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2008年6月10日 (火)

第41話 追島さんの唄Part2

追島さんに、こんな可愛い娘がいたなんて、、、

僕はパンチパーマのゴリラと、父を思い慕ういたいけな少女の抱擁を眺めながら、感動の涙を流し続けていた

と、同時に僕は大きな勘違いにも気がついた

(追島さんの涙の秘密は、この春菜先生ではなく、ユキちゃんという娘さんが原因だったのだ、、、)

 

「追島さんって、、やっぱり人間だったんですね、、、、」

僕は小声でそんなことをつぶやきながら、とめどない涙を流し続けていた

 

「ユキちゃん、、、よかったね、、、」

僕の耳に小さな声で春菜先生の優しい声が響いてきた、、、、

「、、、、、、!」

振り返ると、春菜先生もユキちゃんと追島さんの抱擁を眺めながら、美しい涙を流していた、、、、

「、、、あ、、、、?、、」

春菜先生は一瞬僕と目があい、恥ずかしそうに横を向いて、涙をぬぐった、、、

僕はそんな春菜先生から慌てて顔をそらすと、その横に立っていた一人の女性の顔に目を移し思わずはっとしてしまった、、、

そこには怒りから顔面蒼白と言った顔で、追島さんたちを見ている、ユキちゃんのお母さんが立っていたのだった、、、、

 

「よくもまあ、、、、私達の前に姿を見せられたものね、、、、、」

お母さんは声を震わせながら、つぶやいた、、、、、

ユキちゃんを抱きしめていた追島さんは、我に返ると静かにユキちゃんのお母さんのことを見つめた、、、

 

「ユキ、、、その人から離れなさい、、、、」

お母さんは静かにユキちゃんにつぶやいた、、

「いやー、パパといっしょにいたいんだもん、、、」

「その人は貴方のパパじゃありません、パパと呼ばれる資格のある人じゃありません、、、さあ、離れなさい、、、」

「いやだーー!!」

ユキちゃんは泣きながら追島さんの胸にしがみついた、お母さんは、ふーっとため息をつくと、今度は覚めた顔で追島さんに話しかけた

「あなたから、ユキに話して下さらない、、、、私の方に来るように、、、、」

「、、、、、、、」

追島さんは、悲しい顔でじっとユキちゃんを見つめながら、唇をかみ締めて黙っていた

「あなたが、私にした裏切り、忘れたわけじゃないでしょう、、、、さあ、あなたの口から話してください、こっちに来るように、、、、、」

追島さんは身体を震わせながら、悲しそうな顔でお母さんを見つめていた、、、

 

「ユ、、、ユキ、、、、、、」

追島さんは震える手で、ユキちゃんの肩をつかんで話をはじめた

「ユキ、、、、お母さんの元へ、、、、戻りなさい、、、、」

「パパ、、、何で、、、パパ、、、、」

ユキちゃんは泣きながら追島さんにしがみついた

「、、、もう、、、俺はユキのパパじゃないんだよ、、、、さあ、、、お母さんの元へ行きなさい、、」

「パパだもん、、、パパだもん!!」

ユキちゃんは一生懸命追島さんに泣いてすがった、、、

 

僕はそんな二人の様子を見ていて、高まる感情を抑えることができなくなり、思わず大声で追島さんに叫んでしまった 

「な、、、なんで、、、何でですか追島さん!ユキちゃんはこんなに追島さんのことをしたっているのに、、、」

追島さんはそんな僕を黙って見ると、その目で黙れと合図をしてきた

 

「追島さん!!」

 

「うるせー!てめえの出る幕じゃねーんだ、引っ込んでろ!!」

「で、、、でも、、、、」

 

「そうよ、、あなたは関係ないでしょ、お兄さん、、、、、」

ユキちゃんのお母さんも、覚めた顔で僕にそう言い放った

 

「ユキ、、、、、お母さんの元へ行きなさい、、、」

追島さんはそういうと震える手で、ユキちゃんを無理やり自分の体から引き離し、お母さんのもとへ引き渡した、、、

「パパのバカーー!パパのバカー!!」

ユキちゃんは顔中グシャグシャに泣き崩れながら、お母さんの元に引き寄せられてしまった

僕は胸をえぐられる思いで、その光景を黙って見つめるしかなかった、、、

 

