« 第39話 吉宗君は最低~ | トップページ | 第41話 追島さんの唄Part2 »

2008年6月 5日 (木)

第40話 追島さんの唄1

幸せの余禄から一転して、僕の前にはひきつった顔の春菜先生、そしてその先には、『ツンパ、パイオツの余録』をなぜか知っている謎のスレンダーな女性、、、

僕は緊張と動揺でカタカタ震えながら、その場にたたずんでいた、

「まったく呆れたもんだね、えらそうに純粋、純粋って、あんたみたいな男が、私に説教するんだから、、、さあ、ユキ、来なさい!」

スレンダー女性は、そう言うと、無理やりユキちゃんの腕をつかんでその場から立ち去ろうとした

「いやだー、ママー、ユキもっともっとここに居たいんだよー!おねがい、はなしてよー」

ユキちゃんは泣きながら、お母さんの手を振り払おうとしていた、僕はその光景を黙って見つめているしかなかった、、、、

「ユキちゃんのお母さん!お願いです、もう少し、もう少しだけ、ユキちゃんの願いを聞いていただけませんか!」

春菜先生がユキちゃんのお母さんに必死に訴えた

「あんたも、ずうずうしい人ね、これ以上そんなこと言うようなら、園長に訴えてくびにしてもらうわよ!」

お母さんはすごい剣幕で春菜先生にくってかかった、春菜先生はそれでも一生懸命に涙を浮かべながら訴え続けた

「わ、、私はどうなってもかまいません、でもユキちゃんは、、ユキちゃんは、ずーっと前からこのお祭りの日を指折りまっていたんです!本当に心から楽しみにしていたんです!!」

僕はそんな春菜先生の純粋なやさしさを目の当たりにして、穴があったら入りたい、そんな気持で、ことの次第を見つめていた

 

突然ユキちゃんがお母さんの手を振り払って、僕の方に走ってきた

「あ!ユキー!」

「おじちゃん助けて、、、」

ユキちゃんは泣きながら僕の背中にしがみついてきた

 

「ユキ!こっちに来なさい、そんなヤクザなんかに近寄るんじゃありません!」

「ヤ、、ヤクザ!?」

それまで黙っていた僕は、その言葉に思わず興奮してしまった

「ヤ、、ヤクザとは何ですか!ヤクザとは、僕たちはれっきとした商売人ですよー!」

「ヤクザだから、ヤクザっていったんでしょ!それじゃ的屋はヤクザじゃないって言うの?」

「す、、、少なくとも、、僕はそんな気持で、この仕事をしているつもりはありません!子供たちに夢と希望を、、、、うっ、、」

僕はそう言いかけて、はっとツンパパイオツの事を思い出し、言葉をにごらせた

 

「と、、とにかく、どうして、この子がお祭りに来てはいけないか、理由を説明して下さい、理由をー!」

僕は一生懸命背中のユキちゃんをかばいながら、お母さんに叫んでいた

「何で、あんた何かに理由を話す必要があるの?バカバカしい、さあ、ユキを渡しなさい、」

お母さんは無理やり僕の後ろのユキちゃんを捕まえようとした、

「いやだー、パパに会えるまで絶対帰らないー!」

 

「パパ?」

僕は首をかしげながら後ろのユキちゃんを見た、

「ユ、、ユキ、、お前、、、、」 

振り返ると、お母さんは急に引きつった顔で、ユキちゃんを黙って見つめていた

「パ、パパは、、、あなたのパパはいないのよ、、、、ユキ、、、、」、

「パパはいるんだもん、お祭りにいるんだもん!」

ユキちゃんは、涙をいっぱいにためて泣き叫んだ、、、、、

「ユ、、、、ユキ!いい加減にしなさい!」

「ママの嘘つきー、パパはいるもん、お祭りにいるって、ユキ知ってるんだもん!ユキ、、パパに会いたいんだもん!!!」

「ゆ、、、ユキちゃん、、、、、」

春菜先生は、悲しそうにユキちゃんを見つめていた

「パパに会いたい、、パパに会いたい、、、」

 

