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2008年9月18日 (木)

第59話 もう一人のめぐみちゃん

めぐみちゃんの純粋な僕への思い、やさしい勘違いからひとまず窮地を脱した僕は、銀二さんの隣で初のたこ焼きにチャレンジしていた、、、

「いいか、たこ焼きで一番大事なのは生地だ、、こいつの加減を間違えちまうと、まわりサクサク中まろやかーな、うめえたこ焼きは出来ねえんだからな、、、」

銀二さんはそう言うと、巨大なポリバケツのなかに、ざざーっと大量の小麦粉を入れ始めた、、、

「え、そんなところで作るんですか?、、、」

「おう、大量につかうからな、、、ほれ、そこの水ちょっとずつ入れてみ、、」

「あ、、はい、」

僕は大きなポリ缶に入った水をポリバケツの中に流し込んだ、、

 

「はじめにダマができねーように、こいつで、よーく混ぜるんだ、、」

銀二さんはそう言うと、大きなデンキドリルをとりだした

「えー、な、何ですかそれ?、、、」

「何ってこいつで混ぜるんだよ、、、」

「それって、工事現場のドリルでしょ、、、」

「バカ、先を良く見てみろ、、、、」

「あーー!?」

なんとドリルの先端には大きな泡立て器がついていたのだった、、

「すげえだろ、、親父さんに頼み込んでやっと買ってもらった、俺の秘密兵器だー!!」

 

ウィーーーン!!

 

銀二さんは大きなドリル式泡だて器のスイッチを入れると、嬉しそうに粉と水を混ぜ始めた、、、

「すごいですね、、、これ、、、」

「そうだろー、昔は手で混ぜてたからよ、、大変だったんだぞー、、、ほれ、、水、追加、、」

「あ、、はい、、、」

僕は慌てて抱えているポリ缶の水をドボドボと注いだ、、

銀二さんはしばらく生地を混ぜたあと、大きなひしゃくをつかって粉の柔らさを調べ、、、

「いいか、固すぎず、やわらかすぎず、、たこ焼きの生地はこんなもんだ、、見て覚えとけ、、、」

「はい、、、」

「おし、次は焼きだ、、、、」

出来上がった生地を奇妙なステンレス制の粉つぎという容器に入れ、すでに熱くなっているたこ焼き用の鉄板に油をぬり

「言いかー、見てろよー、、」

「はい、、」

ジューーーーーーー!

粉つぎを使って、たこ焼きの鉄板前面に生地を流し込むと、すばやい手つきで、たこ、てんかす、刻みしょうがをすべての穴に落とし入れた、、、

「すごい、、、早業だ、、、、」

「早業って、俺を誰だと思ってんだ、、、たこ焼き焼かせたら関東でも五本の指に入る、銀二様だぞー!」

「関東で5本ですか?、、、」

「おう、いいか見てろよ、、」

銀二さんは嬉しそうに両手にキリを握ると、

「あほい、ほい、ほい、ほほほい、ほーい」

それは見事に二つづつのたこ焼きをくるくると返していったのだった、、、

 

「す、、、すごすぎる、、同時に二つずつなんて、、、、」

「ほれ、吉宗お前もやってみろ、、」

そう言ってキリを僕に手渡すと、三寸にぶら下がっていたタオルで、額の汗をふきながら微笑んだ、、、

「それじゃ、、、、」

僕は自信満々に、たこ焼きをひっくり返しにかかった、、ところが、、、

「よ、、は、、、、あれ、あれれ、?」

たこ焼きはひっくり返るどころか、穴の中ででんと居座って動こうとしない、みるみるうちに他のたこ焼きもコゲ初めてきたのだ、、、

「あーあ、お前、たこ焼きになめられちまってるじゃねーか、ははは、、、」

「でも、、これって、難しくって、、、あれれ、、、」

「ははは、このままじゃ商売になりゃしねーや、お前そっちの一列で練習しとけ、、、」

銀二さんは笑いながら別のキリをつかって、焦げかかっているたこ焼きをひっくり返しはじめた、、、

(タコ焼きがこんなjに難しいものだなんて、、、)

僕は改めて銀二さんを尊敬のまなざしで見つめた、、、、

 

「ほら、よそ見してないで、どんどんひっくり返さないと、たこ焼き焦げちゃうよ、吉宗くん、、」

「え?、、」

見ると、隣で金魚すくいの準備をすませためぐみちゃんが、楽しそうにこっちを見て微笑んでいた、、、

 

「めぐみちゃん、、、ははは、、」

僕は水槽の前でかわいらしく、ちょこんと座って僕を見ているめぐみちゃんに、思わずポッとほほを染めた、、、、

(あー、やっぱりめぐみちゃんって、可愛くて、上品で、優しくて、、最高だな~heart04 )

 

