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2008年6月

2008年6月27日 (金)

第44話 爆裂バディー、マライアさん

「お客様、こちらでお待ちくださいませ、、、」

黒服さんの丁寧すぎる応対で、僕は銀二さんが待つ、奥の控室に案内された

そこには豪華なソファーとテーブルが上品に並べられており、その奥のソファーに銀二さんが腰掛けて何やら数枚の写真を眺めながら、マネージャーと話をしていた

「それでは伊集院様は、クリスティーヌですね、、、かしこまりました。」

「おう、頼んだよマネージャー、、」

銀二さんは嬉しそうにそう告げると、控室の入り口できょろきょろしている僕と後ろの鉄に声をかけた、

「おい吉宗、鉄、なにそんなとこで突っ立ってんだよ、」

「あ、、はい、、、」

僕はあわてて銀二さんの隣に腰をおろした

 

「失礼いたします、、、、お飲み物は何になさいますか?」

僕がソファーにつくと同時に、銀二さんの前にいたマネージャーが、さっとお絞りを差し出してきた

「え、、、?」

「そこにメニューがあるだろ、ビールでもブランデーでも、好きなの頼めよ、ただだから、、」

銀二さんに言われ、ぼくは慌ててメニューからオレンジジュースを注文した

 

「それではお客様、本日出勤している、当店のナイスレディー達です、、」

マネージャーは片方の眉毛をぴくっと吊り上げながら、いやらしい顔で、数枚の写真を僕と鉄の前に差し出した

 

「え?、、、、ナ、ナイスレディーって、いったい?」

 

僕は訳がわからず銀二さんの顔を見た

「ナイスレディーは、ナイスレディーだろ、そん中から好きな子選べよ、、、、」

「選ぶ?、、、、」

僕は目の前に差し出された女性の写真に目をうつして、思わず息をのんだ、

そこにはまるで芸能人に負けないくらい、綺麗な女の人たちが写っていたのだった

 

「やっぱ高級店っすねー、兄貴ーーー、みんな、ハンパねえ美人すよー、ゲヘへ、、」

「う、、、うん、本当だ、、」

よだれをたらして写真を眺めている鉄につられて、僕も真剣に写真の女性達を見つめていた、、、

(この女の人たちと滑るのか、、、、世の中にはこんな不思議なスケート場があったんだ、、、、)

 

銀二さんは真剣な顔で写真を見ている僕に声をかけた、、

「どうだ、、、すげえ、まぶい女の子ばっかだろ、、、、なんっつてもサービス料4万円だからな、、、」

「え?サービス料4万って?」

「この子たち払うお金だよ、、入場料2万、サービス料4万あわせて6万円、めったにこんなところこれねーんだから、高倉の若頭に感謝しろよ、、、、」

「ろ、、、6万円ーー!?」

僕は驚きのあまりソファーから転げ落ちてしまった

「た、、たかがスケートに6万円って、、、、」

 

「スケート!?、、、、、」

 

銀二さんは驚いて目をまん丸にしたあと、顔を真っ赤にして笑いだした、、、

「お、、、おまえ、、、ここまで来て、まだここがスケート場だと思ってたのか、、ぎゃはははは、、、」

「え、、それじゃ、違うんですか?、、、、」

「ただものじゃねーとは思ってたが、国宝級だなー、お前の天然は、、、、はははは」

「そ、それじゃここは????」

 

「ん?、、お前、ここは、ソー、、、、、」

 

銀二さんは何か言いかけて、急に口をつぐんだ、そして急にいイタズラな笑顔を見せると、僕の前にあった写真のなかから、一人の女性の写真をつかんでマネージャーに差し出した

「この男、この子お願いね、、、」

マネージャーは眉をぴくっと吊り上げると、いやらしい笑顔で僕に向かって微笑んだ

「お客様、マライアさんですね、この子はナイスの中のナイスガールですよ、、、かしこまりました、、」

 

「、、マライアさん、、?、、、」

 

「はい、ナイスガール、ナイスバディーのマライアさんです、、、、」

 

「じゃあ、俺は、キャサリンー、キャサリンがいいっすーーー!!」

僕が首をかしげている横で、鉄が鼻息を荒げ叫びながらマネージャーに写真を手渡していた

見るとその目は、血走った獣と化していた、、、、

 

(いったいぜんたい、ここは、、どこなんだ、、、?)

学生時代からまじめ一筋で育ってきた僕は、ここまできても、自分がいったい何処にいるのかわからなかったのだった、、、

 

それから数分後、例のごとく片方の眉毛を吊り上げたマネージャーが、てかてかのポマード頭でにんまり微笑みながら顔を出した、

 

「大変お待たせいたしました、、、、マライアさんでお待ちのお客様、、、、どうぞこちらへ、、、」

「ほら、、お前だよ、吉宗、、、」

銀二さんはイタズラな顔で笑いながら、僕の手に一万円札を4枚持たせてくれた

「がんばって、男になって来いよ、、、吉宗!」

「え、、、男にって?」

「いいから頑張って来いっての、、、、」

銀二さんに背中を押された僕は、しかたなくマネージャーの後をついて歩き出した

 

豪華だけれど、悪趣味にチャラチャラした廊下を、僕はマネージャーに導かれながら、不安な気持ちで歩いていた

やがて廊下の突き当たりの小さなホールでマネージャーは立ち止まると、またしても片方の眉を吊り上げ僕にいやらしい笑顔を見せた

「お客様、こちらで少々お待ちくださいませ、、、」

マネージャーはそう言いながら、僕をホールの中にあるキラキラ、ラメの入ったカーテンの前に立たせて、その場から立ち去っていった、、、

「え、、、あの、、ちょと、いったい、、、」

ドキドキ緊張しながら慌てている、僕の目の前のカーテンがサーッと開いた

 

「え、、、!?」

 

