第68話 めぐみちゃんの思い&三波とマライアさん
「三波君、、、、ところでさっきのことだけど、、、、」
「はい?」
「ほら、さっきあのテキヤの男が言っていた、マライア?、、、だったか、君、覚えがあるのか?」
「マライア、、ですか?、、、、ふふ、、、」
保育園に戻る道すがら、沢村の問いに、イケメン三波はさめた顔で笑った、、、
「覚えがあるのかって、副園長あんたもよーく知ってる女ですよ、、、、、」
「私が知ってる?」
「知ってるどころか、さんざん世話になった女でしょ、、、」
「、も、もしや、、、」
「横浜の保育園に勤めてた時の俺の元彼女、真里絵、覚えてるでしょ、、、あんたと俺が知り合うきっかけだったかな、、、はは、」
「真里絵!?、、、、、、、、、」
沢村は驚いた顔で三波を見た、、、、
「しかし、世間は狭いっていうか、まさかあんなところで、俺が始めてコマシタ女の名前がでてくるとは、、、」
「マライアっていうのか、、真里絵ちゃん、、、」
「ああ、川崎じゃちょっと有名らしいよ、、、、それにしても真里絵には、マジいい思いさせてもらったなー、スタイルも抜群だったし、たっぷり金も貢いでもらったしよ、、、、はは、、」
「、、まったく、根っからの悪だな、、、君は、、、」
「悪?、、、、」
「沢村さん、その悪の女相手に、あんたも、さんざんいい思いさせてもらったんだろ、援助何とかってやつでよ、、」
「み、三波君、、そ、、その話は、、、、、、」
「ははは、分かった分かった、今のあんたには人に知られたくない、過去の話しだよな、、、」
三波は沢村の困った顔を見てにやけた後、ふっと氷のような目で
「それにしても、あのたこ焼きやのガキ、、、人に恥かかせやがって、、、絶対にただじゃすまさねー、、、、」
ぎりぎりと歯がみしながら遠くを見つめた、、
そのころ、僕たちは祭りの終わった境内で、後片付けをしていた、
「あ、、めぐみちゃん、それ重いから、、、」
僕はめぐみちゃんから赤タン道具の木箱を受け取ると、車に向かって歩き始めた
「疲れたねー、吉宗くん、、、、」
「うん、、、忙しかったからね、、、」
「そうだね、、、、それにいろいろあったしね、、、」
めぐみちゃんは隣を歩きながら、意味深な表情で僕の顔を覗き込んだ
「ねえ、、、吉宗くん、、、」
「え?、、」
「さっきは、何であんなに怒ったりしたの?」
「、、、、そ、それが、僕にも、、、ただあの三波って人が許せない、、そう思った瞬間勝手にあんな怖いことを、、、」
「優しい吉宗くんが、あんなに大声で怒鳴ったりして、びっくりしちゃったよ、、」
「うん、ごめんね、、僕も、すごく反省してるんだ、、本当にごめん、、、」
「ううん、、、」
めぐみちゃんは、そっと首を振ると、しばらくだまって何か考え事をしていた、、、
僕はそんな彼女をどきどきしながら、横目でちらちらと見ていた、
「ねえ、吉宗くん、、、、」
「は、、はい!」
「マライアさんって綺麗な人のことだけど、、、、」
「えっ!?、、、、、」
「あの人って、、、」
「、、、?、、」
僕は額に青筋をたらしながらめぐみちゃんを見た、しかし、彼女はそれからしばらく無言で何か不安そうな表情をうかべながら歩いていた、、
「あ、、あの、めぐみちゃん?、、ま、マライアさんがいったい、、、」
僕はたまらずそう尋ねた、しかしめぐみちゃんは
「えっ?、、あ、、ううん、何でもない、、、、」
うつむきながら、つぶやいた、
「、、、、、、、」
(めぐみちゃん、、ご、ごめん、ごめん、、)
僕は心の中で何度も謝り続けていた、、、、
そんな僕にめぐみちゃんが、
「あの、、吉宗くん、、、、」
「え?、、、、」
「あの、、、私、、」
「、、、、、、」
「、、、信じて、、るからね、、、、」
小さな声でそっとつぶやいた、
「え?、何?、、、」
「ううん、、何でもない、、、、、」
「ど、、どうしたの、今なんて言ったの?、、、」
「何でもない、、何でもない、、、、」
めぐみちゃんはにっこり笑いながら両手を横に振った
「変だな、、、、どうしたんだい?、、、、、」
「ううん、、本当に何でもない、、、それより吉宗くん、今日これから時間あるかな?、、、」
「時間?仕事も終わったし、後は会社に帰るだけだけど、、、、」
「それじゃ、片付け終わってから、お慶さんのお店行ってみない?、、、、」
「お慶さんの店?、、、」
「うん、、、、」
「別にかまわないけど、、、」
