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2008年6月19日 (木)

第43話 ハメリカンナイト

地域貢献のためにみんなで滑りに行く、、、、

(みんなでスケートに行くことがどうして地域貢献につながるんだろう?それに高倉さんまで、、、もしかしてテキヤさんの間では、スケートが大ブームなのかな?)

僕はあれこれ考えをめぐらせながら、みんなの後ろを追いかけて境内を後にし、はっとあることに気がついた

「追島さん、、、、」

 

「銀二さーん、そうだ追島さんが、まだ中にいるんですよー」

僕はお大師さんの中を指差しながら、大声で銀二さんに呼びかけた

 

「あ、、、そうだ、追島の兄いのこと忘れてた、、、」

銀二さんは笑いながら、ご機嫌な顔で楊枝を咥えている高倉さんを見た

「おっとあぶねえ、野郎のことを忘れて滑りに行ったんじゃ、十年はうらまれちまうからな、おう銀二、呼んでやれや、、、」

銀二さんはポケットから携帯ととりだすと、追島さんに電話をかけた

僕はそんな最中、大通りにある小さな保育園に目をやっていた

そこは昼間、春菜先生と追島さんの娘のユキちゃんをはじめて見た保育園だった

(あのお慶さんっていう人、相当怒ってたけれど、春菜先生大丈夫だったのかな、、、、)

僕は誰もいない保育園の園庭を静かに眺めながら、銀二さんたちの元へ歩をすすめていた

 

「ええ、はい、はい、、それじゃいんすか兄貴、、、、はい、それじゃ、お疲れさまっす、、、」

銀二さんは静かに携帯を折りたたんだ

「若頭、追島の兄貴、今日は野暮用があるから、行かないらしいっす、、、、」

「何?行かない、、、あのエロゴリラが滑りに行かないってのか?珍しいこともあるもんだなー」

高倉さんは目をキョロキョロさせていた

「おーい吉宗ー、何ボーっと保育園なんか眺めてんだよー、早くしねえと地域貢献、置いて行っちまうぞー」

「あ、、すいません、、」

僕は慌ててみんなの下に走りよっていった

 

「兄貴ーーーー、う、う、うれしいっすねー、高級な、すべーるすべるっすよー、ゲヘへへ、、、」

鉄の言葉に

「高級って、川崎にはそんなところがあるんだ、、、」

僕は頭の中で高級なスケートリンクを頭に描いて、はっとあることに気がついた

(そういえばテレビでシンデレラとか美女と野獣がスケートをしているショーを見たことがあるけれど、高級ってもしかしてあの人たちといっしょに滑れるのかな?)

そう思った僕は笑いながら鉄に声をかけた、、、

 

「鉄、、もしかして、シンデレラとかと滑れるのかい?」

 

「え!?、、、シンデレラと滑る、、、!?」

鉄は僕の顔を見ながら急にうれしそうな顔で不気味な微笑を浮かべた

「さすがは兄貴だー、日本の女じゃ物足りなくて、金髪の舶来姉ちゃんが好みだったんすね、、げへへへ、、、」

「いや別に好みとかじゃ無いけど、、、、、」

「いやさすがだ、、、、まさにインターナショナル、プレイボーイだー、、、、」

鉄は真剣に僕を尊敬のまなざしで見つめていた、、、

 

僕は訳のわからない状態で、高倉さんと銀二さんの後を追って歩いていた、僕の隣にはほっぺを真っ赤にしながらよだれをたらしている、鉄の姿が、

それでも僕は地域貢献という言葉にひそかに心引かれながら、期待いっぱいに歩いていた

なぜなら僕は、地域貢献や社会福祉などといったことが大好きで、子供のころは良く募金集めのため街頭に立って叫んでいたのだった

 

やがて僕達一行は、大きなガード下に差し掛かった左手には巨大な娯楽施設のような建物があり、僕はあれこれ考え事をしながらその建物の中に向かって歩いていた

「おい、、、、何処行くんだよ、、吉宗。。。」

「え、、、、?」

ふと気がつくと、銀二さんたちは建物を通り越した遥かかなたの大きな交差点の前で立っていた

「お前そこは競馬場だろが、、、、こっちだよこっち、、、、」

「競馬場?」

良く見るとそこはスケート場ではなく、川崎の競馬場だった、僕は慌てて銀二さん達のもとへ走っていった

 

大通りの信号が青に変わると、銀二さんたちは急に小走りになり始めていた、

「いやー若頭、あの町を見ちまうと、どういう訳か心が弾んできちまうっすね、、、」

銀二さんの言葉に

「おう、そうだな、、俺もいまだにここに来ると心が若返ってくるぜ、、、」

銀二さんと高倉さんは少年のような笑顔で語り合いながら交差点を渡っていた

(二人とも子供みたいに喜んで、、よっぽど好きなんだなー)

僕はガラの悪い人たちが、子供のようにはしゃいで、スケート場に向かう姿に、何処と無くほほえましさを感じながら、みんなの後を追いかけていた

 

交差点を渡ってまもなくすると、ちいさなピンクの建物の門が姿を現した

銀二さんと高倉さんは、あたりを一瞬見渡した後、さっとその門をくぐって中に入っていった

「え?、、、ここ?」

僕はスケート場のあまりの小ささに目を丸くしながら、二人が入った門の中に足を踏み入れた

 

