、、」

僕とヨーゼフはなぜか笑顔でポーズをとってしまっていた

「兄さん見ない顔だけど、鬼瓦興業の新人さんだろ、、、名前何ていうんだい、」

「あ、一条吉宗です、、、」

僕は町内の人たちに、肩で息をしながら答えた

「一条吉宗、、こりゃー立派な名前だねー、」

「それにさすがは鬼辰さんところの若い衆だ、いい根性みせてもらっただがねーー、一条吉宗君!」

お楽さんと町内の人たちは、そう言いながらうれしそうに僕とヨーゼフに暖かい拍手を贈りつづけてくれた、

こうして僕は、どういうわけか、鬼瓦興業の一条吉宗ここにあり、という感じで、その名前を地元の市民のあいだにまで轟かせてしまったのだった、、、、。

続き
第32話 爆裂ぷるんぷるん娘へ

イラストは近日アップします


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第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

こんばんは~
おぉ~、お楽さんはじめ、皆さん(私も♪)特別出演ですね!!
まさか出演するとは思ってもいなかったので、けっこう嬉しかったりしています~(*^^*)
多摩川は私が小学生だった時、父親に連れられて、よく遊びに行ってました。今はどんな風になっているのかわかりませんが、みんなの憩いの場として整備されているのですね~♪

投稿: みゅうー | 2008年4月18日 (金) 22時45分

みゅうーさん、こんばんわー
勝手に出演していただきましたーcoldsweats01
まずは軽いジャブ程度ですが、これからどんどん出演お願いしますね。
吉宗くんとめぐみちゃんがクラシックコンサートへ、もちろん演奏するピアニストはみゅうーさん、みたいな感じですhappy01

でもギャラははらいませんよーsmile

投稿: 光一郎 | 2008年4月18日 (金) 23時52分

こんばんは!
ルビー、まだこの世に居るようでうれしかったデス。
ここでは、天使ではなく、リアル扱いでお願いします。
イラスト・・・楽しみにしていますネheart
ここの町内は皆、ヘルですねsweat01

投稿: あか | 2008年4月19日 (土) 01時48分

あかさん、ルビーちゃん、友情出演ありがとうございましたーー^^

ポチもありがとうございましたー^^
デカルビーちゃんこれからも登場してもらいますからねー、賢いルビーちゃんにどんくさいヨーゼフみたいな感じで^^

いずれみんなそろったイラストもアップしますからねーーnote
まさかみんなヘル族だなって本編には書けませんねhappy01
最近根をつめすぎて、私の首も悲鳴をあげています、ちゃんと睡眠と休息をとらねば、、、catface

投稿: 光一郎 | 2008年4月19日 (土) 09時10分

こんばんは~
町内会の方々はもうお揃いでしたね~^^
こんな風にして多摩川を皆さんとお散歩してみたいんです~。
お楽さんの名古屋弁もバッチグーでしたよ~(笑)
吉宗くん、これからもp(^^)qガンバッテ!ね~

投稿: コボルのハっハ | 2008年4月20日 (日) 00時22分

ハっハさん、こんばんわー^^

またまた書き込みありがとうございまず
うっかり前回書いてしまった書き込みけしてしまってすいませんでしたー(汗

多摩川は最近どんどんきれいになってきていますよー^^
いつか町内会のみなさんで本当におさんぽしたいですね^^
名古屋弁だいじょうぶでしたか、よかっただぎゃー、ってだぎゃーはちがうって、、、

吉宗くん、ハっハさんからも声援をいただいて、ますます活躍してくれると思います、また気軽に遊びにいらしてくださいねーsmile

投稿: 光一郎 | 2008年4月20日 (日) 01時59分

書いてしまったじゃなくて、書いてもらったでした、、、、coldsweats01

投稿: 光一郎 | 2008年4月20日 (日) 02時01分

こんばんは~

ぎゃーはっはーーー
多摩川のジョギングやウォーキングに…
まで読んできて、つ、ついに、登場かと~わくわく~

「おはよう、、、今日は天気がいいだがね、、、」
こ、この名古屋弁、ちょっと変だがね(笑)
この場合は「だ」はいらないがね(笑)

みんな勢ぞろいしているところが面白いですね。
町内の人たちという設定がまたいいです。
ヨーゼフと吉宗君の突っ張り合いで、心が通じ合う犬人の仲になりそうだがね^^
お楽さんはどの人なのかな?とイラストの見物人を探しました~(笑)

投稿: お楽さん^^ | 2008年4月21日 (月) 00時14分

楽楽さん、あいや、、お楽さん^^こんばんわー

ついに登場してもらいましたよーーんhappy01
これから時々町内会の催しの折には出演おねがいしますね、とかいって、いやだと言われても出演してもらいますだがね、、、、これも、だ、が余分かな

美しい名古屋弁講座、BBSで習いにうかがうがね、、

さてさて次回はゴリラ男にちょっとスポットを当ててみたいと思っています、
ゴリラの目にも涙、ゴリラ男にも人らしい秘密が、さてさてそこで吉宗くんやいかに、お楽しみにーsmile

投稿: 光一郎 | 2008年4月21日 (月) 00時38分

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