第50話 喫茶 慶(KEI)
(僕は、、、、僕は最低のエロ男だ~、、、、)
マライアさんのあんなに悲しい話を聞いておきながら、節操もなく発射してしまうなんて、、
僕は自分の下半身を恨めしく見つめながら、堀の内の町並みを歩いていた
「兄貴~、最高だったっすねーー、すべーるすべる、、、、だはははは、、」
(ぞ~~~~!!)
僕の落ち込んだ心も知らず、隣ではピンクにほてって、さらに気味の悪さを倍増させた顔の鉄が、だらしなくよだれをたらしながら笑っていた
そしてその前には、これまたほっぺをピンクにさせた、若頭の高倉さんと銀二さんが、にんまり微笑みながら歩いていたのだった
「おう、、、お前ら、高級店は良かっただろう?、、、、」
高倉さんが嬉しそうに振り返った
「若頭、最高っすよーー、自分なんて5発っすよー、5発も行かせてもらっちゃったっすよー、だはははーー」
「5発!?、鉄、お前はいったいどういうチンポしてやんがんだ、はははは、、、」
高倉さんは鉄を見て大笑いした後、しゅんとしている僕を見て不思議そうに首をかしげた
「おい、吉宗、、、、お前どうだったんだ? 良い女に当たんなかったのか?」
「え、、?、あ、、、そんなこと無いです、すごいグラマーで、美人で、やさしくて、良かったです、、」
僕は慌ててそう言いながら、マライアさんのことを思い出し、ふっと悲しい気持ちを思い出してしまった
「おいおい、いい女に当たって良かったってわりに、元気がねえじゃねーか?」
「若頭ー、吉宗の兄貴、ハッスルしすぎて疲れてんすよーーー、」
鉄が急にはしゃぎ始めた、
「なんせ部屋の中だけじゃもの足りなくて、廊下まで使って、ソープ嬢さんと泡踊り、滑りまくっちまったんですから、、ね、、兄貴、、、」
鉄はそう言いながら尊敬のまなざしで僕を見た
「ろ、、廊下で泡踊りだとーー!?」
高倉さんは目を丸くしながら僕の顔をまじまじと見つめた、、、
「いやー、俺も若いころはむちゃくちゃやって遊んだが、廊下でソープ嬢と泡踊りはねーぞ、、、、お前、顔に似合わず派手なことやるなー、ははは 」
「いや、、、そうじゃないんです、あれには訳が、、、、」
「いやいや、恥ずかしがることはねーぞ、男なら若いうちは、どーんとそのくらいの事、やんねーとな、、はははは、、、」
高倉さんは再び大笑いをしながら、夜の町を歩き始めた、、
僕はそんな高倉さんと銀二さんの後ろを歩きながら、あたりをきょろきょろと見回していた
右を見ても左を見ても、目につくものはピンクのいやらしいネオンばかり、僕はその川崎堀の内という町が、吉原、ススキノ、金津園などと並ぶ、風俗街だと初めて知ったのだった
(ソープランド、すっぽんレディー、、ホールインまん、、、ピンクサロン、ずるむけ男爵 、ドクターちんぽ、、、すごい名前の店だなー、、)
店のネオンもさることながら、僕はその奇抜なネーミングに不思議な感動を覚えながら、路地に連なる看板を眺めていた、、、
そんな中、僕は路地の奥にある小さな喫茶店に目をとめた
『 喫茶 慶 kei 』
オープンしたばかりか、その小さな喫茶店の入り口には、名前の入った大きな花束がいくつか飾られていた、
(へえ、こんなネオン街に喫茶店もあるんだ、、、)
そう思いながら、路地の先を見て僕は一瞬はっとした、、、
「あれっ?」
喫茶 慶 の看板の先に、巨大な背中を丸めながら、さびしげに歩く後姿が、、、
「、、お、追島さん、、、? 」
パンチパーマにゴリラのような巨体、その後姿は、追島さんにそっくりだったのだ、、、
「高倉さん、、銀二さん、、、追島さん、、、追島さんです、、、あそこ、、、」
僕は路地を寂しげに歩くゴリラのような後姿を指差しながら叫んでいた
「追島?」
「なんで追島の兄いが、こんなところにいるんだ?」
高倉さんと銀二さんは、僕の指差す路地を見た、、、
しかし、そこには酔っ払いのおじさんと、客引きをする黒服の男だけで、寂しげな追島さんの後ろ姿は見えなくなっていた
「追島の兄いなら、電話したとき野暮用があるって言ってたけど、なんで一人で堀の内なんぞに、、?何かの間違いだろ、吉宗、、、」
「あーーー、わかったっす、、、追島さん、一人で滑りに来たんじゃねーすか?」
「馬鹿だな鉄、せっかく俺が、おごってくやるって時に、一人で銭払ってくるわけねーだろ、あのど゙けちゴリラが、、、、」
「そ、それもそうっすね、、それじゃ見間違えじゃねーすか、吉宗の兄貴、、」
「見間違え、、て、、、あんなプロレスラーみたいな背中、そう見間違えるとは、思えないんだけど、、、、」
「そんなことより、若頭~、滑った後は感想会、やっぱこれやらねーと、ねー、、、」
銀二さんは嬉しそうに手もみをしながら、高倉さんに擦り寄った
「感想会?」
「ええ、今日のお姉ちゃんのお乳はどうだったとか、あそこの具合は良かったとか、ねえ、若頭、、、、出来たら綺麗なお姉さんがお酌してくれる店なんて良いんですけど、、、へへへ」
「相変わらず調子の良い野郎だな、、、銀二、、、よーし、解った、風呂上りでのども乾いたことだし、、、俺の行きつけのクラブでも行くか、、、」
「えーーー、クラブっすかーーー、クラブっすかーーーー」
