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2008年8月

2008年8月29日 (金)

第55話 吉宗君vsイケメン三波

「このお兄ちゃん、昨日、春菜先生のパンツを覗き見したんだよーーー!!」

それはユキちゃんの口から発射された恐るべき衝撃の言葉だった、、

僕は額に青筋と脂汗をかきながら、隣にいるめぐみちゃんを見つめた、、

「あの、、、めぐみちゃん、、、、、」

「、、、ど、どういうこと、、吉宗君、、、、」

「え?、、、、、」

「、、本当に覗きなんてしたの?、、、、、」

「あ、、、いやあの、、、、、」

「したの?、、、」

「あ、、はい、、、、」

 

「なんでー、なんでそんなことを、、吉宗君、、」

めぐみちゃんは目に涙をためながら僕を見た

そんな僕達の様子を見て、春菜先生が、 

「あ、、あの、、めぐみさん、、、今のお話し、誤解よ、誤解、、、」

「え?」

「ユキちゃんが今言ったことは、偶然の出来事なの、、、私が金魚すくいに夢中になってしまって、そのせいで偶然パンツが見えてしまっただけで、ただのハプニングなんですよ、、、ね、テキヤのお兄さん、」

「え、、、あ、そう、そうです、、」

(春菜先生、、、僕のことをかばって、、、、、)

 

「ハプニングだったんですか?」

「そう、、悪いのはこのお兄さんじゃなくて、無防備に金魚を追いかけちゃった、私の方なんです、、、」

「そ、、そうだったんだ、、、、」

めぐみちゃんはホッとした顔で僕を見た、、、

 

「ユキちゃん、変なこと言っちゃだめでしょ、、」

春菜先生は静かに腰を下ろすと、やさしく諭すようにユキちゃんの頭をなでた、、

 

「ごめんね、、吉宗くん、、、」

めぐみちゃんは恥ずかしそうに僕を見つめた、、、

「いや、、ははは、、、、」

僕は頭を掻きながらごまかし笑いを浮かべたが、心の中ではエロい心に勝てず春菜先生のパンツをまじまじと覗いてしまった罪悪感でいっぱいだった、、、

疑いが晴れると、めぐみちゃんは元の明るくてやさしい彼女にもどって、ユキちゃんと春菜先生、ふたりとともに、和気あいあいと話をしていた、

 

その時、 

「春菜先生ーー、!」

遠くの方で、大きな声が、、、

見ると教室の入り口で、一人の若い男の人が、さわやかな笑顔で手をふっていた、、、

「どうしたんですか、春菜先生、中で子供達が待っているのに、、、、」

笑顔の男は、不審そうな顔でこっちを見ながら、春菜先生と僕達のもとへ走りよってきた

 

「あ、、三波先生、すいません、、、」

「あれ、ユキちゃんも一緒だったんだね、、、、この方々は?」

「こちらはユキちゃんの知り合いのめぐみさんです、、、」

「何だ、ユキちゃんの知り合いさんだったんですか、、はじめまして、、この保育園で保父をやってます、三波です、、、」

「あ、、はじめまして、、、」

長身に、エプロン姿、今時のロン毛を軽く後ろで束ねた、三波という男は、まるで芸能人のようなイケメンの顔に、キラキラ光る白い歯を見せながら、めぐみちゃんと挨拶をかわした、、

その直後、イケメン三波先生はめぐみちゃんの隣の、ダボシャツにパンチパーマ姿の僕を見ると、、

「春菜先生、、こ、、こちらは?」

小さく眉をゆがませながら春菜先生に訊ねた、

 

「あ、、この方は昨日、お大師さんで子供達がお世話になった、テキヤさんのお兄さんです、、」

イケメン三波は一瞬おどろいた様子で、、

「テキヤさん!?」

「はい、とっても心のやさしいテキヤのお兄さんなんですよ、、、、」

春菜先生は笑顔で僕を紹介した、、、

「優しいテキヤのお兄さん、、、ですか、、、は、、はじめまして、、、」

イケメン三波は少し引きつった顔で僕にも挨拶をしてきた

「こちらこそ、はじめまして、、、、」

僕も丁寧に挨拶をかえした、、、、

 

「ねえ、ねえ、三波先生、、めぐみお姉ちゃんと、この金魚すくいのお兄ちゃん、恋人同士なんだよ、、、」

突然、ユキちゃんが大声で言いながら、僕とめぐみちゃんを指差した、、、

 

「あ、、ちょっとユキちゃん、、、」

 

「へえ、、お似合いのカップルだなー、はははは、、、、」

イケメン三波はキラキラ光る白い歯で笑いながら、、

「テキヤさんのお兄さんも、美男だし、、、、その彼女のめぐみさんでしたっけ、、、」

「は、、はい、、、」

「うん、、すごく綺麗だ、、、、、」 

「え、、、そ、そんなこと無いです、、、、」

「いや、、、綺麗ですよ、、、、」

「そんなこと、、、、」

めぐみちゃんは頬をそめてうつむいた、、、イケメン三波はそんな彼女をじっと観察するように見つめていた、、、

Mjinami  

(な、、、何だこの男は、、、、)

まるで品定めをするようにめぐみちゃんを観察しているイケメン三波を、気がつくと、僕は恐ーい顔で睨んでいた、、

そんな視線を感じたのか、イケメン三波は、今度は僕に白い歯を見せて、

「あ、、、ははは、これは彼氏の前で失礼しました、、、、」 

「、、、、、、、」

「あまりにも素敵な彼女だったもので、、、すいません、、、それにしても、うらやましいなーー、はははは、、、」

「、、、はあ、、、」

僕はぶっきらぼうに返事をかえした、、、

 

そんな僕達の様子を静かに見ていたユキちゃんが、ニヤッといやらしい笑顔で、 

「金魚のお兄ちゃん、、、」

「え?」

「あのね、、、三波先生ね、、、、春菜先生が好きなんだよー、」

 

「えーー!ちょっと、ユキちゃんったら、、、」

突然の言葉に、春菜先生が慌てた、、、、

 

そんな春菜先生を横目に、イケメン三波は、恥ずかしそうに頭を掻きながら僕とめぐみちゃんを見ると、

「子供って恐いですね、、、、、」

そう言いながら、ユキちゃんの頭をそっとなでた、、

 

「ユキちゃん、君の言うとおりだ、、先生、春菜先生のこと好きだよ、、だけど春菜先生は僕のこと好きじゃないみたいなんだ、、、ははは、、、」

「ちょっと、三波先生、、、」

春菜先生は恥ずかしそうに、三波と僕達を見た、、、

 

(何なんだ、、、この三波って男は、、調子がよいっていうか、、いったい何者なんだ、、、)

 

 

「春菜先生ーー、三波先生ーー何やってんのー、早くーーー!」

教室から数名の子供達がさけんでいた、、、、

 

「あ、、、いけない、教室に戻らないと、、、」

「そうですね、春菜先生、、、」

イケメン三波と春菜先生は教室で待っている子供達を見ると、慌てて僕達に頭をさげた、、

「すいません、、、もう時間なものですから、、、、」

「私の方こそお忙しいのに、すいませんでした、、、、」

めぐみちゃんも慌てて頭をさげたあと、そっとユキちゃんを見た

 

「ユキちゃん、それじゃ、お姉ちゃんまた会いに来るからね、、バイバイ、、」

「うん、、バイバイ、めぐみお姉ちゃん、、、、」

「それじゃ、行こうユキちゃん、、」

春菜先生は、再び頭を下げると、ユキちゃんを連れて教室に戻っていった、

 

「めぐみちゃん、僕達も急いでお弁当届けないと、、、、、」

「そうだね、、急ごう吉宗君、、、」

僕とめぐみちゃんは、慌てて保育園からお大師さまの境内に向かって走りだした、、、、

 

そんな僕達の後ろ姿をじっと見つめている男が、、、、

それはイケメン保父の三波だった、、、、

「、、、、、、、ふーん、なるほど、、」

イケメン三波は、お大師さんに向かって走る、めぐみちゃんの後ろ姿を見ながら静かにつぶやいた、、、、

 