「先生、、、あなたの軽はずみな行動のおかげで、こんなことになってしまったのよ、、、責任は取ってもらいますからね、、、、」

ユキちゃんのお母さんは春菜先生に恐い顔でそう告げると、鬼のような目で今度は追島さんを見た、、、、

「あなたも、こそこそユキと電話なんてしないで下さい、迷惑です、、、、」

「、、、、、、、、」

追島さんは黙ってお母さんとユキちゃんを見つめていた、、、、

「さあ、ユキ行きましょう、、、、」

ユキちゃんのお母さんはそうつぶやくと、泣き崩れるユキちゃんの手を引いてその場から立ち去ろうと振り返ってはっとした、、、

「、、、あなたは?」

そこには、悲しそうな顔で立っている銀二さんの姿があった

 

「お慶さん、、、、変わりましたね、、、」

「銀二ちゃん?、、、、、」

お母さんはユキちゃんの手を握ったまま、銀二さんにつぶやいた、、、、

「へえ、あんたもまだ、こんなヤクザな稼業、やめてなかったのかい、、、」

「自分みてえな、頭の悪いぼんくらには、こんな仕事しかねーもんすからね、、お慶さん、、」

「ふ、、、」

銀二さんは、ユキちゃんのお母さんのことを再び、お慶さんと呼びながら笑った、、、

 

「お慶さん、、、まだ、兄貴のこと許せねーんですか、、、、、」

銀二さんは辛そうに、ユキちゃんのお母さん、お慶さんにつぶやいた、、、

「、、、、、、、、」

お慶さんは無言で横を向いた、、、

「責任は俺にあるんすよ、、、、あの時、追島の兄いを巻き込んじまったのは、俺なんですよ、、、お慶さんが、兄貴を許してくれんなら、俺はどんなオトシマエでもうけさせてもらいますから、、、あの、、、」

「銀二ー!!」

 

銀二さんの言葉を追島さんが大声でさえぎった、、、、

「てめえが責任感じる問題じゃねーんだ、余計な口挟んでねーで仕事しろしごと、」

「で、、、でも兄貴、、、、」

「ほら、お客さんが待ってんだろが、、、」

追島さんはそう言いながら銀二さんのたこ焼きの三寸の前に並んでいる人を見た、、、

「あ、、、、!?」

銀二さんは慌てて、売り場にもどった

 

「さあ、、、、行くわよユキ、、、」

お慶さんはそう言うと、無言でユキちゃんの手を引きながら、境内から去っていった、

追島さんは、しくしく泣きながら、お慶さんに連れられて行くユキちゃんの姿を、じっと無言で眺めていた、、、

 

「私が、、、私が余計なことを、、、、ごめんなさい、ユキちゃんのお父さん、、、、、」

春菜先生が追島さんに近寄って、深々と頭を下げた、追島さんは、慌てて手をふると、静かにつぶやいた

「いや、、、先生、、、先生の気持ち、感謝してます、、、、」

「追島さん、、、、」

「それに、先生のおかげで、こうして何年ぶりかに、可愛い娘を抱きしめることが出来たんすから、、、」

追島さんはそういいながら目にたまった涙を隠すように、春菜先生に背中を向けた、

 、

「先生、、、、俺達のために、迷惑をかけちまって、、、、すいません、、、、」

「迷惑だなんて、、、私は、、、、」

「あいつのこと、恨まないでやってください、、、、」

追島さんは背中越しに春菜先生につぶやいた、、、、

「慶子のやつをあんなふうに変えちまったのは、自分なんです、、、、あいつが先生に言った失礼な言葉、勘弁してやってください、、、、。」

 

「勘弁だなんて、そんな、、、そ、それに恨むだなんて、私こそ、、」

 

「それじゃ仕事があるんで、、、、」

追島さんは寂しげにそう告げると、春菜先生の元から僕のほうに近づいてきた

 

「お、、、追島さん、、、、」

僕は涙と鼻水でグシャグシャに崩れた顔で、追島さんを見た、、、、

「ふ、、、、なんて面してやがんだ、、、、吉宗、、、、」

追島さんは静かに通りすぎながら、僕の肩をポンとたたいて、寂しげに奥の持ち場に去っていった、、、、

「お、、、追島しゃん、、、、」

僕は、しばらくその場で、ぽろぽろと涙をたらしながら、立ち尽くしていた、、、

 