「あーーー、バカー、焦げてるっての!!」

「あー、しまったーー!!」

銀二さんの声にあわてて鉄板を見ると、僕の担当したタコ焼きはぶすぶすと黒い煙をだしていた、、、

「まったく、1列無駄にしやがって、、、お前の今日の晩飯はそれだ、、、」

「えーーーー」

僕は真黒になってボロボロのたこ焼きを眺めて、渋い顔をうかべていた、、、

 

「さあ、らっしゃい、らっしゃいーーー」

 

境内に、他のテキヤさんによる大きな声が響き始めた

あたりを見渡すと、僕たちの回りはすでに参拝客でにぎわいはじめていた、

 

「ほれ、吉宗、お前もしっかり声だせ、、、、」

 

「はい、、」

 

「さあ、、、いらっしゃい、いらっしゃいーーー、大だこ入りたこ焼き、おいしいですよー!いらっしゃい、いらっしゃいーーーー!」

「おう吉宗、お前の客寄せもなかなか良くなってきたじゃねーか、、」

「うんうん、すごいすごい、、、吉宗くんって順応性が早いんだね、、、、」

隣のめぐみちゃんも微笑んで僕を見た後、、、、

「さあ、私も、がんばらないとね、、、、」

 

「いらっしゃいませーー、金魚すくい一回二百円ですよー、いらっしゃいませーーー」

可愛い声で客寄せをはじめた、、

 

「おい、あの金魚すくいの子、まじ可愛くねーー、、、」

「おー、まじ可愛いじゃんか、、」

そんなめぐみちゃんの事を見た、数人のチャラチャラした男達が、彼女のもと近づいてきた 

「いらっしゃいませーーー、金魚すくい、一回二百円ですよー、どうですか?、、」

「ねえねえ、一回やっていくからさ、終わったらデートしてくれない?」

「えーー!?」

「彼女、まじ可愛いじゃん、惚れちゃったんだよね、俺ら、、、」

男達はめぐみちゃんの前に座りこんで、ニヤニヤしながら話し始めた、、、

 

(むおーー、何だこいつらは、、、、)

僕はめぐみちゃんの前の男達をむっとしながら見た、、、

「何よそ見してんだー、ほら出来たたこ焼きどんどんパックにつめろっての、、」

「あ、、、はい、、、」

銀二さんに怒られて、僕は隣のめぐみちゃんを横目に、慌ててたこ焼きを詰め始めた

 

「ねえねえ、彼女、、、いいじゃんか、、デートしてくれたら、俺たち三人で金魚すくいやってやるぜ、、、」

チャラチャラした男達は千円札をちらつかせながら、めぐみちゃんへのちょっかいをエスカレートさせはじめていた、、、

 

(あ、、、あいつらーーーーー)

僕は、たこ焼きのパック詰めをしながら、イライラ顔でめぐみちゃんの方を見ていた、、、

「おい、、吉宗!!」

「吉宗、ほら、お客さんだぞ、、、お客さん、、、」

「あー!?」

気がつくと僕の目の前に、一人のおばさんが立っていた、、

「す、すいません、500円です、、」

僕は慌てて手にしていたたこ焼きを、目の前のお客さんに差し出した、、、

「あらーー、こんなにいっぱい?お兄さん気前がいいわねーー」 

「え?」 

気がつくと、お客さんが手にしているパックには、たこ焼きが山のように積み上げられていた、、、

「あーーーーー!?」

お客さんは嬉しそうに500円を支払うと、山のようなたこ焼きを抱えて去っていった、、、

 

「ばかー、この、、うちは8個で500円だぞ、、、今のはその三倍はあっただろーが、、、」

「すいません銀二さん、、、」

そういって謝りながらも、僕はとなりのめぐみちゃんが気になって仕方なかった、、

「ん?、、、何だお前、、、」

銀二さんは僕の目線の先、めぐみちゃんの様子に気がついて、ニヤッと笑うと

「なんだ、、やけに落ちつかねーと思ったらそういうことか、、、」

「は、、はい、、、、」

「だったら、心配いらねーよ、、、、」

「え、、、でも、、、、」

僕は銀二さんにそう言われながらも不安いっぱいにめぐみちゃんの様子を見つめた、、、

 

「なあなあ、、彼女、、、デートぐらいいいだろ、、なあ、、、」

「、、何だったらこれ10回くらいやってやってもいいんだぜ、、、、、」

チャラ男たちはしつこく、めぐみちゃんをくどきはじめていた、、

ところが突然、 

「お兄さんたち、、残念だけど私あんたらとデートするほど、悪趣味じゃないんだよね、、、」

今まで黙っていためぐみちゃんが、きっと恐い顔で言葉を発したのだ、、

 

「悪趣味?、、、、、悪趣味ってなんだよ、、俺達は客だぞ、客、、、」

「客、客って、銭ちらつかせて、そんなのは客って言わないんだよ、、、商売のじゃまだ、ガキは飴でもしゃぶってとっとと帰りな!!」

 