「三波君、、、何をやってるんだい、そんな所で?」

そんな三波のもとへ、保育園の入り口からスーツ姿の中年男が近づいてきた、、、

「あ、、副園長、おはようございます、、、」

「おはよう、、、」

副園長と呼ばれる中年男は、三波が見ていた僕達の方に目を向けた、、、 

「また、好いのが、いた、、、そう言う顔だな、三波君、、」

 

「ふっ、、、、まだ青いんですがね、、金になりそうですよ、、、副園長、、、」

「おいおい、その前に、目の前の獲物があるんだろう、、、、三波、、、」

 

副園長の言葉に三波はふっとさめた笑顔を見せると

「春菜なら、もう時間の問題ですよ、、」

「それよか、自分の心配が先じゃないの?、、、ケツに火がついてんだろ、副園長さん、、、、」

三波はそう言いながらスーツ姿の副園長に不気味な笑顔を見せたあと、教室に向かって振り返った、、、 

 

「さあ、みんなーー、体操の時間だよーー」

そう叫びながら走る三波は、一変して元のさわやかな笑顔に変わっていた、、、

 

「ちっ、、、生意気な野郎だ、、、、」

スーツ姿の副園長は、苦虫をつぶした顔で三波の後ろ姿をじっと見つめていたが、やがて、ペッと園庭に唾を吐きながら振り返った、、、

沢村研二、、、振り返ったスーツ姿の副園長、、それはまさしく、お慶さんの婚約者、沢村研二その人だった、、、、

続き
第56話 まさかの再開!ぷるんぷるん、ぼよよーん!へ

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2008年8月26日 (火)

第54話 めぐみちゃんの嫉妬

お大師さんの仕事(バイ)も二日目、僕は前日と同じように、保育園横のお弁当屋さんに向かって笑顔で歩いていた

なぜ笑顔か?

それは何と、僕の隣にまたまたエプロン姿のめぐみちゃんがいたのだ、、、

めぐみちゃんは夕べ鬼瓦興業で僕を待っている時、親父さんからアルバイトをたのまれたらしく、楽しそうに笑いながら僕の隣をあるいていた

 

「うれしいなー、また吉宗くんと一緒にアルバイトができるんだね、、、」

「うん、、、」

めぐみちゃんの言葉に僕も笑顔で微笑んだ、、、

「でも大丈夫なの、ハゲ虎、じゃなかった、めぐみちゃんのお父さん?」

「今日はパパ、署の慰安旅行で、伊豆に行ってるんだ、、、、、」

「伊豆か、、、、で、でも、ばれたら?、、、」

僕は一昨日、ハゲ虎にピストル突きつけられた恐怖体験を思い出しゾクゾクっとした、、、、

「大丈夫、大丈夫、、、、吉宗君は気にしないで、、、」

「気にしないでって言われても、、、、」

「あー、、、なんだか私が一緒がいやみたいな言い方だ、、、、」

「そ、そんなことないよ、僕だってすっごくうれしいよ、、、」

「本当にうれしい?」

「う、、、嬉しいに決まってるじゃないか、、、、、」

「私もうれしい、、、」

めぐみちゃんは僕の腕に両手をまわし、ぐっと体をすり寄せてきた、彼女のホンワカした胸の感触が僕の腕に、、、

「、、だはははは~、、」 

僕は嬉しさのあまり、ハゲ虎のことなどすっかり忘れ、それはだらしなーい顔で歩いていた、

Lovel  

お弁当屋さんに到着後、頼まれたお弁当を注文して外に出ると、めぐみちゃんが一人保育園をながめた

「かわいいね、、、みんな楽しそうに遊んでるよ、吉宗君、、、」

「うん、、、」

静かにめぐみちゃんの横によりそうと、保育園の中で無邪気に遊びまわる子供達を見つめた、、、

お砂場で遊ぶ子、ぶらんこを勢いよくこいでいる子、うさぎ小屋の前で草をあげている子、そんな中、一人花壇の脇で寂しそうにぽつんと座っている子がいた

「あ、、、あの子は、、、」

それは昨日、お大師様の境内から泣きながら連れ去られた、追島さんの娘のユキちゃんだった、、、

「あの子って?吉宗くん知ってる子なの?」

「うん、、、追島さんの娘さん、、、」

 

「え!?、、、追島さんの娘さんって、、もしかしてユキちゃん?」

「!?」

僕はめぐみちゃんの口から、ユキちゃんという名前を聞いて、一瞬驚いた、、、

「めぐみちゃん、知ってるのユキちゃんのこと、、、、」

「うん、、、あの子が3歳くらいの時だったかな、鬼瓦のおじちゃんの所でよく遊んだんだ、、、」

「そ、、、そうか、、、、、」

「ねえ、どこ?吉宗君、、、、どこにユキちゃんがいるの?」

めぐみちゃんは園庭をキョロキョロ見渡した

僕は花壇のわきで寂しそうに座っているユキちゃんを指差した、、、

「あー、あの子がユキちゃんね、、、、すっかり大きくなって、、、」

めぐみちゃんは真剣に見つめていた、、、

「こんな所でユキちゃんに会えるなんて、、、、」

嬉しそうに微笑んでいたが、その瞳にはいっぱいの涙があふれていた、、

 

「めぐみちゃん?、、、、」

僕はユキちゃんをじっと見つめている、めぐみちゃんに声をかけた、、、

「めぐみちゃん、それじゃ、、、お慶さんのことも?」

「お慶さん?、、、、吉宗君お慶さんにも会ったの?、、、、」

「うん、、、、実は昨日、、、、」

僕は昨日起こったことを、めぐみちゃんに話し始めた

 

追島さんが、あの園庭の外の草むらで悲しそうにユキちゃんを見つめていたこと、、、、

境内で、追島さんを慕って泣いていたユキちゃん、そして久しぶりの再開に涙を流していた追島さんのこと、、、

怒ったお慶さんが、むりやりユキちゃんを連れ去っていったこと、、、、、

そして、喫茶慶で再びお慶さんに出会ったこと、、、、

静かにめぐみちゃんに話していた、、、、 

 

「そんなことが、あったんだ、、、、、」

 

めぐみちゃんはそっとつぶやくと、涙をいっぱいの瞳で、花壇のすみに座っているユキちゃんを見つめていた、、、

 

「はーい」、幕の内弁当5つ注文のお客さーん、お待ちどう様ーー」

「あ、、、はい、、、」

お弁当を受け取った僕とめぐみちゃんは、花壇のユキちゃんを見ながら、お大師さんに向かって歩き出した、、、

「ねえ、吉宗君、、少しユキちゃんとお話ししていいかな?、、、」

「え?」

「ちょっとだけでいいんだ、、、」

めぐみちゃんはそう言いながら、ユキちゃんが腰掛けている花壇の近くのフェンスに歩いていった、、、 

 

「ユキちゃん、、、ユキちゃん、、、、」

フェンスごしにめぐみちゃんは声をかけた、、、

「、、、?、、」

「こんにちわ、ユキちゃん、、、」

「誰?、、、、おねえさん、、」

「覚えてないかな?、、私のこと、、、、」

ユキちゃんはしばらく考えていたが、パッと表情を明るくさせて

「あーー、めぐみお姉ちゃん?」

そう言いながら、嬉しそうに、僕たちのほうへ走りよってきた、、

 

「覚えていてくれたんだ、ユキちゃん、お姉ちゃんのこと、、、」

「うん、、だって、大好きなめぐみお姉ちゃんだもの、、、」

「ありがとう、、お姉ちゃんとってもうれしいな、、、、」

「へへへ、、、、」

 

「ママは元気?」

「うん、、、、」

めぐみちゃんは保育園の様子を静かに見渡したあと、

「保育園、楽しそうだね、、、」

微笑みながら再び話しかけた

しかしユキちゃんは、ちょっと寂しそうにうつむいていた、、、、

「どうしたの?保育園楽しくないの?、、、」 

「うん、、楽しかったり、楽しくなかったり、わかんない、」

 