何とそこには、さっき銀二さんが選んだ写真の女性が、ピンクにラメの入ったカウボウイハットに金色のベスト、ぴっちぴちのレザー製のショートパンツ姿で、僕に背中を見せながら、かっこいいポーズをとって立ってたのだった 

「いらっしゃいませー、今宵お客様を、素敵なハメリカンナイトへ導かせていただく、マライアで~す、、、、heart04

そう言いながら目の前の女性は僕のほうに胸を突き出しながら、セクシーに振り返った

プルンsign01、プルンsign01、ボヨヨーーンsign03

彼女の豊満なバストが、僕の目の前で、楽しそうに弾みつづけていた、思わず僕もその巨大なバストの前でボヨン!ボヨン!とはずんでしまった

「それでは、お客様、ご案内いたしま~す heart04

そう言うとマライアさんは片手に小さなカゴをかかえ、僕の腕に手を回してきた、同時に彼女の超豊満なボインが僕のうでに、、、

 

「あ、、、あの、、ちょと、、、、」

「さあ、どうぞ、一緒にお二階へ行きましょheart04、、貴方と私の、素晴らしいハメリカンナイトのお部屋へご案内いたしま~す heart02

マライアさんは僕の腕にさらに巨大なボインを押し付けながら、セクシーな瞳でウインクをしてきた

「、、、、、あ、、は、はい、、sweat01

僕はあまりの衝撃に、すっかり言葉を失い、逆らうこと無く、ダイナマイトバディー、マライアさんに導かれながら、愛の螺旋階段を登っていってしまったのだった

まさか、ここが、あの有名な、ソープランド という所だなんて、まったく気がつかずに、、、

続き
第45話 吉宗くんの筆おろし?へ

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2008年6月19日 (木)

第43話 ハメリカンナイト

地域貢献のためにみんなで滑りに行く、、、、

(みんなでスケートに行くことがどうして地域貢献につながるんだろう?それに高倉さんまで、、、もしかしてテキヤさんの間では、スケートが大ブームなのかな?)

僕はあれこれ考えをめぐらせながら、みんなの後ろを追いかけて境内を後にし、はっとあることに気がついた

「追島さん、、、、」

 

「銀二さーん、そうだ追島さんが、まだ中にいるんですよー」

僕はお大師さんの中を指差しながら、大声で銀二さんに呼びかけた

 

「あ、、、そうだ、追島の兄いのこと忘れてた、、、」

銀二さんは笑いながら、ご機嫌な顔で楊枝を咥えている高倉さんを見た

「おっとあぶねえ、野郎のことを忘れて滑りに行ったんじゃ、十年はうらまれちまうからな、おう銀二、呼んでやれや、、、」

銀二さんはポケットから携帯ととりだすと、追島さんに電話をかけた

僕はそんな最中、大通りにある小さな保育園に目をやっていた

そこは昼間、春菜先生と追島さんの娘のユキちゃんをはじめて見た保育園だった

(あのお慶さんっていう人、相当怒ってたけれど、春菜先生大丈夫だったのかな、、、、)

僕は誰もいない保育園の園庭を静かに眺めながら、銀二さんたちの元へ歩をすすめていた

 

「ええ、はい、はい、、それじゃいんすか兄貴、、、、はい、それじゃ、お疲れさまっす、、、」

銀二さんは静かに携帯を折りたたんだ

「若頭、追島の兄貴、今日は野暮用があるから、行かないらしいっす、、、、」

「何?行かない、、、あのエロゴリラが滑りに行かないってのか?珍しいこともあるもんだなー」

高倉さんは目をキョロキョロさせていた

「おーい吉宗ー、何ボーっと保育園なんか眺めてんだよー、早くしねえと地域貢献、置いて行っちまうぞー」

「あ、、すいません、、」

僕は慌ててみんなの下に走りよっていった

 

「兄貴ーーーー、う、う、うれしいっすねー、高級な、すべーるすべるっすよー、ゲヘへへ、、、」

鉄の言葉に

「高級って、川崎にはそんなところがあるんだ、、、」

僕は頭の中で高級なスケートリンクを頭に描いて、はっとあることに気がついた

(そういえばテレビでシンデレラとか美女と野獣がスケートをしているショーを見たことがあるけれど、高級ってもしかしてあの人たちといっしょに滑れるのかな?)

そう思った僕は笑いながら鉄に声をかけた、、、

 

「鉄、、もしかして、シンデレラとかと滑れるのかい?」

 

「え!?、、、シンデレラと滑る、、、!?」

鉄は僕の顔を見ながら急にうれしそうな顔で不気味な微笑を浮かべた

「さすがは兄貴だー、日本の女じゃ物足りなくて、金髪の舶来姉ちゃんが好みだったんすね、、げへへへ、、、」

「いや別に好みとかじゃ無いけど、、、、、」

「いやさすがだ、、、、まさにインターナショナル、プレイボーイだー、、、、」

鉄は真剣に僕を尊敬のまなざしで見つめていた、、、

 

僕は訳のわからない状態で、高倉さんと銀二さんの後を追って歩いていた、僕の隣にはほっぺを真っ赤にしながらよだれをたらしている、鉄の姿が、

それでも僕は地域貢献という言葉にひそかに心引かれながら、期待いっぱいに歩いていた

なぜなら僕は、地域貢献や社会福祉などといったことが大好きで、子供のころは良く募金集めのため街頭に立って叫んでいたのだった

 

やがて僕達一行は、大きなガード下に差し掛かった左手には巨大な娯楽施設のような建物があり、僕はあれこれ考え事をしながらその建物の中に向かって歩いていた

「おい、、、、何処行くんだよ、、吉宗。。。」

「え、、、、?」

ふと気がつくと、銀二さんたちは建物を通り越した遥かかなたの大きな交差点の前で立っていた

「お前そこは競馬場だろが、、、、こっちだよこっち、、、、」

「競馬場?」

良く見るとそこはスケート場ではなく、川崎の競馬場だった、僕は慌てて銀二さん達のもとへ走っていった

 

