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2008年11月

2008年11月28日 (金)

第68話 めぐみちゃんの思い&三波とマライアさん

「三波君、、、、ところでさっきのことだけど、、、、」

「はい?」

「ほら、さっきあのテキヤの男が言っていた、マライア?、、、だったか、君、覚えがあるのか?」

「マライア、、ですか?、、、、ふふ、、、」

保育園に戻る道すがら、沢村の問いに、イケメン三波はさめた顔で笑った、、、

「覚えがあるのかって、副園長あんたもよーく知ってる女ですよ、、、、、」

「私が知ってる?」

「知ってるどころか、さんざん世話になった女でしょ、、、」

「、も、もしや、、、」

「横浜の保育園に勤めてた時の俺の元彼女、真里絵、覚えてるでしょ、、、あんたと俺が知り合うきっかけだったかな、、、はは、」

「真里絵!?、、、、、、、、、」

沢村は驚いた顔で三波を見た、、、、

 

「しかし、世間は狭いっていうか、まさかあんなところで、俺が始めてコマシタ女の名前がでてくるとは、、、」

「マライアっていうのか、、真里絵ちゃん、、、」

「ああ、川崎じゃちょっと有名らしいよ、、、、それにしても真里絵には、マジいい思いさせてもらったなー、スタイルも抜群だったし、たっぷり金も貢いでもらったしよ、、、、はは、、」

「、、まったく、根っからの悪だな、、、君は、、、」

「悪?、、、、」

「沢村さん、その悪の女相手に、あんたも、さんざんいい思いさせてもらったんだろ、援助何とかってやつでよ、、」

「み、三波君、、そ、、その話は、、、、、、」

「ははは、分かった分かった、今のあんたには人に知られたくない、過去の話しだよな、、、」

三波は沢村の困った顔を見てにやけた後、ふっと氷のような目で

「それにしても、あのたこ焼きやのガキ、、、人に恥かかせやがって、、、絶対にただじゃすまさねー、、、、」

ぎりぎりと歯がみしながら遠くを見つめた、、

 

 

そのころ、僕たちは祭りの終わった境内で、後片付けをしていた、

「あ、、めぐみちゃん、それ重いから、、、」

僕はめぐみちゃんから赤タン道具の木箱を受け取ると、車に向かって歩き始めた

「疲れたねー、吉宗くん、、、、」

「うん、、、忙しかったからね、、、」

「そうだね、、、、それにいろいろあったしね、、、」

めぐみちゃんは隣を歩きながら、意味深な表情で僕の顔を覗き込んだ

 

「ねえ、、、吉宗くん、、、」

「え?、、」

「さっきは、何であんなに怒ったりしたの?」

「、、、、そ、それが、僕にも、、、ただあの三波って人が許せない、、そう思った瞬間勝手にあんな怖いことを、、、」

「優しい吉宗くんが、あんなに大声で怒鳴ったりして、びっくりしちゃったよ、、」

「うん、ごめんね、、僕も、すごく反省してるんだ、、本当にごめん、、、」

「ううん、、、」

めぐみちゃんは、そっと首を振ると、しばらくだまって何か考え事をしていた、、、

僕はそんな彼女をどきどきしながら、横目でちらちらと見ていた、

 

「ねえ、吉宗くん、、、、」

「は、、はい!」

「マライアさんって綺麗な人のことだけど、、、、」

「えっ!?、、、、、」

「あの人って、、、」

「、、、?、、」

僕は額に青筋をたらしながらめぐみちゃんを見た、しかし、彼女はそれからしばらく無言で何か不安そうな表情をうかべながら歩いていた、、

「あ、、あの、めぐみちゃん?、、ま、マライアさんがいったい、、、」

僕はたまらずそう尋ねた、しかしめぐみちゃんは

「えっ?、、あ、、ううん、何でもない、、、、」

うつむきながら、つぶやいた、

「、、、、、、、」

(めぐみちゃん、、ご、ごめん、ごめん、、)

僕は心の中で何度も謝り続けていた、、、、

そんな僕にめぐみちゃんが、

「あの、、吉宗くん、、、、」

「え?、、、、」

「あの、、、私、、」

「、、、、、、」

  

「、、、信じて、、るからね、、、、」

小さな声でそっとつぶやいた、

 

「え?、何?、、、」

 

「ううん、、何でもない、、、、、」 

「ど、、どうしたの、今なんて言ったの?、、、」 

「何でもない、、何でもない、、、、」

めぐみちゃんはにっこり笑いながら両手を横に振った

「変だな、、、、どうしたんだい?、、、、、」

「ううん、、本当に何でもない、、、それより吉宗くん、今日これから時間あるかな?、、、」

「時間?仕事も終わったし、後は会社に帰るだけだけど、、、、」

「それじゃ、片付け終わってから、お慶さんのお店行ってみない?、、、、」

「お慶さんの店?、、、」

「うん、、、、」

「別にかまわないけど、、、」

(、、、って、、そう言えば、お慶さんの店って、、風俗のお店が立ち並ぶ、、あの堀之内の中、おまけにハメリカンナイトのすぐ近く、、)