「楽しかったり、楽しくなかったりなの?」

めぐみちゃんは心配そうに聞きかえした、、、

「うん、、、春菜先生とお友達と遊んでいる時はとっても楽しいんだ、、、、」

「春菜先生?、、保育園の先生ね、、、」

「うん、とっても優しくて、めぐみおねえちゃんと同じくらい、大好きなんだ、、」

ユキちゃんはうれしそうに微笑んだ、、、、

 

「それじゃ、、楽しくないって、何なの?」

「うーん、、、、」

ユキちゃんは小さな眉間にしわをよせながら考え込んでいた、、、、、

めぐみちゃんはそんなユキちゃんを静かに見つめていたが、優しく微笑むと、、、 

「そうか、、、ちょっと言いにくいことなのかな、、、、」

「、、、、うーん、、」

「いいよ、いいよ、、、ユキちゃんがお話したくなかったら、いいんだからね、、、」

「うん、、」

ユキちゃんはそっとうなずきながら顔を上げると、めぐみちゃんの後ろでぐっと涙を我慢している僕を見て目を輝かせた、、

「あーー!、金魚すくいのお兄さんだーー!!」

「え、、、あ、、ははは、、や、、、やあ、、、、」

僕は慌ててユキちゃんに手をふった、、、、

「ねえ、ねえ、めぐみお姉ちゃん金魚すくいのお兄さんとお友達なの?」

「うん、、、、」

めぐみちゃんがうなずくと、、、

「ねえねえ、恋人?お姉ちゃんの恋人なの?、、、」

「いや、、、あの、、、」

めぐみちゃんと僕は、顔を真っ赤にしながら見つめあった、、、、

「あーー、二人とも、お顔真っ赤になってる、、やっぱり恋人なんだ、恋人なんだー、、、」

ユキちゃんは保育園児とは思えないませた顔で、僕達をからかいはじめた、、、

 

 

「はーい、みんなお部屋に集まってー!!」

保育園の教室から優しい声が聞こえてきた、、、

園庭で遊んでいた子供達がいっせいに、その声のもとに集まり始めた、、、

「春菜先生だー、」

「春菜先生ー」

子供達の言葉に僕も顔を上げると、そこには、あの美しい春菜先生が手をふりながら微笑んでいたのだった、、、、

 

「あ、、、春菜先生だ、、、」

気がつくと、僕も子供達といっしょにそうつぶやいていた、、、、

「あ、春菜先生だって、知ってるの吉宗くん、、、」

「え、、、あ、昨日境内で、、、、」

「ふーん、、、、」

めぐみちゃんは、ちょっとむくれながら春菜先生の方を見た、、、、

先生も僕達に気がついたのか、不思議そうにこっちを見ていた、、、

「へー、とっても綺麗な人だね、、、、」

「うん、、、」

「え、、あ、いや、、、、あの、、、、、」

 

「何でそんなに慌ててるの?馬鹿みたい吉宗くん、、、、」

めぐみちゃんは明らかに不快といった顔でむくれていた、、、、

 

「ユキちゃん、このお姉さんたちはどちら様?、、、」

気がつくと、僕達の前に春菜先生が、近寄っていた、、

「先生、私が大好きなめぐみお姉ちゃん、、、」

ユキちゃんはそう言いながらめぐみちゃんを指差した、、

「ユキちゃんの大好きなお姉さんだったの、、、はじめまして、ユキちゃんの担任の春菜です、、、」

「あ、、、はじめまして、神咲めぐみ、、です、、」

めぐみちゃんは慌てて春菜先生に挨拶をかえした、、

 

「先生、このお兄ちゃん覚えてるでしょ、、、ほら金魚すくいのお兄さん、、」

ユキちゃんが今度は僕をゆびさした、、、

「あー、昨日の?、、、、、」

春菜先生は一瞬驚いた顔で僕を見た後、ポッと頬をそめて

「やさしい、テキヤのお兄さんですね、、、昨日はありがとうございました、、、」

深々と頭をさげた、、、

「いや、、僕は何も、、、」

真っ赤に照れながら両手をばたばたとふった、、、

 

「何、そんなに赤くなってるの?吉宗君、、、、、」

僕の耳に小さな声が、、、、振り向くとそこには、明らかに嫉妬の表情を浮かべためぐみちゃんが睨んでいたのだった、、、、

 

そんなめぐみちゃんにユキちゃんが、両手を頭にのせながら、、

「めぐみお姉ちゃん、、、」

 

「なに、?ユキちゃん、、、、」

 

「この金魚すくいのお兄ちゃんね、実はねー、昨日ねーー、」

ユキちゃんはニヤッと笑いながら、僕を見た、、、、その表情はまさしく、いやらしい顔をしたときの追島さんの目そのものだった、、

(な、、、何だこの目は、、いったい何をこの子は、、、、)

僕は思わず青ざめた

 、

「ユキちゃん、、、、このお兄ちゃんがどうしたの?」

めぐみちゃんは、真剣な顔でユキちゃんを見た、、、

ユキちゃんはそんなめぐみちゃんと僕を見ながら再びニヤッと笑うと、春菜先生を指差し、とてつもない言葉を発射した、

 

「このお兄ちゃん、昨日、春菜先生のパンツを覗き見したんだよーーー!!」

 

「えーーーー!?」

  

「どわーーーーユ、ユキちゃ~ん!?」

Lovelodoroki   

子供って、無邪気でかわいい、、、、無邪気でかわいい、、、、、無邪気で、、、、、

そう思っていたのに、、、僕は子供の無邪気さとは表裏いったいの、恐ろし~いものを、その時、知ってしまったのだったのだった、、、、

続き
第55話 吉宗くんVSイケメン三波へ

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2008年8月19日 (火)

第53話 めぐみちゃんナンバーワン

初めての高級ソープランド、結果は撫で撫でされただけで発射という、世にも無様な醜態をさらし、

さらには、めぐみちゃんとの約束を破ってしまった罪の意識から、僕はグッタリ疲れはてて鬼瓦興業の寮へ戻った

「それじゃ、お疲れさん、、」

「お疲れ様でした~」

銀二さんたちと分かれて、部屋の前に立った僕は、ふっと何かに襲われる恐怖の予感を感じ取った、、

「そういえば、追島さん先に戻ってたんだ、、、まずい、寝てるところを起こしたりしたら、、、、」

寝ぼけ眼で、恐怖の孫の手をぶんぶん振り回す追島さんを思いうかべ、

「ここは、、、そーっと、、た、、ただいま戻りましたー」

小声でささやきながら、恐る恐る、ふすまを開けた、、、

「あれ?、、、、」 

しかし、そこに鬼瓦興業の鬼軍曹、追島さんの姿は無かった、

 

「何だ、追島さんも出かけてるのか、あの予感は勘違いだったんだ、、ははは、、」

僕はほっとしながら部屋に足を入れた、と、その時だった、

 

ムゥワァ~!!

 

「うぐおーーーーー!?」

僕に向かってすさまじい悪臭が襲い掛かってきた

それは今朝、出がけに追島さんがぶっ放した強烈なおならが、時間をかけて熟成された、ものだった、、、 

Kusai_2 

「ぶわーー、く、臭い~、、あの予感は、これだったのかー、、、」

僕は、慌てて部屋の窓をあけると、顔を外に突き出して、必死に新鮮な空気を吸った

「ぷわーー、はあ、はあ、しかし、こんな時間まですごい匂いが残ってるなんて、まるで獣なみのおならだ、、、、ぶはあ、ぶはあ、、」

   

「ふふふ、、、戻ってそうそう、何て顔してるの?、、、おかしい、、」

 

「、え?、、、、、」

 

「ここよー、、、ここ、、」

 

「、、その声は、、、!?」

僕は突然耳に入ってきた聞き覚えのあるやさしい声に、窓の外をキョロキョロ見まわした、、、 

「ここ、ここー、、、上だよー、吉宗君、、、」

「あー!」

親父さんの盆栽が並ぶ壁の先、隣の家の二階のバルコニーで、何とめぐみちゃんが僕を見て微笑んでいたのだった、、

 

「め、めぐみちゃん!?」

愛しのめぐみちゃんを見つけて、僕の顔は、おならを嗅がされた渋い顔から、ほんわかした幸せな顔にかわっていった、、

 