大通りの信号が青に変わると、銀二さんたちは急に小走りになり始めていた、

「いやー若頭、あの町を見ちまうと、どういう訳か心が弾んできちまうっすね、、、」

銀二さんの言葉に

「おう、そうだな、、俺もいまだにここに来ると心が若返ってくるぜ、、、」

銀二さんと高倉さんは少年のような笑顔で語り合いながら交差点を渡っていた

(二人とも子供みたいに喜んで、、よっぽど好きなんだなー)

僕はガラの悪い人たちが、子供のようにはしゃいで、スケート場に向かう姿に、何処と無くほほえましさを感じながら、みんなの後を追いかけていた

 

交差点を渡ってまもなくすると、ちいさなピンクの建物の門が姿を現した

銀二さんと高倉さんは、あたりを一瞬見渡した後、さっとその門をくぐって中に入っていった

「え?、、、ここ?」

僕はスケート場のあまりの小ささに目を丸くしながら、二人が入った門の中に足を踏み入れた

 

『黄金の城』

そんな不思議な名前の看板のついた、豪華絢爛な入り口が僕の目に飛び込んできた

「いくら何でも、ここはお前らにはまだ早い、、、」

高倉さんはそういいながら胸ポケットの100万の札束から、20万くらい引き抜くと銀二さんに黙って手渡し、そして自分はうれしそうに、その黄金の城という建物に一人で入っていった

 

「ありがとうございやーす!!当然っす、自分らはあっちに行かせてもらいやす!!」

銀二さんは高倉さんから大金を受け取ると、『黄金の城』と書かれた看板の隣にある別の看板の入り口に目をやりながら、深々と頭を下げた

僕もつられて高倉さんに頭を下げながら、銀二さんが見た入り口に目を移した

そこには暗がりにチャラチャラと光るネオンで、 

『ハメリカン・ナイト』

そう書かれた、不思議な名前のスケート場の入り口が存在していた

 

「ハメリカンナイト?」

僕は首をかしげながら、銀二さんの後に続いてそのネオンの入り口を通り抜け中に入っていった

「いらっしゃいませ、、、、、」

僕達の両脇で黒服に蝶ネクタイ姿の男の人が、それは丁寧に頭を下げて挨拶をしてきた

 

「あ、、これは伊集院様、、ようこそおいで下さいました。」

入ってすぐのカウンター越しから、テカテカにポマードで頭を固めた男の人が、銀二さんに向かって頭をさげた

「伊集院?」

僕は驚いて銀二さんの顔を見た、しかし銀二さんは何事も無い顔で手にしていた札束から数万円引き抜くと、

「マネージャー、三人ね、、、、」

そう言いながら差し出した

「いつもありがとうございます、伊集院様、、それでは三名様で6万円頂戴いたします。」

 

(三人で、6万円!?、それじゃ、一人二万円!?おまけに伊集院様って、なんで、、、?)

僕の頭はパニック状態に陥っていた

「おい行くぞー、お前ら、、、」

銀二さんはうれしそうにそう言うと、靴を脱いでどかどかと綺麗なじゅうたんの引き詰められたホールを渡り奥へ入っていった

「あ、、銀二さん、待ってください、、」

僕は慌てて靴を脱いで手にすると下駄箱をさがして、あたりをキョロキョロ見回した

 

「お客様、お靴の方は、私どもでお預かりいたしますので、、、、」

僕の前に黒服のお兄さんが近づいて来た、、、

「あ、、、すいません、、、、」

僕は黒服兄さんに促されるまま、慌てて持っていた靴を差し出すと

「あの、、それじゃ僕は、スピードの26センチでお願いします、、、、」

そう自分の足のサイズと好みのスケート靴をお願いした

 

「26センチ?!」

僕の後ろで靴を脱いでいた鉄が、青ざめた顔でつぶやいた、、、

「あ、、、兄貴、、26センチもあるんすか!?、で、、、でけえ、、、、」

鉄はそういいながら手のひらを広げて、サイズを測る素振りをしていた

「え、、、別に驚くことは、、、、」

「そんなことねーっすよ、俺なんか元気な時で、15センチ、、いやおまけして17センチ、、、」

鉄はそういいながら下を向いていた

「15センチ?、、、17センチ?」

僕は鉄の足元を見ながら首をかしげていた

 

「お客様、どうぞこちらへ、お連れ様がお待ちです、、、」

黒服のお兄さんに案内されながら、僕と鉄は豪華なカーペットが敷かれたホールを歩いて奥へと入っていった

まさか、ここが、、、、、、、だなんて気がつかず、、、、

続き
第44話 爆裂バディー、マライアさんheart02

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2008年6月13日 (金)

第42話 滑りに行こう!

追島さん親子の悲しい一件からどれくらい時間がたったことか、僕は明日に備えて金魚すくいの水槽にシートをかぶせた後、鉄と二人静まり返った境内のゴミ拾いに歩いていた

「、、、、あ、兄貴ー、今日は、一日、、長かったっすねーーーげへへ」

大きなゴミ袋をぶら下げながら、鉄が得意の不気味な顔で微笑んでいた

僕は、テキヤの仕事の一つである、境内のあちらこちらに散らばった、割り箸や紙コップなどゴミくずを拾いながら、追島さん親子のことを考えていた

(銀二さんが言っていた、訳って、いったい何なんだろう、、、)

僕はお慶さんという女性の怒った顔、ユキちゃんの泣き顔、そして追島さんが最後に見せた悲しい顔が、仕事中も今も頭から離れずにいた

 