(、、、って、、そう言えば、お慶さんの店って、、風俗のお店が立ち並ぶ、、あの堀之内の中、おまけにハメリカンナイトのすぐ近く、、)
そう思ったとき、ふっと嫌な予感が僕の背中に走った、、、、
「よかった、久しぶりにお慶さんに会ってみたいし、ユキちゃんの事とか、いろいろ話したいことがあるし、、ね、、、」
めぐみちゃんはそう言うと、僕の不安の心をよそに、いつもの可愛い笑顔でニッコリ微笑んだのだった、、、、、
イケメン三波、そして春菜先生が勤める、ひばり保育園は、夜の仕事をもったお母さん達のために、夜間保育の子供たちも預かっていた、
三波と沢村が園に戻ったとき、中では小さな子供達の楽しそうな笑い声が響いていた
「園長、ただいま戻りましたー」
三波が教室のドアをあけると、数名の園児が長い髪を後ろで結んだ大柄な男の背中にまたがって、うれしそうにはしゃいでいた、、
「さ、、西条さん!?」
三波の言葉に、子供達の下にいたその大柄な男が振り返った、、、、
「おーう、こらあ、三波くん、久しぶりやのう!ははははー!」
「な、何やってるんですか、、、ほら、みんなお客さんだぞ、お、降りなさい、、」
「えー三波先生ー、もっと怪獣のおじちゃんと遊びたいよー」
「そうだよー、まだ怪獣ごっこの途中なんだよー」
「ほら、我がまま言わないで、、、、」
三波は困った顔で西条を見た
「はははは、ええわ、ええわ、、、わいも久しぶり、こまいころに戻ったみたいで、楽しませてもらってるんや、、、、」
「で、でも、西条さん、、、」
「何や、沢村はんまで、気にせんとってやーー、、、、ほれー次は仮面ライダーごっこやでー!おっちゃん、ショッカーやったるから、みんなライダーや!、ははははー」
西条と呼ばれるその男は、楽しそうに笑いながら子供達と遊び始めた、、、
「おかえりなさい、研二さん、、、、、」
沢村と三波の後ろから初老の女性が声をかけた、、
「あ、、姉さん、、、」
「西条さん、でしたね、研二さんのお友達、、さっきからずーっと子供達と遊んで下さってるんですよ、、、」
「はあ、、、、」
「お優しい方なんですね、あの方、、、、」
沢村が姉さんと呼ぶ初老の女性は、ひばり保育園の園長だった、彼女lはにっこり微笑むと、手にしていたお菓子をそっとテーブルの上に置いた、、、、
「はーい、みんな、おやつの時間ですよーー」
園長の言葉に子供達は、西条の背中から飛び降り、一目散にテーブルに集まってきた、、
「何やー、みんな、怪獣のおっちゃんよりおやつかいな、、はははー、しっかりした子供達やのう、、」
西条は笑いながら立ち上がると、沢村と三波のそばへ歩み寄った、、、
「ご、ごぶさたしてます西条さん!!」
三波が深々と頭をさげた、
「どや、、、あんさんも、仕事がんばっとるかー、はははは、、、」
「あ、、はい、、、」
「ほうか、ほうか、、、そらあ、ええこっちゃー」
西条は大声で笑いながら、三波の背中をポンッと叩いた、、、、
「あの、西条さん、こんな所では何ですから、、ちょっと別の場所に、、、」
「何やー、沢村はん、ワイはここで話ししてもええんやがな、、、、」
「いや、、あの、ここでは、、、」
「ほうか、ほいたら、外で茶でもしに行こうか、、、、」
西条は大声でそう言うと、おやつを食べている園児に声をかけた、
「おーい、お前らー、また遊ぼうなー!」
「怪獣のおじちゃん、また来てねー、、、」
「ばいばい、おじちゃーん!」
「おう、みんな好き嫌いせんと、いっぱい食べて大きくなるんやでー!」
「西条さんでしたはね、、いろいろ子供たちがお世話になって、、ありがとうございました、、、」
子供たちの隣で園長が深々と頭をさげた、、、
「いやいや、、、ワイも楽しませてもらいましたわ、、ほいたら、園長先生、、、また来ますわー、、ははは、、」
西条はそう言うと、明るい声で笑いながら、教室の外へ沢村たちと共に出て行った
「あ、、、あの西条さん、、、」
保育園の門を出たところで、沢村がふるえながら西条の背中に声をかけた、、、、
「何や、沢村はん、、、」
「あ、、あの今日は突然、ど、どういったおもむきで?、、、、」
「どういったおもむき?、、、、」
西条は立ち止まると、今までの笑顔とは打って変わった、恐ろしい蛇のような顔で沢村を睨み据えた、、、、
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