「お帰りなさい、、、吉宗くん heart01 

めぐみちゃんは、髪の毛を可愛く束ね、パジャマ姿で僕にささやいた、、

Barukonni

「あ、、た、、、ただいま、」

 

(あーー、やっぱり、、、可愛いなー、めぐみちゃん、ナンバーワンだ、、、、)

僕は、彼女の可愛いパジャマ姿に見とれていた、、、、

 

「遅かったね、、、」

「あ、うん、、、高倉さん達と飲みにいってて、、、、」

「なんだ、、、飲みに行ってたんだ、、、」

「う、、うん、高倉さんたちの知り合いの人の喫茶店で、、、」 

「ふーん、それじゃ待ってても戻らない訳だ、、、」 

 

「待ってた?、、、」

 

めぐみちゃんはニッコリ微笑んでうなずくと

「さっきまで、そっちにいたんだよ、私、、、おじちゃんとおばちゃんと、吉宗君のこと待ってたんだ、、」

「、、、、、え!?」

「連絡もくれないで、すごーく心配したんだからね、、、、」

「、ご、ごめん、、、!、」

 

「ううん、、付き合いだもの仕方ないよね、、、」

めぐみちゃんは首を振りながら、やさしく微笑んでくれた、

「、、、、、、、、、、」

僕は彼女のやさしい笑顔を見て、ソープランドに行ってしまったという罪悪感から言葉を失ってしまった、

 

「どうしたの?吉宗君、急に黙っちゃって、、、」

「え、、?あ、、いや、、、、、」

「遅かったから疲れたんでしょ、、、、」

「う、、うん、、、」

苦し紛れにうなずいた

 

(めぐみちゃんは、僕を待っていてくれたのに、、僕は、、、約束を破ってあんなエッチな所に、、、)

そう思うと、純粋な彼女の顔がまぶしすぎて、真剣に見ることができなかった、

 

「そうだよね、、一日仕事したんだものね、、、」

「でも、吉宗くんに会えてホッとした、、、、」

めぐみちゃんは、手すりに腕と顔をのせながらうれしそうに微笑んだ、、、、

 

「じつはさ、、ちょっとだけ不安だったんだ、、、、、」

 

「え?」

 

「鬼瓦のおじさんが、吉宗君たちお風呂屋さんに行ったんじゃないかなんて、冗談言うもんだからさ、、」

「お、、お風呂屋さん、、、、」

「うん、川崎のお風呂屋さん、、、」

「、、、、川崎のお風呂って、、あ、、ははは、そ、、それは悪い冗談だね、、ははは、、、」

「そうでしょー、ひどいでしょおじさん、、、」

「はは、、ははは、、、、」

僕は苦し紛れに笑いながら、冷や汗を流していた、、、

  

「吉宗くんが、そんな所に行くはずないのに、ごめんね、勝手に疑って不安になっちゃって、、、」

めぐみちゃんは恥ずかしそうに舌をだした、、、、

  

(め、、めぐみちゃんが、、、こんな思いで待っていてくれたのに、、こんなに僕を信じてくれているのに、僕は、、、)

(駄目だ、、、やっぱり僕には彼女を裏切って嘘をつくことは出来ない、、、、)

気がつくと僕は真剣な顔で、彼女を見上げていた、、 

  

「め、、、、めぐみちゃん、、、、」

 

「え?、、、、」

 

「じ、、、、実は、、僕、、、、、、、」

「、、、僕、、」

 

「、、、、な、何、、どうしたの急に?、、、」

 

「、、、めぐみちゃん、、僕、、実は今日、、、、、、」

 

「、、、、、、きょ、今日?、、、、」

僕の様子の変化に、めぐみちゃんは何時しか不安な顔にかわっていた、、、、

 

「僕は、、、、今日、、、」

 

と、その時、僕の頭に銀二さんの言葉が、、、、

  

(吉宗、お前間違っても風呂に行ったこと、めぐみちゃんに話したりするんじゃねーぞ、、、)

「、、、、!!」

(そ、、、そうだった、、、、)

 

「ねえ、、、どうしたのよ吉宗君、、、今日なにがあったの?、、、」

 

「え!?、、、、」

「あ、、、じ、、、実は、美味し~い、ご馳走いっぱい食べてきちゃったんだーーーー」

僕はとっさに作り笑顔で、彼女にそう告げていたのだった、、、

 

「ご、、ごちそう!? 」

 

「う、、うん、、す、、すっごいご馳走、、、はははー」

めぐみちゃんはきょとんとした顔で僕を見たあと、ケラケラと笑いはじめた

「もう、、、吉宗くんったら、真剣な顔で何を言うかと思ったら、、、」

「ははは、、、ごめん、ごめん、、、、」

「からかわないでよ、、、私、ずーっと不安で、吉宗君のことを、ここで待ってたんだからね、、、、」

「ずーっと、そこで?、」

「うん、、、、、」

めぐみちゃんは恥ずかしそうにバルコニーでうなずいた、、 

 

(めぐみちゃんが、そんな所で僕のことを、、それなのに僕は、彼女に嘘を、、、、)

 

「でも、ホッとした、、、やっぱり吉宗君は、私の思ったとおり、、、うふ、」

めぐみちゃんは嬉しそうに微笑むと同時に、大きなあくびをした、、、、

「なんだか、ホッとしたらねむくなっちゃった、、」

そう言いながら、彼女は部屋の時計をながめた、、

「大変、、、、もうこんな時間だったんだね、、、、」

その言葉に僕も時計を見た

「あ、、、、もう二時か、、、」

 

「ごめんね遅くまで、、、それじゃ、おやすみなさい、吉宗くん、、」

めぐみちゃんはそう言いながら手をふった

「あ、、、おやすみ、、めぐみちゃん、、、、」、

 

めぐみちゃんは一度部屋に入ったあと、ちょこんとカーテンの間からイタズラに顔を出して

「また、明日、、、、おやすみ、、よ、し、む、ね、、、くん heart04 」

微笑みながらウィンクをすると、カーテンの向こうに消えていった、、、

 

「か、、、、かわいい、、、やっぱりめぐみちゃんは、スーパー可愛い、、heart02、」

僕はでれーっとしまりのない顔で、今までめぐみちゃんがいた、バルコニーを見つめて立ち尽くしていた、、、、

 

(あんなに可愛いめぐみちゃんが、、僕のことを思ってくれている、、、、、それなのに、僕は彼女を裏切って嘘をついてしまうなんて、、、、) 

 

「ご、、ごめんよ、、めぐみちゃん、、、」

僕は、静かにつぶやいていた、、、、、

 

と、そのとき、

 

「ういーーー!飲んだーーー!!」

僕の後ろで猛獣のようなうめき声が

振り返るとそこには、酔っ払った追島さんが楊枝をくわえて立っていた、、、

Oiyoppa  

「あ、、お疲れ様です、、、」 

「んー?、、何だお前、、、まだ寝てねーのか、、」

追島さんは、ぶっきらぼうにそう言うと、ふらついた足でズボンを脱ぎ始めた、、、、

僕はふっと喫茶慶の近くで見た、追島さんの背中を思い出し、思い切って訊ねた、

「あ、、、、あの、、追島さん、、、、」

「あーん?」

「あの、、追島さん、さっき堀之内にいませんでしたか?」

 

「あーー!?」

 

追島さんは、一瞬目を見開いて、静かに僕をみた、しかし直後にむっとした顔で、

「俺が何で堀之内に行くんだ、、バーカ、、明日も早いんだ、早く寝ろー!!」

そう言いながら、ごそごそとポケットから携帯電話と数枚の小さな名詞をテーブルに放り出し

「ぐおあーーーーーー!!飲んだーーーー!!」

猛獣のようなうめき声を上げながら、布団に倒れて大いびきを掻きはじめた、、、

 

「もう寝ちゃった、、やっぱり見間違いだったのかな、、、、」 

僕は酔った巨体に布団をかけると、そのゴリラそっくりな顔を見ながら、お祭りで見せた追島さんの悲しい泣き顔を思い出していた、、、、、、

 