「兄貴、、、、ねえ、兄貴ってば、、、、、」 

「え、、あ、、なんだい鉄?」

「掃除が終わったら、銀二さん繰り出すって言ってましたよ、、、当然兄貴も行くんでしょう?」

「え、、行くって、、?」

「やだなー、来る時に話したじゃねーすか、すべりに行くって、、、、げへへへ、、」

鉄は、ぼろぼろに欠けた歯でにやけていた 

「あ、、、そのことか、、、、うん、、みんなが行くんなら僕は構わないけれど、でも久しぶりだからなー滑れるかなー」

僕は子供のころ以来やっていない、スケートに少し不安を感じながら鉄に微笑んだ 

「久しぶりで滑れるかなーなんて、、、げへへ、兄貴は面白いこと言うっすねー、げへへへ」

「え?面白いこと??」

僕はきょとんとした顔で鉄を見た

 

「おーい、お前らーーー、」

そんな僕達のもとに、別の場所でゴミ拾いをしていた銀二さんが近づいて来た、、、、

鉄は銀二さんを見たとたん鼻息を荒げなが、なぜか興奮しはじめていた

「銀二兄いーー、いよいよっすねーーー、げへへへー」

「ん?いよいよって何だ?」

「な、何って、す、、すべりに行くって、朝、約束したじゃねーすか、、、、」

「ははは、そのことか、、、わかってるよ、、」

「いやだなーもう、俺はずーっと朝から楽しみにしてたんすよ、、それに、この日のために、こうしてがんばって貯金だって、、、、」

鉄はそういいながらポケットからよれよれの一万円札を一枚取り出して見せた

 

「い、、一万?」

銀二さんは呆れた顔で鉄を見た

「おいおい、、、鉄、また一万円ポッキリかよ、勘弁だぜまったく、、、」

「そ、、そんなこと言ったって、俺には一万でも、大変な金なんすよ、、、、」

鉄は持っている一万円を大事そうに握り締めながら銀二さんに訴えていた

 

(、、、、、一万円ぽっきり?、え?スケートに、一万円、、、?)

僕は二人の会話が理解できず銀二さんにそっと尋ねた

「あ、、あの銀二さん、なんでスケートに一万円もかかるんですか?」

「え?スケート??」

僕の質問に銀二さんが目を丸くしたその時だった、僕たちの後ろから明るい元気な声が響いてきた

 

「おう、お前ら、ごくろーさん、ごくろーさーん!、ヒック」

 

振り返るとそこには、スーツ姿で楊枝を咥えながら、ほろ酔い顔の、鬼瓦興業の若頭、高倉さんが立っていた

「あ、、、高倉の若頭じゃねーすか?ご苦労様です!!」

銀二さんは、あわてて高倉さんに頭を下げた

僕も慌てて両手をひざの上に置くと、いつの間にか覚えさせられてしまった業界流の挨拶で高倉さんに頭をさげた

「お、おはようございます!!」

「おー、おー、お前、新入りの、、えーと、あーと、何だっけか、、」

「、、あの吉宗です」

「おー、おー、そうだった、そうだった、、吉宗だった、ひっく!、、お前なかなかいい挨拶が出来るようになったじゃねーか、、ははは」

「あ、、、ありがとうございます、、、」

高倉さんはうれしそうに赤い顔で微笑むと、酒臭い匂いを撒き散らしながら、ご機嫌な顔で僕を眺めていた

 

「高倉の若頭、いったいどうしたすか、こんな時分に、?」

「近くで寄り合いがあってな、、、ヒック!、それからちょっとばかし良いことがあってよ、、、」

「良いことっすか?」

銀二さんの質問に、高倉さんはにやにやした顔で楊枝を口で動かしながら、胸ポケットに手を入れた

「寄り合いが終わって、せっかくだから競馬場のチンクルレース見に行ってな、そしたら少しばっかし儲かっちまってよ、、ハハハ、、、」

高倉さんはそう言いながら、うれしそうに胸ポケットから分厚い100万円の札束を取り出した

 

「うわー、何すか!?百万って、全然少しじゃ無いじゃないっすか?」

「す、、、すごい、、」

銀二さんと僕たちは、なかなか目にすることのない札束に、目をまん丸にしながら驚いた

高倉さんはそんな僕たちの驚き顔を見ながら、いたずらな笑顔でにやけると、今度は反対の胸に手をいれた、、

「いや、いや、百万じゃねーんだ、もーっちょっとだけ儲かっちまってよー、全然大した事ねーんだがな、」

そう言いながら高倉さんはもう片方のポケットからも、100万円の束を一つ取り出した

 

「に、、、、2百万円!?」

僕たちは大きな口をガバット広げながら、高倉さんの手にある札束を見つめた

高倉さんはさらにニヤリとしながら僕たちを見ると、今度はズボンのポケットに手を入れた

「いやいや、もうちょっとだけ儲かっちまってな、いやーまったく、まいっちまうぜ、これっぽちしか儲からななかったぜ、、、はははは」

高倉さんはそう言って笑いながら、ポケットからもう一つの札束を取り出すと、片手にもっていた2百万の札束と重ね合わせて、僕たちの顔のまえにつきだした

 

「さ、、、さんびゃくまんえん~、、、、、coldsweats02

僕たちはその場で驚きの余り、身動き出来なくなってしまったのだった、、、、

 

「いやー参った参った、これっぽっちしか儲からなかったぜ、、まーったく、まいった、、、」

高倉さんはそう言いながらも、全く参ってないといったニンマリ顔で笑うと、手にしていた札束を元のそれぞれのポケットにしまい、僕たちの前から立ち去ろうと歩き出した、、、

 

「あーーー、ちょっと、ひでーーーー!、参ったとか言って、それじゃ自慢しに来ただけじゃねーすかー!待って下さいよー若頭ー!!」

銀二さんはあわてて高倉さんを呼びとめた、

 