「ユキちゃん、、き、、君は、、、、、」

そんなユキちゃんの悲しい泣き顔を見ていて、僕の脳裏にふっと子供のころの思い出がよみがえって来てしまった、、、、

 

 

「よしむねー、よしむねー、まってー、、」

小さな土手づたいを、女の子が叫びながら走っていた、女の子はぼろぼろに汚れた剣道着の男の子をみつけると、息を切らしながら近づいていった

「待ちなさい、よしむね、、どこに行くの、お母さん心配してるんだよ、、、、」

「お父ちゃんに会いに行くんだ、、、」

男の子は鼻水をいっぱいたらして泣きながら、女の子に振り返った

「お父ちゃんは、もういないんだよ、、、、よしむね、、、、」

「うそだー!おねえちゃんの嘘つき、お父ちゃんは帰ってくるって約束したんだ、、、帰ったら一緒に剣道してくれるって、僕と約束したんだ、、、、」

「よしむね、、、お父ちゃんは、お父ちゃんは、天国にいっちゃったんだよ、、、、」

「嘘だー、お姉ちゃんの嘘つきー!!」

「嘘つきーー!!」

男の子は大声で泣きながら、少女の胸にへばりついて泣きじゃくっていた、、、、

 

 

気がつくと僕の目の前には、悲しい顔で泣きじゃくるユキちゃんの姿があった、、、、

「ユギじゃん、、、、うぐぇ、、、、、」

 

僕は目、鼻、口から、たくさんの液体を流しながら、すさまじい顔で泣いていたのだった、、、

「分かる、、、、分かるよ、ユキちゃん、、、君の思い、、、、」

僕は顔じゅうぐしゃぐしゃにして泣きながら、ユキちゃんを見つめた、、、

そんな僕の姿を春菜先生は驚いた顔で見つめていた、、、

 

「おかーしゃん!」

僕はぐしゃぐしゃにゆがんだ泣き顔で、ユキちゃんのお母さんを見て叫んだ

「な、、、何よ、あなた、、急に、、、、」

「おかーしゃん、あなたは間違ってますのらーーー!!」

「何が間違ってるって言うのよ、あんたみたいな女のパンツ覗いて喜んでる男に、私のこと間違ってるなんて言う資格ないでしょ!」

「パンツは関係ないんらーーーー!!これは子供の心の問題なのですらーー!!」

僕は鼻水だらけのぐしゃぐしゃの顔を、ユキちゃんのお母さんに近づけながら、言葉をつづけた

「おかーーーーしゃん、あなたにユキちゃんの本当の気持ちなんて分からないのれすらーー!どれだけユキちゃんがお父さんに会いたいか、会いたくて会いたくてしかたないか、分からないのれすらーーー!」

「ちょっと、そんな汚い顔近づけないでよ、それに何をいってるのよ、訳のわからないことー」

「訳がわからないのでは、ないのれすらーーー!!おかーーしゃん、あなたこそ、訳がわからないのれすらーー、おかーーーーしゃん!!」

気がつくと僕の頭の中では、子供のころの悲しい思い出と、ユキちゃんの思いが、まるでビビンバの様に、ごちゃごちゃに混ざり合い、あふれかえってしまっていた、

そして僕はそのごちゃごちゃの感情の赴くままに、ユキちゃんのお母さんに対して、言葉を発していたのだった

「おかーしゃん、お父さんに会いたいユキちゃんの気持ちなんて、あなたにはわからないのれすらーーーーー!」 

その時だった、、、突然僕の後ろから獣の遠吠えのようなうめき声が響いてきたのだった

「ぐうおーーーーーーーーー!ぐうおーーーーーーーー!!」

 

「なんらー!?」

「え!?」

僕達は無言でその遠吠えの聞こえる方に目を移した、、、

「ぐうおーーーーーーーーー!ぐうおーーーーーーーーー!うぐえ、、、うぐえ、、、、、」

獣の鳴き声はさらに大きくあたりに鳴り響いた

ガサガサ、ガサガサ

突然僕達の前の植木が揺れると同時に、後ろにいた保育園児の健太郎くんが大声で叫んだ

 