「何とか、、、ならないのかな、、、追島さんとお慶さん、、、そうすればユキちゃんも、、」

 

「でもお慶さんは、婚約、、、」

僕はいたたまれない気持ちで、追島さんから目をそらし、テーブルの上の小さな名詞に目をうつした

 

「桜ヶ丘キャバクラ キングハーレム、瞳、、?、、」

 

「な、、、何だよ、追島さん、、隣町のこんな所で飲んでたのか、、、」

僕はあきれた顔で名詞の裏を見た、、

(オイちゃん、また来てね LOVE、、、瞳、、)

「オイちゃんLOVEって、、、、おまけにキスマークまで、、、、」

僕は追島さんの顔を笑いながら見ると

「心配して損した、、、」

そう言いながら別のキャバクラのお姉さんの名詞に目をうつした、、、、、 

「緑ちゃん、、葵ちゃん、、、るみちゃん、、、あ~あ、、、これじゃお慶さんも愛想つかすか、、、」

そう言いながら、数枚の名詞をめくっていた僕は、一枚の小さなレシートを手にしてはっと驚いた、、、 

  

「川崎フラワーショップ!?」

 

「カスミ草、、、、5本、、、、、スイートピー、、、、10本、、、、、、」

 

「スイートピー!?、、、、」

 

(それじゃ、、、お慶さんの店の入り口に置かれていた、あの花束!、、)

  

「ぐうおーー、ぴゅいーー、ぐうおーーー、ぴゅいーー」

僕は手にした小さなレシートの先で、豪快にいびきをかいて眠っている追島さんのゴリラ顔を、無言で見つめていたのだった、、、、

続き
第54話 めぐみちゃんの嫉妬へ、、、

イラストは近日更新します、、て、最近してないなーcoldsweats01

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2008年8月12日 (火)

第52話 めぐみちゃんへの秘密

「吉宗、お前なかなか運転うまいじゃねーか、、、」

助手席でほろ酔い加減の銀二さんが、話しかけてきた

「そ、そうですか、、?、」

僕は鬼瓦興業の若頭、高倉さんの高級車を緊張しながら運転させられる羽目になってしまったのだった、

後部座席では、へべれけに酔った高倉さんと、久しぶりの滑る滑る、ソープランドに身も心もとろけてしまった鉄が、気持ちよさそうに眠っていた

 

「しかし、まさかお慶さんの店で飲むことになるとはな、、、、」

銀二さんが懐かしそうにつぶやいた、

「料理、美味しかったですねー 」

「ああ、昔、追島の兄いと一緒だったころ、よーくご馳走になったけど、あのころもうまかったからな、、、」

 

「あ、あの銀二さん、、、一つ聞いていいですか?」

「ん?」

「追島さんとお慶さんって、夫婦だったんですよね、、、なんで解れてしまったんですか?」

僕の質問に銀二さんの表情が、一変して恐い顔にかわった

 

「あ、、、、すいません、、話せないわけがあるんでしたら、、、、」

「いや、、、そんなもんは無えけどよ、、ただよ、きっかけは俺みたいなんだよな、、、、追島の兄いは、詳しく教えてくれねーンだけどよ、、、」

銀二さんは眉間にしわを寄せながら、窓の外の夜景を見つめていた

僕は、銀二さんを見て、それ以上質問を返すことが出来ず、黙って土手沿いの静かな道を運転していた、、、、

 

「でもよう、、、婚約してたなんて、、、追島の兄い聞いたらショックだろうな、めちゃめちゃお慶さんに惚れてたからな、、、、、」

銀二さんはタバコに火をつけ、窓を開けながらつぶやいた

 

「あの、、、、銀二さん、、」

「ん?」

「こんな事をいったら、すごく失礼なんですけど、、僕、、あの婚約者の人、嫌いです。、、、」

その言葉に銀二さんは驚いた顔で

「お前も?、、、、」

「え?、、お前もって、、それじゃ、、、」

「俺もよ、挨拶された時、何だかむかつく野郎だなーと思ってよ、、別に意味は無えんだけどよ、、、、まあ、兄いのことがあるからかも知れねーけどな、、、」 

「僕も、追島さんやユキちゃんのことが、頭にあったからかも知れないけど、でも、あの沢村って人の目を見たとき、笑顔の下にすごく寒いものを持ってるみたいな気がして、、、」

「寒いものか?」

「はい、、、何ていうか、、、、妙な恐さっていうか、、、」

「恐さじゃ、高倉の若頭だって恐いだろ?」

「高倉さんは恐いですけど、氷のように寒い目じゃないです、なんていうかその逆で、ギラギラした目の中に、暖かいものが隠れている感じがして、、、、それに親父さんも、銀二さんもです、、、、それから追島さんもそうです、、」

「はー、これは驚いたな、、、、、」

銀二さんはビックリした顔で、僕を見ていた

 

「お前、ただボーっとした天然かと思ってたけど、なかなか鋭い目を持ってたんだな、、、」

「、そ、そんなことは無いですよ、、、はは、、、」

「いや、、、たいしたもんだ、、、若頭や親父さん、、それに追島さんのそんなところを見抜くなんて、只者じゃねーよ、お前、、、いろんな経験がなきゃ、ただ、恐いとしかおもえねーぞ、みんな、、、、」

「経験、、ですか、、?」

「ああ、いろんな人間を見てきた経験っていうのかな、、、、」

「、、、、、、、いろんな人間か、、、、」

 

僕は銀二さんの言葉で、ふっと、子供のころ覚めた氷のような笑顔で僕を見てた、親戚のおじさんの顔が頭に思い出されてきた、、、  

 

 

(お姉さん、桜子ちゃんも、吉宗も、これから学費やら何やらかかるんだから、前に話しこと、考えてみた方が良いんじゃないかな、、、?)

おじさんはそう言いながら、子供のころの僕と姉さんを見た後、お母さんに優しく微笑んだ

(そう言われてもね、、、、私、株とか経験がないし、、、)

(大丈夫、元金は僕が保証するんだから、、、、任せてくれたら毎月生活費くらい配当があるから、、、そのほうが長い目で見ても良いと思うんだ、、、)

(でも、あれは、私達のために、あの人が残してくれた大切なお金だから、、、、)

 

うつむいて考えるお母さんにおじさんは再び作り笑顔を見せた

(お姉さん、だからって使ってしまえば何にもならないけど、運用すればずーっと残るお金なんだよ、、、いずれこの子達を大学に行かせようと思ったら、どれだけお金がかかるか、、)

おじさんはそう言いながら、僕とお姉さんを再び見て微笑んだ、、、

(お前達も大学行きたいよな、、、、) 

 

「そう言いながら笑うおじさんの目に、子供のころの僕、氷のような寒さを感じて、すごく恐かったんです、、、、」

僕はハンドルを握りながら、昔のことを銀二さんに語っていた、、

「それで、お前のおふくろさん、銭わたしちまったのか?」

「はい、、、僕、、いやな感じがして、お母さんにすごく反対したんです、、、でもそのおじさん何度も何度も、毎日のように僕の家に現われて、、、結局、お母さんはお父さんが残してくれた、お金を、、、、」

「、、、ふーん、、、、」

「でも、おじさん、お金を受け取ったとたん、急に態度を変えて、、、、、そのお金も自分が株で失敗した借金につぎ込んでしまったらしくて、、、お母さん泣きながら、おじさんにお金を返して欲しいと頼んだんです、、、、」

 

(約束が違うじゃないですか、、運用するって言ったのも嘘だし、、元金を保証してくれるって、、、あれも嘘じゃないですか、、、、お願いです少しでもいいからあのお金、返してください、でないと私達はこれから、、、、、)

 

「お母さん、おじさんの家で泣きながら、頭をさげていました、、でも、おじさんから帰ってきた言葉は、、、、」

 

(うぜえんだよ、、ババア、、、てめえらが生きようが死のうが俺のしったことか、、、、)

  

「僕、、忘れようとしても、いまだに忘れられないんです、、その時のおじさんの氷みたいな恐ろしい顔、、、、」

  