「あ、、、、あの、、、」

そんな僕に、春菜先生がやさしく声をかけてきた、、、

「あ、、、先生、、」

僕は慌てて、頭に蒔いたタオルをほどくと、涙と鼻水をぬぐって、春菜先生の方に振り返った

「すごい涙、、、ふふふ、、、」

春菜先生は、僕がパンツを見てしまったことなど、まるで無かったような顔で、微笑んでくれた、、

 

「それじゃ、私達行きますので、、ありがとうございました、、、」

「あ、、いえ、、、あの、、、」

「さあ、みんな、お兄さんにお礼を言ってね、園に戻ろうね、、、」

春菜先生がやさしく残された子供達に話しかけると、子供達は無邪気に僕にお礼を言ってくれた

「ありがとうございましたー」

「あ、、いや、こちらこそ、ありがとう、、、、」

僕はそう言いながら、照れくさそうにに笑った

春菜先生と、子供達は小さな金魚の入った袋をぶら下げて外に向かって歩きだそうとしたその時、

「あ、、春菜先生ー!!」

僕は無意識に春菜先生の名前を叫んでしまった、、、

「はい?」

春菜先生は不思議そうに僕に振り返った

「あ、、、あの、、、あの、、、、、」

「?」

「あの、、、さっきは先生のパンツを見てしまって、す、すいませんでしたーー!!」

「、、、!?」

僕の突然のその言葉に春菜先生は、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに僕を見た、、、

 

「す、、、、すいませんでした、、、、、」

僕は深々と頭をさげながら、もう一度真剣に春菜先生に謝った、

少しの間沈黙が続いたのち、春菜先生は優しそうに微笑んで僕に声をかけてくれた

 

「、、、、、偶然ですよね、、、、」

「え、、、、あ、、あの、、、、」

「わ、、私の方こそ、こんな姿で、金魚に夢中になってしまったから、あなたに変なもの見せてしまって、、」

春菜先生は恥ずかしそうに自分のキュロットスカートを押さえながら微笑んだ

 

「私こそ、、さっきは最低なんてひどい事いってしまって、、、、ごめんなさい、、」

春菜先生は逆に僕に頭を下げてきた

 

「いや、、、、そんな、、、あなたが謝ることじゃ、、、僕が、、、僕がスケベだったから、、、」

僕が慌てている姿を見て、春菜先生は思わずぷーっと吹き出して笑いだした、、、、

「あなたって面白い方ですね、、、姿はテキヤさんそのものなのに、全然それっぽくなくて、、、」

「え、、あ、このかっこうは、、」

「それに、さっきのユキちゃんのお母さんへの涙の訴え、、、、私、、感動しました、、、、」

「は、、、、いや、、、あれはつい、、、、」

 

「それじゃ、また、、、、やさしいテキヤのお兄さん、、、」

 

春菜先生は笑顔で僕にそう言うと、待っていた子供達といっしょに境内を後にした、、、

僕はそんな春菜先生と子供達の後姿を無言でじっと眺めていた

「、、やさしい、、テキヤのお兄さんって、、、」

僕は春菜先生の最後の言葉をつぶやきながら、みんなが消えた境内の外をポーッとながめていたのだった、、、、

続き
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イラストは近日更新しま~す^^

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第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

ん~think
なんともコメントしづらい内容ですねぇdespair
追島さん夫婦に何があったのかなぁ‥

にしても、吉宗くんは純で熱い男ですねgood


もう一個コメント入れてるんですが、いつか気づいてもらえるかなぁsmile

投稿: けんさぁ | 2008年6月10日 (火) 23時22分

けんさぁさん、またまたコメントありがとうございます^^
&あちらにもコメントありがとうございました
しっかり見つけさせていただきましたよーhappy01

今回のお話し、かなり重たいお話でしたが、どうしても追島さんの人間らしさというか、奥行きを出したいとおもっていたら、こんな流れになってしまいましたcoldsweats01

追島さん夫妻の関係修復に向けて純で熱い吉宗くんが、どんなことをしでかしてくれるか、書いている私にも見当がつきません、

その辺はちょっと置いておいて、次回はカラッと元のお笑い路線の予定です^^

ちょっとだけ予告ですが、
吉宗くんがみんなで、すべるすべるに、、、さてさてどこに行くのやらですsmilespa

投稿: 光一郎 | 2008年6月10日 (火) 23時43分

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