「何だ?三百万ぽっちしか儲からなかった俺に、何か用か?、、、、」

高倉さんはそう言いながら、うれしそうな真っ赤なほっぺで、僕たちに方に振リ向いた、、、

銀二さんは、揉み手で、ぴょこぴょこと飛び跳ねながら、高倉さんのもとへすり寄ると、いやらしい笑顔でささやいた

「若頭、、、そんなに儲かっちまったんじゃ、やっぱり地域貢献しなきゃまずいっすよ、、、地域貢献しなきゃ、、」

 

「地域貢献?」

 

「川崎の競馬場で儲けたなら、その隣町、堀之内あたりの活性に協力しないと、、自分らみんな、若頭の地域貢献活動なら、地の果てまでも、お伴いたしますよー。。。」

高倉さんは銀二さんの言葉を嬉しそうに聞くと、にんまりした笑顔で星空を見上げた

「地域貢献か、、、、それも悪くねえな、、、」

「でしょう、、、、」

 

「よーし、お前らー、どうせいつもくすぶったところで滑ってるんだろうから、今日は俺が地域貢献を兼ねて、極上のところで滑らせてやるぞー!!」

高倉さんはそう言うと、うれしそうに境内の外に向かって歩き出した

「さすがは若頭、いよっ太っ腹!地域の星!」

銀二さんはそう言うと、高倉さんの後ろを追いかけて行った

 

「兄貴ー、今日はめちゃめちゃついてますよー!!」

鉄は僕にそう言うと、あわてて高倉さんと銀二さんの元へ走って行った

 

「、、え?、、、みんないったい何処に?、、」

僕がその場でキョトンとしていると、境内の入り口から銀二さんの大きな声が響いてきた

「おーい!吉宗ー!!早く来ないと、地域貢献に連れて行ってもらえねーぞー!!」

 

「地域貢献、、、?」

「兄貴ーー、早くーーー!!」

「あ、、はい、今行きますーー!!」

僕はそう言いながらみんなの方にむかって走って行った

彼らの話す地域貢献、それが僕とめぐみちゃんの間に最大の危機を招くことになる出来事だなんて、まったく知る由もなく、、、、。

続き
第43話ハメリカンナイトへ

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2008年6月10日 (火)

第41話 追島さんの唄Part2

追島さんに、こんな可愛い娘がいたなんて、、、

僕はパンチパーマのゴリラと、父を思い慕ういたいけな少女の抱擁を眺めながら、感動の涙を流し続けていた

と、同時に僕は大きな勘違いにも気がついた

(追島さんの涙の秘密は、この春菜先生ではなく、ユキちゃんという娘さんが原因だったのだ、、、)

 

「追島さんって、、やっぱり人間だったんですね、、、、」

僕は小声でそんなことをつぶやきながら、とめどない涙を流し続けていた

 

「ユキちゃん、、、よかったね、、、」

僕の耳に小さな声で春菜先生の優しい声が響いてきた、、、、

「、、、、、、!」

振り返ると、春菜先生もユキちゃんと追島さんの抱擁を眺めながら、美しい涙を流していた、、、、

「、、、あ、、、、?、、」

春菜先生は一瞬僕と目があい、恥ずかしそうに横を向いて、涙をぬぐった、、、

僕はそんな春菜先生から慌てて顔をそらすと、その横に立っていた一人の女性の顔に目を移し思わずはっとしてしまった、、、

そこには怒りから顔面蒼白と言った顔で、追島さんたちを見ている、ユキちゃんのお母さんが立っていたのだった、、、、

 

「よくもまあ、、、、私達の前に姿を見せられたものね、、、、、」

お母さんは声を震わせながら、つぶやいた、、、、、

ユキちゃんを抱きしめていた追島さんは、我に返ると静かにユキちゃんのお母さんのことを見つめた、、、

 

「ユキ、、、その人から離れなさい、、、、」

お母さんは静かにユキちゃんにつぶやいた、、

「いやー、パパといっしょにいたいんだもん、、、」

「その人は貴方のパパじゃありません、パパと呼ばれる資格のある人じゃありません、、、さあ、離れなさい、、、」

「いやだーー!!」

ユキちゃんは泣きながら追島さんの胸にしがみついた、お母さんは、ふーっとため息をつくと、今度は覚めた顔で追島さんに話しかけた

「あなたから、ユキに話して下さらない、、、、私の方に来るように、、、、」

「、、、、、、、」

追島さんは、悲しい顔でじっとユキちゃんを見つめながら、唇をかみ締めて黙っていた

「あなたが、私にした裏切り、忘れたわけじゃないでしょう、、、、さあ、あなたの口から話してください、こっちに来るように、、、、、」

追島さんは身体を震わせながら、悲しそうな顔でお母さんを見つめていた、、、

 

「ユ、、、ユキ、、、、、、」

追島さんは震える手で、ユキちゃんの肩をつかんで話をはじめた

「ユキ、、、、お母さんの元へ、、、、戻りなさい、、、、」

「パパ、、、何で、、、パパ、、、、」

ユキちゃんは泣きながら追島さんにしがみついた

「、、、もう、、、俺はユキのパパじゃないんだよ、、、、さあ、、、お母さんの元へ行きなさい、、」

「パパだもん、、、パパだもん!!」

ユキちゃんは一生懸命追島さんに泣いてすがった、、、

 

僕はそんな二人の様子を見ていて、高まる感情を抑えることができなくなり、思わず大声で追島さんに叫んでしまった 

「な、、、なんで、、、何でですか追島さん!ユキちゃんはこんなに追島さんのことをしたっているのに、、、」

追島さんはそんな僕を黙って見ると、その目で黙れと合図をしてきた

 

「追島さん!!」

 

「うるせー!てめえの出る幕じゃねーんだ、引っ込んでろ!!」

「で、、、でも、、、、」

 

「そうよ、、あなたは関係ないでしょ、お兄さん、、、、、」

ユキちゃんのお母さんも、覚めた顔で僕にそう言い放った

 