クラブと聞いて鉄が急にピョンピョン飛び跳ね始めた、
「兄貴ーーークラブっすよーー、クラブっすよーーーー」
鉄は目を血走らせながら、町中に響くような大声で僕に叫び続けた、、、、
そんな鉄の様子を見ていた高倉さんは、恥ずかしそうに眉をひそめながら、
「クラブはやめた、、、そんな血走っためん玉でやかましいやつ連れて行ったんじゃ、俺が恥かいちまうからな、、、、感想会は居酒屋だ、、、」
「えーー、えーーーー、えーーーーー居酒屋ーーー!?」
鉄は慌てて高倉さんに振り返ると、大声で駄々をこね始めた、、、
ゴツン!!
「痛えーーーー!!」
「調子に乗るんじゃねーぞ、この野郎!!」
高倉さんは鉄の頭に強烈なげん骨を落とすと、今までの優しいおじさんの顔から、それは恐ろしい般若のような顔に変わっていた、、、
「ひえーーー、す、、、すんません、、、若頭、、、、」
鉄は頭のたんこぶを押さえながら、半べそをかいていた、、、、
バコーン!!
「グオアーー痛えーーーー!!」
今度は鉄のお尻に銀二さんの強烈な回し蹴りがヒットした
「バカヤロウ、鉄、てめえが調子にのって大騒ぎしやがるからだ、、、、」
高倉さんと銀二さんに怒られて、鉄はしゅんと小さくなっていた、、、
その時だった、カランカラン
「どうも、ありがとうございましたーーー」
開店したての慶という喫茶店のドアが音を立てて開くと、中から数人のお客さんと、見覚えのある女性が姿を現した、、
「やっぱりママの料理は最高だね、美味しかったよー、また来るからね、、、、」
数名のお客はそう言いながら、お店を後にした、
「ありがとうございましたー、またお待ちしてますー」
店主と思われる女性は遠ざかるお客に深く頭を下げた後、僕達の方に向かって振リ返り、はっと表情を変えた、、
「あ、、!?」
「え、、!?、あーーーーー、あなたはユキちゃんのお母さんーーーー!?」
僕は大声でその女性を指差しながら叫んでいた、、、
喫茶 慶、その主人と思われる女性は、何と夕方お祭りで僕のツンパ、パイオツの余禄を見破った、ユキちゃんのお母さん、お慶さんその人だったのだ、、、
「そういう君は、あの時の、泣き虫の、お兄ちゃん?!、、、」
お慶さんはビックリした顔で僕を見た後、後ろにいる銀二さんと高倉さんを見てさっと顔色を変えた、、
「銀ちゃん、、、それに、高倉さんまで、、、」
「ん?、、、、おおーーー、誰かと思ったら、お慶ちゃんじゃねーかーーー」
高倉さんは恐い般若のような顔から、さっと優しい笑顔にもどると、嬉しそうにお慶さんに声をかけた、、そんな高倉さんにお慶さんは深々と頭をさげると
「本当にご無沙汰してます、、、」
そういいながらも何か困った様子で、僕達の周りを見渡していた
「ははは、お慶ちゃん、やつならいねえよ、、、、野暮用があるって一緒じゃねーんだ、、」
お慶さんは追島さんが一緒ではないか、そう思って慌てていた様子だったが、高倉さんの言葉にほっとしたのか、小さなため息をついた、、、
「喫茶、慶、って、ここ、お慶さんの店ですか?」
「あ、、、これ、そう、借金だらけだけど、やっとお店もてたんだ、銀ちゃん、、」
「おめでとうございます、、、お慶さん、昔からの夢だったすからね、、、、」
「、、、あ、、どうですか高倉さん、銀ちゃん、お時間ありましたら、お酒はビールとワインしか置いていませんけど、、、、」
お慶さんはそういいながら、店の入り口を指差した、、、
「お慶ちゃんがお店を出したってのに、素通りするわけにはいかねーからな、、ははは、じゃ、お邪魔させてもらうよ 」
高倉さんはお慶さんにやさしく微笑むと、、、
「お前ら、それじゃ今日はここで感想会だーーー」
そう言いながら僕達を見た
「君もご飯まだでしょ、、、美味しいものご馳走するから、どうぞ、、」
お慶さんは、お祭りで会った時とはまったく別人のような、やさしい笑顔で僕達に微笑んでくれた、、、
こうして僕達はお慶さんの後ろを追うように、喫茶 慶という小さなお店に向かって歩き始めた、
その時だった、お慶さんが店の扉の前で
「あれ、、、何だろこれ?」
そうつぶやいた、、、
見るとお慶さんのお店のドアノブに、可愛いスイートピーの花束が掛けられていたのだった
(ま、、まさか、、さっきの追島さんが、、、!?、、)
しかし、その思いを吹き消すように、お慶さんは
「ははーん、わかった、彼のしわざね、、、、ふふふ、、」
誰が犯人だか、気がついた様子で嬉しそうに微笑むと、スイートートピーの花束をかかえて、お店のドアを開き、僕達を中へ招き入れてくれた、、、、
(彼って、、、?そういうことか、、、)
(、そうだよな、、、、まさか追島さんが、あの花束、なわけ無いよな、、、あんな筋肉の塊みたいな人が、そんな事出来る訳ないよ、、、)
僕はゴリラが花束をかかえている不釣合いな姿を、勝手に想像して微笑みながら、喫茶慶の中に入っていったのだった、、、
これが、僕を巻き込む波乱の幕開けだとも知らずに、、、、
イラストは近日更新します、、て、最近してないなー![]()
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コメント
またまた波乱の幕開けですかぃ兄貴