「最低の野郎だな、、、、」

銀二さんは僕の話を聞いて鬼のような顔でつぶやいた、、、、

「おい、、その野郎、今何処にいるんだ?、」

「え?、、、」

「そういう野郎はぶっちめてやらねーと気がおさまらねー、、今から俺がぶちのめしてやるから、案内しろー吉宗!!」

銀二さんは真剣に怒った顔で、僕を見た

 

「ぷーーーー、、ぎ、、銀二さん、、、」

僕はおもわずふきだしてしまった、、、

「何だよ、お前、、何笑ってんだよ、、、、」

「す、、すいません、、笑ってしまって、、、銀二さんも、やっぱり熱い人だな、なんて、そう思ったんで、、、」

「それに、そのおじさん、しばらくして別の詐欺で逮捕されて、、、それから行方不明なんです、、、」

 

「なんでえ、その野郎に、二、三発、ワンパンぶち込んでやりたかったんだがな、、、」

銀二さんは、悔しそうに手のひらに拳をバシバシぶつけていた

 

「ありがとうございます、、、、銀二さん、、」

「あん?、、バ、、、バカ、お礼言ったってしょうがねーだろ、、でもよう、世の中にはいるんだよな、そういった弱いところに付け込んで、平然とど汚いことを出来るクズ野郎がよ、、、、」

 

「でも、大事な銭、騙し取られて、それから大変だったろな、お前のおふくろさん 」

「はい、、、お父さんが残してくれた家も売る羽目になって、、、、毎日遅くまで働いて僕達を育ててくれたんです。」

「けっこう苦労してんだな、、お前も、、、、」

「僕は全然苦労なんて、、お母さんは大変だったみたいですけど、、、それでも愚痴一つこぼさなかったんです、、、」

「ふーん、すげえお袋さんだな、、、、、」

銀二さんはタバコをくわえながら静かに外を見ていた、、、、

 

「お母さんがいつも僕達に言ってくれたことですけど、、、、たとへ貧乏して苦しくても、家族が一つ屋根の下で、暖かい布団に寝れて、質素でもご飯が食べれることって、とても幸せなことで、ありがたい事なんだよって、、、」

「家族で布団に寝れて飯が食える幸せか、、、、なるほどな、俺も少年院から戻って、お袋の飯食って、あったかい布団に寝れた時ありがたかったからな、、、、、」

銀二さんはしみじみつぶやいていた、、、

 

「それから、お母さん、だましたおじさんを恨んじゃいけないって、、、、」

僕はそう言いながら、ぐっと唇をかみ締めていた、、

「でも、僕は許せないんですら、、、、お母さんにあんな苦労させたおじさんが、許せないんですら、、、、」

「そらあ、許せねえですら、だよな、、、、、で、?、、、ですらって、、、、もしかして、、、」

「許せないんですらーーーー、うぐっつ、うぐううううう!!」

「あーーー、やっぱりお前!!」

 

「うぐわあああああああああああああ!!ぐえ、、ぐえ、、うぐああああああああ 」

僕は得意の伝家の宝刀、ウルトラ号泣をしながら、ハンドルを握っていたのだった、、

 

「あーーー、おいコラ、、あぶねえから運転中は泣くなーバカーーー、」

 

「すんぶあ、せーん、銀二しゃーーーん、ぐえあーーーぐあああああ」

 

「バカー、こっち見るなー、前見ろ、前をーーーーー、わかった、わかったから、、お前が許せないですらーなのは、わかったらーだから、、、」

 

そらからしばらく、銀二さんになだめられ、どうにか泣き止んだ僕は、気がつくと土手沿いから明るい町並みを走っていた、、、

「まったく、お前ときたら、、、、やたら泣き過ぎだっての、、、、」

「すいません、、、、」

 

「まあ、俺も熱いけど、おめえもその数倍熱い男だからな、、、ははは、、、、」

銀二さんはそう言いながら何か思い出したように、いやらしい顔で僕を見た

 

「そうだー、ところでお前に大事なこと聞き忘れていた、、、、」

 

「大事なこと?」

「げへへへ、、、どうだった初めてのあれは、、? 」 

「あれ?」

僕がボーっとした顔で銀二さんを見ると

 

「初めてのエッチの感想だよ、、、、童貞切った感想、どうだったっての?」

 

「あ、、、、、そ、それですか、、、」

 

「それですかって?、、お前最後マライアとラブラブで出てきたじゃねーか、、、良かったんだろ?ん?」

「あの、、、、その、、、、」

「何だよ、俺のお勧めマライア、、、、パイオツもでけえし、すんげえ、ナイスバディーだったろ、、、、」

銀二さんはいやらしーい目でにやけながら僕を見た 

「はい、、たしかにすんごい、おっぱいでしたーー、」

僕も顔を真っ赤にしながらにやけてしまっていた、、

   

「その面、あのホルスタインみたいな乳にかぶりついたなー、お前、、ははは、」

「いや、、、あの、、それは、、、、」

「馬鹿だな、、ここは野郎どうしなんだから遠慮しねえで、正直に言ってみ、、、」

「あの、、その、、、実は、、、、、」

 

僕はハメリカンナイトでも出来事を、正直に銀二さんに打ち明けた、、、、 

 

「何ーーーーー!?、、それじゃお前、やってないってのかーーー?」

 

「やってないと言われれば、やってないし、、、、やったと言えば、、やったし、、、」

 

「なんだそれ?」

「あの、、、マライアさんに優しく撫で撫でされて、、、あの、、、その、、、、」

僕は顔を真っ赤にしながら、最後の発射事件も打ち明けてしまった、、、

  

「撫で撫でで、、、、、発射、、、、!」

 

銀二さんは信じられない動物を見る顔で、しばらく僕を見つめたあと

「ぶうわーはハハハはハッハ、ははははっははははははあはーーーー」

大声でお腹をかかえて笑い始めた、、、、

 

「そ、、、そんなに笑わないでくださいよーー、僕だってめちゃめちゃ恥ずかしかったんですから、、、、」

 

「笑うなっていったってよ、、、、ぐわはは、、ははっはは、、、」

 

僕は、ぶーっと頬を膨らませて運転していた

「撫で撫でで発射か、、、、けひょけひょ、、、」

銀二さんは落ち着いては、笑い、またしばらく落ち着いては思い出し笑いを繰り返していた、、 

しかし、やがてお不動さんの五重の塔が見えたとき、真剣な顔にかわって僕に大切なことを告げてきた、、、

「吉宗、、、、撫で撫では別として、お前に一言いっておくぞ、、、、」

「はい?」

 

「風呂に行ったこと、間違っても、めぐみちゃんに話したりするんじゃねーぞ、、、」

 

「あ、、、は、、はい、、、」

 

「バカ正直なお前の事だからよ、、、、白状せずにいられなくなっちまって口滑らすんじゃねーか、ちょっと心配になったからよ、、、」

「それは、もちろん、、、僕だって言いません、、、、」

銀二さんはホッとした顔をして、後ろで寝ている高倉さんと鉄を見た

 

「あれは一夜の夢だ、、、、若頭も明日になったらその話には絶対に触れねえし、鉄には後で釘をさしておくからな、、」

「はい、、お、お願いします、、」

 

「俺も、追島兄いの二の舞は、もう御免だからよ、、、、、」

 

「は、、はい、、、、え!?」

 

僕は返事を返した後、はっとして銀二さんを見た、、

 

「お、、追島さんの二の舞っていったい?」

 

「さっきの話の途中だがよ、、、追島の兄いがお慶さんと別れたきっかけ、俺が風呂に、、つまりソープランドにさそったのがきっかけなんだよ、、、」

銀二さんは青ざめた顔で、正面の景色を見ていた、、

 

「ぎ、、銀二さん、、ソープランドが原因っていったい、?、、」

「おーーー、良く寝たーーうぃー、、、」

その時、後ろで爆睡していた高倉さんが、目をさましたのだった、、、

 

「銀二、、、今どこら辺だ? 」

「若頭、もうお不動さんすぎたんで、時期に若頭のマンションです、、、」

「あーー、良く寝た、、、吉宗、、運転ご苦労だったな、、、」

「あ、、、はい、、」

 