「ユキ、、、、、お母さんの元へ行きなさい、、、」

追島さんはそういうと震える手で、ユキちゃんを無理やり自分の体から引き離し、お母さんのもとへ引き渡した、、、

「パパのバカーー!パパのバカー!!」

ユキちゃんは顔中グシャグシャに泣き崩れながら、お母さんの元に引き寄せられてしまった

僕は胸をえぐられる思いで、その光景を黙って見つめるしかなかった、、、

 

「先生、、、あなたの軽はずみな行動のおかげで、こんなことになってしまったのよ、、、責任は取ってもらいますからね、、、、」

ユキちゃんのお母さんは春菜先生に恐い顔でそう告げると、鬼のような目で今度は追島さんを見た、、、、

「あなたも、こそこそユキと電話なんてしないで下さい、迷惑です、、、、」

「、、、、、、、、」

追島さんは黙ってお母さんとユキちゃんを見つめていた、、、、

「さあ、ユキ行きましょう、、、、」

ユキちゃんのお母さんはそうつぶやくと、泣き崩れるユキちゃんの手を引いてその場から立ち去ろうと振り返ってはっとした、、、

「、、、あなたは?」

そこには、悲しそうな顔で立っている銀二さんの姿があった

 

「お慶さん、、、、変わりましたね、、、」

「銀二ちゃん?、、、、、」

お母さんはユキちゃんの手を握ったまま、銀二さんにつぶやいた、、、、

「へえ、あんたもまだ、こんなヤクザな稼業、やめてなかったのかい、、、」

「自分みてえな、頭の悪いぼんくらには、こんな仕事しかねーもんすからね、、お慶さん、、」

「ふ、、、」

銀二さんは、ユキちゃんのお母さんのことを再び、お慶さんと呼びながら笑った、、、

 

「お慶さん、、、まだ、兄貴のこと許せねーんですか、、、、、」

銀二さんは辛そうに、ユキちゃんのお母さん、お慶さんにつぶやいた、、、

「、、、、、、、、」

お慶さんは無言で横を向いた、、、

「責任は俺にあるんすよ、、、、あの時、追島の兄いを巻き込んじまったのは、俺なんですよ、、、お慶さんが、兄貴を許してくれんなら、俺はどんなオトシマエでもうけさせてもらいますから、、、あの、、、」

「銀二ー!!」

 

銀二さんの言葉を追島さんが大声でさえぎった、、、、

「てめえが責任感じる問題じゃねーんだ、余計な口挟んでねーで仕事しろしごと、」

「で、、、でも兄貴、、、、」

「ほら、お客さんが待ってんだろが、、、」

追島さんはそう言いながら銀二さんのたこ焼きの三寸の前に並んでいる人を見た、、、

「あ、、、、!?」

銀二さんは慌てて、売り場にもどった

 

「さあ、、、、行くわよユキ、、、」

お慶さんはそう言うと、無言でユキちゃんの手を引きながら、境内から去っていった、

追島さんは、しくしく泣きながら、お慶さんに連れられて行くユキちゃんの姿を、じっと無言で眺めていた、、、

 

「私が、、、私が余計なことを、、、、ごめんなさい、ユキちゃんのお父さん、、、、、」

春菜先生が追島さんに近寄って、深々と頭を下げた、追島さんは、慌てて手をふると、静かにつぶやいた

「いや、、、先生、、、先生の気持ち、感謝してます、、、、」

「追島さん、、、、」

「それに、先生のおかげで、こうして何年ぶりかに、可愛い娘を抱きしめることが出来たんすから、、、」

追島さんはそういいながら目にたまった涙を隠すように、春菜先生に背中を向けた、

 、

「先生、、、、俺達のために、迷惑をかけちまって、、、、すいません、、、、」

「迷惑だなんて、、、私は、、、、」

「あいつのこと、恨まないでやってください、、、、」

追島さんは背中越しに春菜先生につぶやいた、、、、

「慶子のやつをあんなふうに変えちまったのは、自分なんです、、、、あいつが先生に言った失礼な言葉、勘弁してやってください、、、、。」

 

「勘弁だなんて、そんな、、、そ、それに恨むだなんて、私こそ、、」

 

「それじゃ仕事があるんで、、、、」

追島さんは寂しげにそう告げると、春菜先生の元から僕のほうに近づいてきた

 

「お、、、追島さん、、、、」

僕は涙と鼻水でグシャグシャに崩れた顔で、追島さんを見た、、、、

「ふ、、、、なんて面してやがんだ、、、、吉宗、、、、」

追島さんは静かに通りすぎながら、僕の肩をポンとたたいて、寂しげに奥の持ち場に去っていった、、、、

「お、、、追島しゃん、、、、」

僕は、しばらくその場で、ぽろぽろと涙をたらしながら、立ち尽くしていた、、、

 

「あ、、、、あの、、、」

そんな僕に、春菜先生がやさしく声をかけてきた、、、

「あ、、、先生、、」

僕は慌てて、頭に蒔いたタオルをほどくと、涙と鼻水をぬぐって、春菜先生の方に振り返った

「すごい涙、、、ふふふ、、、」

春菜先生は、僕がパンツを見てしまったことなど、まるで無かったような顔で、微笑んでくれた、、

 

「それじゃ、私達行きますので、、ありがとうございました、、、」

「あ、、いえ、、、あの、、、」

「さあ、みんな、お兄さんにお礼を言ってね、園に戻ろうね、、、」

春菜先生がやさしく残された子供達に話しかけると、子供達は無邪気に僕にお礼を言ってくれた

「ありがとうございましたー」

「あ、、いや、こちらこそ、ありがとう、、、、」

僕はそう言いながら、照れくさそうにに笑った

春菜先生と、子供達は小さな金魚の入った袋をぶら下げて外に向かって歩きだそうとしたその時、

「あ、、春菜先生ー!!」

僕は無意識に春菜先生の名前を叫んでしまった、、、

「はい?」

春菜先生は不思議そうに僕に振り返った

「あ、、、あの、、、あの、、、、、」

「?」

「あの、、、さっきは先生のパンツを見てしまって、す、すいませんでしたーー!!」

「、、、!?」

僕の突然のその言葉に春菜先生は、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに僕を見た、、、

 