にしても、感想会とは許せん
って思うのは女だけ~

心の中においとけ
ヤローはそんな話ばっかりしよるからな~
こちらでは、雄琴が有名かな



さすがに”ずるむけ男爵”は、ないやろうけど…
(知らんけど)
私の女の子の友達で、雄琴温泉が普通の温泉街やと思って、旅行に行った子がおりました
歩いてたらスカウトされたらしぃ
投稿: けんさぁ | 2008年7月25日 (金) 11時31分
けんさぁさん
すいません、
感想会、実は私も開いていました


だって、当時感動の余韻を友人と語り合いたかったもので、、、
振り返ると馬鹿だったですねー、私たちも
名所と聞いてさっそく雄琴調べてみました
もともとは普通の温泉街だったのですね
「雄琴の近くで泳ぐと妊娠してしまう」すごいことを言われていた時期があったそうです
雄琴の名誉のために、風俗街もありますが、子連れの温泉客も大丈夫と書いてありました^^
それにしても温泉にいって風俗にスカウトされるなんて、まるで小説のネタですね、、、こんど、これ、いただきます
投稿: 光一郎 | 2008年7月25日 (金) 12時01分
中京圏では、まず金津園ですね。
ここは車で1時間ほどなので一人でも行きました。
そして人数(1台でいけるくらい)と暇があれば雄琴遠征しました。
感想会は当然のことながらやりましたよ。
なんせ一夜限りの夢物語ですから
これがマジ恋人なんかになると、人には話しません。(当然です!
投稿: 四番サード掛布 | 2008年7月27日 (日) 02時35分
四番サード掛布さん、
感想会、当然やられていたとお伺いしてホッとしました

あの終わった後のビールを飲みながらのひと時、あれが良いのですよね
友達とにやけ顔で乾杯をして、こんなサービスをしてもらったとか、まさに一夜の夢物語を語り合う、お風呂屋さんはこの感想会もセットで楽しさ倍増だったのを思い出しました
当然、恋人となるとそんなことは私もしませんでした^^
遊びと真剣の違いですね、、、
投稿: 光一郎 | 2008年7月28日 (月) 00時32分