「ゴリラだーーーー!」

 

園児の指の先にはパンチパーマのゴリラ、、、じゃなかった、鬼瓦興業の鬼軍曹、追島さんが、顔中グシャグシャに泣きくずれた顔で、植木の陰から顔をのぞかせていたのだった、、、、

「ほらー、、先生、僕の言ったとおりゴリラがいたでしょー!、ほらほら、」

そう叫び続けている健太郎君の横にいたユキちゃんが、急に目をキラキラ輝かせながら小さな声でつぶやいた、、 

「パ、、、パパ、、、」

 

「パパーー!!」

ユキちゃんは泣きながらそう叫ぶと、追島さんの方へ向かって走り出した、、、

「あ、、待ちなさい、ユキー!」

お母さんの制止も聞かず、ユキちゃんは追島さんの胸に飛び込んでいった

「うぐおーーーー、ユキー!ユキー」

追島さんは、うめき声を上げながら顔中ぐしゃぐしゃな泣き顔で、ユキちゃんをその丸太のような腕で抱きしめていた、、

「パパー、パパー」

 

そんな様子を春菜先生も涙をいっぱいにためながら、じっと見つめていた、、、、

 

「な、、なんらー? なんなんらーーーー?」

「ユキちゃんのパパはゴリラ、、、、じゃなかった、追島さん?」

僕は感動と涙のゴリラと少女の包容を眺めながら、訳が分からない顔でたちつくしていたのだった、、、。

続き
第41話 追島さんの唄Part2へ

イラストは近日更新しま~す^^

Onegai2

にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ にほんブログ村 小説ブログ コメディー小説へ
good↑侠客☆吉宗くんの他、楽しい
ブログがいっぱい紹介されているサイトです^^
clover
クリックしてもお金はかかりませんよーん clover

|

« 第39話 吉宗君は最低~ | トップページ | 第41話 追島さんの唄Part2 »

第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

はじめまして!

昨日、ブログ村からこちらに辿り着き~、最新話に追いつきましたnote

おもしろすぎですhappy01

って、追島さんの唄1は泣いてしまいましたが…sweat01

お仕事をされながらの更新は大変でしょうが、お体には気をつけて頑張って下さいねgood

次話も楽しみにしていますhappy01

投稿: けんさぁ | 2008年6月 6日 (金) 14時26分

けんさぁさん、コメントありがとうございますhappy01、めちゃめちゃ嬉しいコメントで思わずうるうるしてしまいましたcrying
おもしろいって言って下さることばが、なによりの活力になりますriceball
本当は毎日のように更新したいのですが、これからもできる限りがんばって続きを更新していきますので、また読んでやって下さいねhappy01
本当に暖かいコメントありがとうございましたー^^

また気軽にコメントくださいねnote

投稿: 光一郎 | 2008年6月 6日 (金) 22時24分

こんばんはー!

やっぱり、やっぱり、やっぱりー!!!
ユキちゃんと、ゴリラ男追島さんは、親子だったのですね。
顔はゴツイけど、心は優しい人なんですよね。

春菜先生のツンパ覗きがめぐみちゃんに知れたらたーいへん!(笑)

投稿: 楽楽 | 2008年6月 8日 (日) 22時21分

楽楽さん、こんにちわー^^

追島さんゴリラだと思ったら、人間だった、、、、
さてさて楽楽さんの予測どおり親子関係はわかりましたが、これからどうなっていくことかhappy01

吉宗君が何をやらかしてくれることか、今から書いている私もわくわくしています

本当にこの先どうなっていくか、私にもわからないのですsmile

さてさて追島さんの親子の行方と同時に、鉄が楽しみにしていたすべーるすべるの謎が、、、、
こちらは春菜先生のツンパ覗き異常に、めぐみちゃんとの仲に大問題が、、、coldsweats02

投稿: 光一郎 | 2008年6月 9日 (月) 10時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/166831/41419903

この記事へのトラックバック一覧です: 第40話 追島さんの唄1:

« 第39話 吉宗君は最低~ | トップページ | 第41話 追島さんの唄Part2 »