「な、、、、なんだと、、」

 

「よう、あんちゃんたち、、あたしのこと、あんま甘く見んじゃないよ、、、、」

めぐみちゃんはそう言うと、突然今までの可愛い顔から一変して、鬼のような形相でチャラ男たちを見渡した、、、、

Onimegumi  

「う、、、あ、、、、、」

チャラ男たちはめぐみちゃんの迫力に押されて、そのまま言葉を失ってしまった、、、 

「ほら、金魚すくい、やるのか?やらないのか?、、はっきりして頂戴、そんなところで雁首そろえて座られてたんじゃ、商売のじゃまなんだよ、、、」 

「あ、、、すいません、じゃあ、一回ずつ、、、」

チャラ男たちはそういうと持っていた千円札をめぐみちゃんに手渡した、、、

その直後、今まで鬼のような形相だっためぐみちゃんが一変して、もとの可愛い彼女に、、

「ありがとうございますーー、それじゃ3名様で、600円になりますー」

声まで元のキャピキャピ声に戻っていたのだった、、、

 

(えー、、、なに?、、、何だったの今のめぐみちゃん、、、、?)

僕は今起こった出来事に、すっかり言葉をうしなってしまった、、、

 

「な、、、だから大丈夫だって言っただろ、、吉宗、、、、」

銀二さんは嬉しそうに笑うと、再びたこ焼きを作り始めた、、、、

 

(え?、、、え?、、、今のめぐみちゃんって?、、、、えーーーー?)

僕は額から脂汗を流しながら再び彼女の様子をみつめた、、

しかしそこには、いつもの可愛いめぐみちゃんが優しい笑顔で座っているだけだった、、、

(めぐみちゃんが、、、めぐみちゃんが、、)

僕は思考回路をめちゃめちゃにしながら、じっと彼女を見つめていたのだったのだったった、、、 

続き
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イラストは近日更新しますcoldsweats01

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第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

おっnoteめぐみちゃん、おっとこ前やな~lovely
吉宗くん一本取られちゃいましたね~( ´艸`)プププ
って言うか、吉宗くんには刺激が強すぎたみたぃやネ
┐(´д`)┌ヤレヤレ
立ち直れるかsign02吉宗sign03


ちなみに~、関西人のゎたくしは~、たこ焼きは~、
得意中の得意で~、ござぃます~( ̄ー ̄)ニヤリ

投稿: けんさぁ | 2008年9月18日 (木) 11時38分

フフフ・・(^-^)
めぐみちゃん、チャラ男たちにくどかれて、てっきり「いやん、困ったわ~」ってなるのかと思いきや、お見事です~♪
っていうか、けっこう強い女の子なんですね!

それにしても、前回の話で、そー○のお姉さんたちを、飲み屋のお姉さんたちと勘違いして、これから後で真実がわかっちゃうのか、それともこのまま?・・・どっちかな??

投稿: みゅうー | 2008年9月18日 (木) 14時52分

けんさぁさん
そうかー関西の方はみなさんたこ焼き得意なんですねdelicious
近くのお好み焼きやさんでたこ焼きも自分で焼くところがあるのですが、一度チャレンジしたら、ひっくり返せなくて苦労しましたcoldsweats01
挙句に周りを焼きすぎて、ガチガチのたこ焼き、子供達から大ブーイングでした^^

めぐちゃんがこんな恐い一面を見せるなんて、書いてる私もびっくりヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
吉宗君けんさぁさんの予想どおり立ち直れないかもsmile

投稿: 光一郎 | 2008年9月18日 (木) 16時42分

みゅうーさん、こんにちわー

本当はめぐみちゃんが「いやん助けてー」で吉宗君が助けに、、、そんなことを頭に画いていたのに、書き進めていくうちに、新たなめぐみちゃんの一面が、、coldsweats02
行き当たりばったりの小説なので、これからどうなることやら検討もつきません

めぐみちゃんの勘違い、そのままでは済まないでしょうね、
私が思うには最高のシチュエーションでばれてしまうような、、、さあ、それはいったい、、、coldsweats01
お楽しみにーーーー~(°°;)))オロオロ(((;°°)~

投稿: 光一郎 | 2008年9月18日 (木) 16時47分

めぐみちゃん、いーねー♪
仲良くなれそーだわw
そーいうギャップのある女子って魅力的?と思うのは
ワタシだけ?w

投稿: | 2008年9月18日 (木) 17時28分

庵さん

めぐみちゃんもゆりちゃんに負けない、ガツンと一撃やってくれたねー^^
書いていてまさかの展開、これからどう収集をつけたらよいのか、参ってます~(°°;)))オロオロ(((;°°)~

まあ、なるようになるでしょ、、

先ほど新作読ませてもらいましたよー、さすがはゆりさんだ、、、やってくれましたなーうんうんcoldsweats01

投稿: 光一郎 | 2008年9月19日 (金) 11時29分

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