銀二さんに案内されて僕は高倉さんの車を車庫に入れた、、、

「それじゃ、お前ら明日も頑張れよ、、、、」

高倉さんの言葉に、

「すんません、今日はごちそうさまっした、、おやすみなさい!!」

「ありがとうございましたー、おやすみなさい!!」

僕達は両手をひざにしっかり頭をさげた、、

「おう、、、、」

高倉さんはふらついた足で、マンションの中に消えていった、、、

 

高倉さんのマンションから会社までは歩いて数分、僕はその間、さっきの銀二さんの言葉が頭から離れなかった、、、、

 

(追島さんが、別れたのは、ソープランドが原因、、、!、、それっていったい、、)

同時に僕の頭の中に泣き顔のめぐみちゃんが浮かんできたのだった、、

(信じてたのに、、、約束したのに、、、お風呂にいったなんて、、、、うそつき!私、吉宗君なんて、絶対に許せない!、さよならーーー!、)

頭の中のめぐみちゃんはそう叫ぶと、泣きながら走り去っていった、、、、

 

僕は青ざめた顔で銀二さんに尋ねた、、 

「あ、、、あの銀二さん、、、」

「兄貴ーーーー、今日はよかったっすねーーだはははーーー」

僕の言葉をさえぎるように、鉄ががたがたに欠けた歯で話しかけてきた

 

「あ、、うん、、そうだね、、鉄、、」

 

「おい、鉄、、、、」

「何すか?銀二兄い、、」

「俺達は仕事が終わってから若頭と飲みに行ってただけだからな、、余計なこと、べらべらしゃべんじゃねーぞ、、」

銀二さんは恐い顔で鉄を睨み吸えた、、、

「あ、、、、わ、わかってますよ、、、当たり前じゃねーすか、、、」

「当たり前って、この前もお前、近所のおっさん連中にべらべら喋ってただろうが、、、」

「あ、、あれは、、あんまり嬉しかったもんで、、ははは」

「いいから余計なこと喋るなよ、、、、」

銀二さんは再びそう言いながら鉄を睨むと、鬼瓦興業の門のドアを開いて中に入っていった

 

そんな銀二さんの言葉に、鉄は少しふてくされた顔で僕をみると

「でも、兄貴、、、、せっかく高級店行ったんですからねー、 ちょっとくらい自慢したいっすよね、、、、」

そう言いながら恐ろしく不気味なウインクをすると、続いて門のなかに入っていった、、

 

「うぐ、、!?」

 

僕は鉄の気持ちの悪いウインクに青ざめてしまった、、、

 

(ま、、まずい、、何とかしなくては、、、なんとか、、、、、)

 

気がつくと僕はすごい必死の形相に変わっていた、、、そして門を通り越したところで、慌てて鉄に声をかけた

 

「て、、、、鉄ーー!!」

 

「はい?」

 

「お風呂のこと、、、誰にも言っちゃ、、、だ、、、だめだよ、、、、、、」

振り返った鉄に僕は必死の形相でそう告げた、、、

 

「ぐえ、、、、!、あ、、はい、、」

鉄はなぜか僕をみて、恐怖におののいた顔で返事をしてきた、、

 

僕は鉄のそんな顔に首をかしげながら、銀二さんに続いて、鬼瓦興業の玄関から中に入っていった、

そしてホールのわきにある鏡を見て、ぎょえっと青ざめてしまったのだった、、、

そこには、めぐみちゃんにばれたらという恐怖から、鬼気迫る血走った眼で、それはすさまじい落ち武者のような顔の僕が、写しだされていたのだった、、、、

「うわーーーー!!」

僕は自分で自分の顔に恐れおののいてしまった、、、

 

時計の針は深夜の一時を回っていた、、、鬼瓦興業の居間も台所も真っ暗で電気はすべて消えていた、

まさか、今までここで愛するめぐみちゃんが、僕の帰りを不安いっぱいに待っていたなんて、僕は想像もせず銀二さんと鉄の後を追って、奥の寮へ向かって走ったのだった、、、。

続き
第53話 めぐみちゃんナンバーワンへ

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2008年8月 2日 (土)

第51話 お慶さん

「はい、お待ちどお様でした、、、」

お慶さんは微笑みながら、僕達が座るカウンターテーブルに沢山のご馳走を用意してくれた

そして冷えたビールの蓋をあけると、高倉さんの前にそっと差し出した

「高倉さん、ご無沙汰しちゃってすいません、はいどうぞ、、、」

「おう、わるいね、お慶ちゃん、、、」

「はーい、銀ちゃん、ひさしぶり、、」

「すんません、いただきます」

高倉さんと銀二さんは、お慶さんからビールをついでもらっていた

 

「君たちは、ご飯だよね、、、、」

お慶さんはご飯を山盛りによそうと、

「おかわり、沢山してね、、、」

まるでお祭りの時の鬼のような形相とは正反対の、優しい顔で僕達に大盛りご飯を出してくれた

 

「吉宗と鉄は未成年だからな、、、、酒は駄目だ、酒は、かわりにたらふく食えよ、、」

「それじゃ、若頭、乾杯っす、、、」

「おう、乾杯~!」

カチン

高倉さんと銀二さんはピンクに火照った笑顔で乾杯をすると、もっていたビールをきゅーっと一気に飲み干した

「ぷはーー、うめえ、風呂上りのビールはやっぱ最高だなー、銀二 」

「いやーー、うまいっすねー」

 

「ふふ、あいかわらず、いい飲みっぷりですね、、、お二人とも、、、」

お慶さんは笑いながら二人の空いたコップにビールを注ぎいれた

 

「いいなー、若頭と銀二兄い、、、」

鉄がご飯をほおばりながらうらやましそうに、つぶやいた、

僕はそんなみんなを横目に、お慶さんが出してくれた、ご馳走を口にした

「お、、おいしい、、、、」

遅くまで仕事をしたうえ、ソープランドでのドタバタ騒動、お腹がぺこぺこだった僕は、それから夢中でお慶さんのご馳走をほおばり始めた

「おいしい、、、、おいしすぎる、、、、」

ガツガツ、ムシャムシャ、、、ガツガツ、、、

「ありがとう、、、それにしても、よっぽどお腹がすいてたのね、、、はいお茶碗出して、おかわりどうぞ、、」

「あ、ありがとうございます、、」

お慶さんは僕の手からお茶碗を受け取ると、なれた手つきでご飯をよそい、そっと僕にさしだしてくれた

 

「はい、どうぞ、泣き虫お兄さん、、、、」

 

「な、、泣き虫って、、、、、、、、」

 

「だって、あまりにもすごい泣き方だったから、頭に焼き付いちゃってるのよ、、、君のあの時の顔、、、、」

お慶さんの言葉に、僕は顔を真っ赤にしながらうつむいた、、、

 

「でも、、さっきはごめんね、、、君にもあんなひどいこと言っちゃってさ、、、何しろ気が動転してたものだからさ、、」

「あ、、いや、僕こそ生意気なこと言ってしまって、、、す、すいません、、、」

「ううん、、、君の言ってたことは正しいよ、あれから考えさせられちゃったわ、私も、」

お慶さんは恥ずかしそうに微笑んだあと、高倉さんと銀二さんのもとへ戻ってビールをお酌していた

 

(これが、あの時の恐かったユキちゃんのお母さんだなんて、、信じられない、、こんなに暖かい笑顔で本当はとても優しい人だったんだ、、、)

僕はお慶さんのことを真剣に見つめた、、、

(でも、こんなに優しい人が、あんなに鬼のようになってしまうなんて、いったいお慶さんと追島さんの間には、何があったんだろう、、、、)

 

「いやー、料理の腕、やっぱり落ちてねーな、お慶ちゃん、、、うますぎだよ、、、」

「えー、そですか?高倉さん、、、」

「まじ、うまいっすよ、、でも、自分、お慶さんの手料理また食えるなんて夢にも思ってなかったすよ、、」

「そうだね、、、銀ちゃん、、、」

お慶さんは懐かしそうに微笑んでいた、、、

 