『黄金の城』

そんな不思議な名前の看板のついた、豪華絢爛な入り口が僕の目に飛び込んできた

「いくら何でも、ここはお前らにはまだ早い、、、」

高倉さんはそういいながら胸ポケットの100万の札束から、20万くらい引き抜くと銀二さんに黙って手渡し、そして自分はうれしそうに、その黄金の城という建物に一人で入っていった

 

「ありがとうございやーす!!当然っす、自分らはあっちに行かせてもらいやす!!」

銀二さんは高倉さんから大金を受け取ると、『黄金の城』と書かれた看板の隣にある別の看板の入り口に目をやりながら、深々と頭を下げた

僕もつられて高倉さんに頭を下げながら、銀二さんが見た入り口に目を移した

そこには暗がりにチャラチャラと光るネオンで、 

『ハメリカン・ナイト』

そう書かれた、不思議な名前のスケート場の入り口が存在していた

 

「ハメリカンナイト?」

僕は首をかしげながら、銀二さんの後に続いてそのネオンの入り口を通り抜け中に入っていった

「いらっしゃいませ、、、、、」

僕達の両脇で黒服に蝶ネクタイ姿の男の人が、それは丁寧に頭を下げて挨拶をしてきた

 

「あ、、これは伊集院様、、ようこそおいで下さいました。」

入ってすぐのカウンター越しから、テカテカにポマードで頭を固めた男の人が、銀二さんに向かって頭をさげた

「伊集院?」

僕は驚いて銀二さんの顔を見た、しかし銀二さんは何事も無い顔で手にしていた札束から数万円引き抜くと、

「マネージャー、三人ね、、、、」

そう言いながら差し出した

「いつもありがとうございます、伊集院様、、それでは三名様で6万円頂戴いたします。」

 

(三人で、6万円!?、それじゃ、一人二万円!?おまけに伊集院様って、なんで、、、?)

僕の頭はパニック状態に陥っていた

「おい行くぞー、お前ら、、、」

銀二さんはうれしそうにそう言うと、靴を脱いでどかどかと綺麗なじゅうたんの引き詰められたホールを渡り奥へ入っていった

「あ、、銀二さん、待ってください、、」

僕は慌てて靴を脱いで手にすると下駄箱をさがして、あたりをキョロキョロ見回した

 

「お客様、お靴の方は、私どもでお預かりいたしますので、、、、」

僕の前に黒服のお兄さんが近づいて来た、、、

「あ、、、すいません、、、、」

僕は黒服兄さんに促されるまま、慌てて持っていた靴を差し出すと

「あの、、それじゃ僕は、スピードの26センチでお願いします、、、、」

そう自分の足のサイズと好みのスケート靴をお願いした

 

「26センチ?!」

僕の後ろで靴を脱いでいた鉄が、青ざめた顔でつぶやいた、、、

「あ、、、兄貴、、26センチもあるんすか!?、で、、、でけえ、、、、」

鉄はそういいながら手のひらを広げて、サイズを測る素振りをしていた

「え、、、別に驚くことは、、、、」

「そんなことねーっすよ、俺なんか元気な時で、15センチ、、いやおまけして17センチ、、、」

鉄はそういいながら下を向いていた

「15センチ?、、、17センチ?」

僕は鉄の足元を見ながら首をかしげていた

 

「お客様、どうぞこちらへ、お連れ様がお待ちです、、、」

黒服のお兄さんに案内されながら、僕と鉄は豪華なカーペットが敷かれたホールを歩いて奥へと入っていった

まさか、ここが、、、、、、、だなんて気がつかず、、、、

続き
第44話 爆裂バディー、マライアさんheart02

イラストは近日更新しま~す^^

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第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

あはははは~happy01
『ハメリカン・ナイト』って…ベタすぎるネーミングですねぇsmile
吉宗くんと鉄の超勘違いなやりとりがおupもろdownhappy01

追島さんの野暮用も気になるなぁdash

投稿: けんさぁ | 2008年6月23日 (月) 11時48分

けんさぁさん、こんばんわーhappy01
『ハメリカン・ナイト』私も実は好きです^^
ハメリカ・ニギリス・トレン、トレンなんて昔私の友達が言っていましたが、
さてさて、吉宗くん、どこまで行ってしまうのか、、、めぐみちゃんを裏切ってしまうんでしょうか?
下の中から、けんさぁさんのご意見おまちしてますcoldsweats01
(1、最後まで堪能してしまう、2.ちょっと滑るぐらいはしてもらって帰る、、3、何もしないで帰る、)

相変わらずの二人の勘違い合戦、書いてる私も、この二人は
「世界の吉鉄」そう思ってしまいますsmile


投稿: 光一郎 | 2008年6月23日 (月) 22時52分

普通に考えれば
1、の最後まで堪能bombでしょうgawk
が、女の私としては、超純粋吉宗くんに期待して、
2、ちょっと滑って帰る…
いや、やっぱり許せんpout
さ~んnote、後ろ髪ひかれる思いで帰るsign03
に決まりup

なんだか物語に、さ~んnote加してぃる感覚でドキドキheart02ですhappy02

投稿: けんさぁ | 2008年6月24日 (火) 15時39分

けんさぁさん、あちらで書いてあった宿題ってこのことだったのですねcoldsweats01

さーんの後ろ髪ですか、、、crying
ちょっと可愛そうな気もしますねー、

正直なところ自分でも考えてないので、あとは成り行きに任せましょう

正解か不正解かは近日読んでのお楽しみにしてくださいsmile

これからちょくちょく、けんさぁさんに、物語に参加していただきますので、よろしくおねがいしまーすbleah

投稿: 光一郎 | 2008年6月24日 (火) 17時45分

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