「す、、、、すいませんでした、、、、、」

僕は深々と頭をさげながら、もう一度真剣に春菜先生に謝った、

少しの間沈黙が続いたのち、春菜先生は優しそうに微笑んで僕に声をかけてくれた

 

「、、、、、偶然ですよね、、、、」

「え、、、、あ、、あの、、、、」

「わ、、私の方こそ、こんな姿で、金魚に夢中になってしまったから、あなたに変なもの見せてしまって、、」

春菜先生は恥ずかしそうに自分のキュロットスカートを押さえながら微笑んだ

 

「私こそ、、さっきは最低なんてひどい事いってしまって、、、、ごめんなさい、、」

春菜先生は逆に僕に頭を下げてきた

 

「いや、、、、そんな、、、あなたが謝ることじゃ、、、僕が、、、僕がスケベだったから、、、」

僕が慌てている姿を見て、春菜先生は思わずぷーっと吹き出して笑いだした、、、、

「あなたって面白い方ですね、、、姿はテキヤさんそのものなのに、全然それっぽくなくて、、、」

「え、、あ、このかっこうは、、」

「それに、さっきのユキちゃんのお母さんへの涙の訴え、、、、私、、感動しました、、、、」

「は、、、、いや、、、あれはつい、、、、」

 

「それじゃ、また、、、、やさしいテキヤのお兄さん、、、」

 

春菜先生は笑顔で僕にそう言うと、待っていた子供達といっしょに境内を後にした、、、

僕はそんな春菜先生と子供達の後姿を無言でじっと眺めていた

「、、やさしい、、テキヤのお兄さんって、、、」

僕は春菜先生の最後の言葉をつぶやきながら、みんなが消えた境内の外をポーッとながめていたのだった、、、、

続き
第42話 滑りに行こう!へ
 

イラストは近日更新しま~す^^

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2008年6月 5日 (木)

第40話 追島さんの唄1

幸せの余禄から一転して、僕の前にはひきつった顔の春菜先生、そしてその先には、『ツンパ、パイオツの余録』をなぜか知っている謎のスレンダーな女性、、、

僕は緊張と動揺でカタカタ震えながら、その場にたたずんでいた、

「まったく呆れたもんだね、えらそうに純粋、純粋って、あんたみたいな男が、私に説教するんだから、、、さあ、ユキ、来なさい!」

スレンダー女性は、そう言うと、無理やりユキちゃんの腕をつかんでその場から立ち去ろうとした

「いやだー、ママー、ユキもっともっとここに居たいんだよー!おねがい、はなしてよー」

ユキちゃんは泣きながら、お母さんの手を振り払おうとしていた、僕はその光景を黙って見つめているしかなかった、、、、

「ユキちゃんのお母さん!お願いです、もう少し、もう少しだけ、ユキちゃんの願いを聞いていただけませんか!」

春菜先生がユキちゃんのお母さんに必死に訴えた

「あんたも、ずうずうしい人ね、これ以上そんなこと言うようなら、園長に訴えてくびにしてもらうわよ!」

お母さんはすごい剣幕で春菜先生にくってかかった、春菜先生はそれでも一生懸命に涙を浮かべながら訴え続けた

「わ、、私はどうなってもかまいません、でもユキちゃんは、、ユキちゃんは、ずーっと前からこのお祭りの日を指折りまっていたんです!本当に心から楽しみにしていたんです!!」

僕はそんな春菜先生の純粋なやさしさを目の当たりにして、穴があったら入りたい、そんな気持で、ことの次第を見つめていた

 

突然ユキちゃんがお母さんの手を振り払って、僕の方に走ってきた

「あ!ユキー!」

「おじちゃん助けて、、、」

ユキちゃんは泣きながら僕の背中にしがみついてきた

 

「ユキ!こっちに来なさい、そんなヤクザなんかに近寄るんじゃありません!」

「ヤ、、ヤクザ!?」

それまで黙っていた僕は、その言葉に思わず興奮してしまった

「ヤ、、ヤクザとは何ですか!ヤクザとは、僕たちはれっきとした商売人ですよー!」

「ヤクザだから、ヤクザっていったんでしょ!それじゃ的屋はヤクザじゃないって言うの?」

「す、、、少なくとも、、僕はそんな気持で、この仕事をしているつもりはありません!子供たちに夢と希望を、、、、うっ、、」

僕はそう言いかけて、はっとツンパパイオツの事を思い出し、言葉をにごらせた

 

「と、、とにかく、どうして、この子がお祭りに来てはいけないか、理由を説明して下さい、理由をー!」

僕は一生懸命背中のユキちゃんをかばいながら、お母さんに叫んでいた

「何で、あんた何かに理由を話す必要があるの?バカバカしい、さあ、ユキを渡しなさい、」

お母さんは無理やり僕の後ろのユキちゃんを捕まえようとした、

「いやだー、パパに会えるまで絶対帰らないー!」

 

「パパ?」

僕は首をかしげながら後ろのユキちゃんを見た、

「ユ、、ユキ、、お前、、、、」 

振り返ると、お母さんは急に引きつった顔で、ユキちゃんを黙って見つめていた

「パ、パパは、、、あなたのパパはいないのよ、、、、ユキ、、、、」、

「パパはいるんだもん、お祭りにいるんだもん!」

ユキちゃんは、涙をいっぱいにためて泣き叫んだ、、、、、

「ユ、、、、ユキ!いい加減にしなさい!」

「ママの嘘つきー、パパはいるもん、お祭りにいるって、ユキ知ってるんだもん!ユキ、、パパに会いたいんだもん!!!」

「ゆ、、、ユキちゃん、、、、、」

春菜先生は、悲しそうにユキちゃんを見つめていた

「パパに会いたい、、パパに会いたい、、、」

 