「そうだ、銀ちゃん、鬼瓦の親父さんと姐さんは元気? 」

「ええ、元気元気、親父さんなんて、あいかわらずパワーもりもりですよ、、ははは、、」

「へえ、、、良かった、、本当にお世話になっちゃったから、ご挨拶に伺いたいんだけどね、、なかなかね、、、」

「しかたねーよな、、、お慶ちゃんもいろいろあった訳だしな、、、」

高倉さんはグラスを置くと、難しい顔で腕組みをした

 

「ちょっと、ちょっと、そんな顔しないで、楽しく飲んでくださいよ、、、」

「おう、そうだな、、、ははは、、、」

「そうですよ、若頭、今日は楽しい感想会なんすから、、、、、」

銀二さんの言葉にお慶さんがいらずらな顔で

「ねえ、ねえ、銀ちゃん、感想会って何の感想会よ?、」

「え、、、?、あ、いや、あの、、、、あっ!映画です、、そう映画感想会です、、 」

「映画ー?、、、、ぷーーーー」

お慶さんは銀二さんの苦し紛れのことばに、顔を真っ赤にして笑い出した、、、

「まあ、映画って事にしておいてあげるわね、、、ふふふ、、」

お慶さんはそう言って笑いながら、銀二さんにビールをお酌したあと、カウンターに置かれたスイートピーの花束に目をうつし

「あー、いけない、お花、、うっかりしてた、、、」

慌てて、花束を包み紙から取り出すと、可愛い白い花瓶に生け始めた

  

「それ、もしかして、お慶ちゃんのコレからかい?」

高倉さんは笑顔で親指を突き上げた、、、、

 

「え、、、、? あ、、、、、た、たぶん、そうです、、。」

お慶さんは綺麗に飾ったスイートピーをカウンターに置きながら、幸せそうに微笑んでいた

「そうかー、お慶さんくらいの人に男がいねーわきゃ、ないっすよね、、、、」

お慶さんは銀二さんの言葉にしばらく、考えた後、恥ずかしそうに口をひらいた

 

「実はね、、、私、婚約したんだ、、、」

 

「え、、、、!?」

 

僕はその言葉に思わず箸をくわえたまま固まってしまった、、、同時にお祭りで見た、追島さんとユキちゃんの涙の抱擁を思い出してしまったのだった、、、、

 

「そ、、そんな、、、婚約だなんて、、それじゃ、ユキちゃんは、、、、!?」

 

「バカ!吉宗!!」

慌てて立ち上がった僕を、銀二さんが恐い顔でにらみつけた、、、、 

 

「あ、、、す、、すいません、、、、」

僕はしかたなく静かに席についた、、、

お慶さんはそんな僕に優しく微笑みながら静かに頭をさげた、

「ありがとう、、ユキのこと心配してくれて、、でもね、ユキも、良く知っている方なんだ、だから大丈夫よ、、、、」

「ユキちゃんも、、、ですか、、、」

僕は、なぜか悲しく切ない気持ちになりながら、うつむいた、、、、

 

「ねえ、ねえ、もう大声で泣き出したりしないでよ、、お兄さん、、、、」

「えー!?」

「そうだぞ、吉宗、まーた、婚約はだめれすらーー、なんて言うんじゃねーぞ、、、おい、、」

僕とお慶さんの様子を見ていた銀二さんが、笑いながら突っ込んできた

「えーー、れすらー、なんて言ってませんよ僕、、、」

「言ってないって、何いっちゃってんのお前、、、、」

「うん、確かに言いました、れすら~って、、、」

「そ、そんな~、言ってませんって、、、、」

 

カランカラン、、、、、その時、

僕達の後ろのドアが音を立てて開くと、一人のスーツ姿のお客が大きな紙袋をかかえて入ってきた

 

「いらっしゃいませー、、、、、あっ!?」

お慶さんがそう言いながら、嬉しそうに頬をそめたのを僕は目撃してしまった、、、

 

「慶子さん、開店おめでとう、、、、、」

スーツの男は笑顔で話しながら、僕のとなりのカウンター席に腰を下ろした

僕は、直感的に隣の男が、お慶さんの婚約者と気がついて、そーっとその客の顔を横目で覗き込んだ、、、

 

ビシッと決まったスーツ姿に整った髪、痩せ型で30代後半と思われるその男は、優しそうな笑顔でお慶さんを見つめていた、、、

 

「研二さん、何を飲まれます?」

「じゃあ、ワインを、、、グラスは二つね、、慶子さん、」

お慶さんは頬を赤くしながら、上品なワイングラスと、ボトルワインをカウンターに用意すると

「研二さん、どうぞ、、、、」

嬉しそうに、研二という男のもったグラスにワインを注いだ、、、

やがてお慶さんの持っていたワインボトルを研二という男が受け取ると、もう1つのグラスに注ぎはじめた

「さあ、慶子さん、乾杯しよう、、、、」

 

僕はそんな二人の様子を、真剣にながめてしまっていた、、、

 

「ん?、、、、」 

 

「あの、、、君、僕の顔に何か?、、」

突然隣の研二という男が僕に声をかけてきた、

 

「あ、、いや、何でもないです、、、」

 

「あ、、そうそう、研二さん、紹介するわ、昔、私がお世話になった方々なの、、、、」

お慶さんはそう言いながら、慌てて、カウンターで飲んでいる、高倉さんと銀二さん、それに僕達を紹介した、、

「あーー、そうだったんですが、はじめまして、、沢村です、、、、」

研二という男は、そう挨拶をしながら、ガラの悪い高倉さんたちに一瞬、、戸惑いの顔を見せた

 

「あの、、、高倉さん、実はこの沢村さんが先ほどお話した、、、、」

「おう、この人が、お慶ちゃんの、、、始めまして高倉です、、、」

高倉さんはカウンター越しに渋い笑顔で、お慶さんの婚約者、沢村研二に、軽く頭を下げた、、

「山崎銀二です、、、、」

「鉄です、、、、、、」

「あ、、、、は、はじめまして、、、、」

研二は高倉さんに続いて、銀二さん、更に不気味顔、関東一の鉄に挨拶を受け、さすがに動揺した様子だった

 

やがて研二の顔が僕の前で止まった、、、僕は、ユキちゃんと追島さんのことを思うと、どうしても気持ちの良い挨拶をすることが出来なかった、そんな僕に、研二が作り笑いを浮かべ挨拶をしてきた

「沢村です、、、、よろしく、、、、」

「あ、、一条です、、、、」

僕はぶっきらぼうにそう返事を返すと、研二から顔を背けて目の前のおしんこをほおばった、、

 

「研二さん、、、これ、研二さんでしょ、、、ありがとう、、」

お慶さんが恥ずかしそうにスイートピーの花束をかかえあげた、、

「え?、、、、」

 

「あれ、研二さんじゃなかったんですか?」

研二の反応にお慶さんはきょとんとした顔で首をかしげた、、

 

研二はスイートピーの小さな花束を見て

「ふん、、」

そう鼻で笑うと、

「君の晴れの門出だよ、、ははは、僕がそんなもの贈るわけないじゃないか、、、」

そう言いながら、足元に置いてあった紙袋をもちあげ、中から真っ赤な大きなバラの花束を取り出した

 

「慶子さん、、、、開店おめでとう、、、、コレが僕からのプレゼントだよ、、、」

 

「うわーー、す、すごい研二さん、高かったでしょ、、こんなに、、、、」

お慶さんは研二が差し出したバラの花束を嬉しそうに受け取った

「中に手紙入ってるから、、、、後で、、、ね、、」

研二はそう言いながら、まるで僕達を邪魔者といった表情でチラッと見た、、

 

(、、、、うっ!?、、)

高倉さんと銀二さんはその時、お風呂の感想会で夢中になっていて気がつかなかったが、僕はその一瞬見せた研二という男の目に、背筋が凍るような寒い何かを感じてしまった、、

 

(この男、、、、僕、、嫌いかも知れない、、、、、)

 

僕は、直感的にそんなことを考えながら、研二という男を横目で睨んでいた、、、

そしてその研二の先には、誰が贈ったのか、、謎を含んだピンクのスイートピーの花束が、優しくひっそりと咲いていたのだった、、、、

続き
第52話 めぐみちゃんへの秘密へ

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