「ユキちゃん、、き、、君は、、、、、」

そんなユキちゃんの悲しい泣き顔を見ていて、僕の脳裏にふっと子供のころの思い出がよみがえって来てしまった、、、、

 

 

「よしむねー、よしむねー、まってー、、」

小さな土手づたいを、女の子が叫びながら走っていた、女の子はぼろぼろに汚れた剣道着の男の子をみつけると、息を切らしながら近づいていった

「待ちなさい、よしむね、、どこに行くの、お母さん心配してるんだよ、、、、」

「お父ちゃんに会いに行くんだ、、、」

男の子は鼻水をいっぱいたらして泣きながら、女の子に振り返った

「お父ちゃんは、もういないんだよ、、、、よしむね、、、、」

「うそだー!おねえちゃんの嘘つき、お父ちゃんは帰ってくるって約束したんだ、、、帰ったら一緒に剣道してくれるって、僕と約束したんだ、、、、」

「よしむね、、、お父ちゃんは、お父ちゃんは、天国にいっちゃったんだよ、、、、」

「嘘だー、お姉ちゃんの嘘つきー!!」

「嘘つきーー!!」

男の子は大声で泣きながら、少女の胸にへばりついて泣きじゃくっていた、、、、

 

 

気がつくと僕の目の前には、悲しい顔で泣きじゃくるユキちゃんの姿があった、、、、

「ユギじゃん、、、、うぐぇ、、、、、」

 

僕は目、鼻、口から、たくさんの液体を流しながら、すさまじい顔で泣いていたのだった、、、

「分かる、、、、分かるよ、ユキちゃん、、、君の思い、、、、」

僕は顔じゅうぐしゃぐしゃにして泣きながら、ユキちゃんを見つめた、、、

そんな僕の姿を春菜先生は驚いた顔で見つめていた、、、

 

「おかーしゃん!」

僕はぐしゃぐしゃにゆがんだ泣き顔で、ユキちゃんのお母さんを見て叫んだ

「な、、、何よ、あなた、、急に、、、、」

「おかーしゃん、あなたは間違ってますのらーーー!!」

「何が間違ってるって言うのよ、あんたみたいな女のパンツ覗いて喜んでる男に、私のこと間違ってるなんて言う資格ないでしょ!」

「パンツは関係ないんらーーーー!!これは子供の心の問題なのですらーー!!」

僕は鼻水だらけのぐしゃぐしゃの顔を、ユキちゃんのお母さんに近づけながら、言葉をつづけた

「おかーーーーしゃん、あなたにユキちゃんの本当の気持ちなんて分からないのれすらーー!どれだけユキちゃんがお父さんに会いたいか、会いたくて会いたくてしかたないか、分からないのれすらーーー!」

「ちょっと、そんな汚い顔近づけないでよ、それに何をいってるのよ、訳のわからないことー」

「訳がわからないのでは、ないのれすらーーー!!おかーーしゃん、あなたこそ、訳がわからないのれすらーー、おかーーーーしゃん!!」

気がつくと僕の頭の中では、子供のころの悲しい思い出と、ユキちゃんの思いが、まるでビビンバの様に、ごちゃごちゃに混ざり合い、あふれかえってしまっていた、

そして僕はそのごちゃごちゃの感情の赴くままに、ユキちゃんのお母さんに対して、言葉を発していたのだった

「おかーしゃん、お父さんに会いたいユキちゃんの気持ちなんて、あなたにはわからないのれすらーーーーー!」 

その時だった、、、突然僕の後ろから獣の遠吠えのようなうめき声が響いてきたのだった

「ぐうおーーーーーーーーー!ぐうおーーーーーーーー!!」

 

「なんらー!?」

「え!?」

僕達は無言でその遠吠えの聞こえる方に目を移した、、、

「ぐうおーーーーーーーーー!ぐうおーーーーーーーーー!うぐえ、、、うぐえ、、、、、」

獣の鳴き声はさらに大きくあたりに鳴り響いた

ガサガサ、ガサガサ

突然僕達の前の植木が揺れると同時に、後ろにいた保育園児の健太郎くんが大声で叫んだ

 

「ゴリラだーーーー!」

 

園児の指の先にはパンチパーマのゴリラ、、、じゃなかった、鬼瓦興業の鬼軍曹、追島さんが、顔中グシャグシャに泣きくずれた顔で、植木の陰から顔をのぞかせていたのだった、、、、

「ほらー、、先生、僕の言ったとおりゴリラがいたでしょー!、ほらほら、」

そう叫び続けている健太郎君の横にいたユキちゃんが、急に目をキラキラ輝かせながら小さな声でつぶやいた、、 

「パ、、、パパ、、、」

 

「パパーー!!」

ユキちゃんは泣きながらそう叫ぶと、追島さんの方へ向かって走り出した、、、

「あ、、待ちなさい、ユキー!」

お母さんの制止も聞かず、ユキちゃんは追島さんの胸に飛び込んでいった

「うぐおーーーー、ユキー!ユキー」

追島さんは、うめき声を上げながら顔中ぐしゃぐしゃな泣き顔で、ユキちゃんをその丸太のような腕で抱きしめていた、、

「パパー、パパー」

 

そんな様子を春菜先生も涙をいっぱいにためながら、じっと見つめていた、、、、

 

「な、、なんらー? なんなんらーーーー?」

「ユキちゃんのパパはゴリラ、、、、じゃなかった、追島さん?」

僕は感動と涙のゴリラと少女の包容を眺めながら、訳が分からない顔でたちつくしていたのだった、、、。

続き
第41話 追島さんの唄Part2へ

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