そう思ったとき、ふっと嫌な予感が僕の背中に走った、、、、

「よかった、久しぶりにお慶さんに会ってみたいし、ユキちゃんの事とか、いろいろ話したいことがあるし、、ね、、、」

めぐみちゃんはそう言うと、僕の不安の心をよそに、いつもの可愛い笑顔でニッコリ微笑んだのだった、、、、、

 

 

  

イケメン三波、そして春菜先生が勤める、ひばり保育園は、夜の仕事をもったお母さん達のために、夜間保育の子供たちも預かっていた、

三波と沢村が園に戻ったとき、中では小さな子供達の楽しそうな笑い声が響いていた

「園長、ただいま戻りましたー」

三波が教室のドアをあけると、数名の園児が長い髪を後ろで結んだ大柄な男の背中にまたがって、うれしそうにはしゃいでいた、、

 

「さ、、西条さん!?」

 

三波の言葉に、子供達の下にいたその大柄な男が振り返った、、、、

「おーう、こらあ、三波くん、久しぶりやのう!ははははー!」

「な、何やってるんですか、、、ほら、みんなお客さんだぞ、お、降りなさい、、」

「えー三波先生ー、もっと怪獣のおじちゃんと遊びたいよー」

「そうだよー、まだ怪獣ごっこの途中なんだよー」

「ほら、我がまま言わないで、、、、」

三波は困った顔で西条を見た

 

「はははは、ええわ、ええわ、、、わいも久しぶり、こまいころに戻ったみたいで、楽しませてもらってるんや、、、、」

「で、でも、西条さん、、、」

「何や、沢村はんまで、気にせんとってやーー、、、、ほれー次は仮面ライダーごっこやでー!おっちゃん、ショッカーやったるから、みんなライダーや!、ははははー」

西条と呼ばれるその男は、楽しそうに笑いながら子供達と遊び始めた、、、

  

「おかえりなさい、研二さん、、、、、」

沢村と三波の後ろから初老の女性が声をかけた、、

「あ、、姉さん、、、」

「西条さん、でしたね、研二さんのお友達、、さっきからずーっと子供達と遊んで下さってるんですよ、、、」

「はあ、、、、」

 

「お優しい方なんですね、あの方、、、、」

沢村が姉さんと呼ぶ初老の女性は、ひばり保育園の園長だった、彼女lはにっこり微笑むと、手にしていたお菓子をそっとテーブルの上に置いた、、、、

「はーい、みんな、おやつの時間ですよーー」

園長の言葉に子供達は、西条の背中から飛び降り、一目散にテーブルに集まってきた、、

「何やー、みんな、怪獣のおっちゃんよりおやつかいな、、はははー、しっかりした子供達やのう、、」

西条は笑いながら立ち上がると、沢村と三波のそばへ歩み寄った、、、

 

「ご、ごぶさたしてます西条さん!!」

三波が深々と頭をさげた、

「どや、、、あんさんも、仕事がんばっとるかー、はははは、、、」

「あ、、はい、、、」

「ほうか、ほうか、、、そらあ、ええこっちゃー」

西条は大声で笑いながら、三波の背中をポンッと叩いた、、、、

 

「あの、西条さん、こんな所では何ですから、、ちょっと別の場所に、、、」

「何やー、沢村はん、ワイはここで話ししてもええんやがな、、、、」

「いや、、あの、ここでは、、、」

「ほうか、ほいたら、外で茶でもしに行こうか、、、、」

西条は大声でそう言うと、おやつを食べている園児に声をかけた、

「おーい、お前らー、また遊ぼうなー!」

「怪獣のおじちゃん、また来てねー、、、」

「ばいばい、おじちゃーん!」

「おう、みんな好き嫌いせんと、いっぱい食べて大きくなるんやでー!」

「西条さんでしたはね、、いろいろ子供たちがお世話になって、、ありがとうございました、、、」

子供たちの隣で園長が深々と頭をさげた、、、

「いやいや、、、ワイも楽しませてもらいましたわ、、ほいたら、園長先生、、、また来ますわー、、ははは、、」

西条はそう言うと、明るい声で笑いながら、教室の外へ沢村たちと共に出て行った

 

「あ、、、あの西条さん、、、」

保育園の門を出たところで、沢村がふるえながら西条の背中に声をかけた、、、、

「何や、沢村はん、、、」

「あ、、あの今日は突然、ど、どういったおもむきで?、、、、」

 

「どういったおもむき?、、、、」 

西条は立ち止まると、今までの笑顔とは打って変わった、恐ろしい蛇のような顔で沢村を睨み据えた、、、、

続き
第69話 悪鬼、西条竜一!!へ

イラストカットは近日更新しまーす^^

Megulank

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2008年11月20日 (木)

イラストやっとこさアップしました^^

吉宗君のイラスト、第64話から67話の最新話までアップしましたー

今日は会社で一人だったので、仕事の合間にせっせと下書きとペン入れ、会社のパソコンがぶっ壊れていることから、イラストレータによる彩色は自宅で、子供たちが寝静まってから、、、けっこうこたえました、、、、

それでも、みなさんに楽しく読んでもらえれば、ちっとも苦じゃないのですよーーーだ

というわけで描き下ろしイラストちょっとだけ紹介します

第何話で使われているかは、本編でお楽しみくださいね、、、

Kawaiimegu_2

Ikemen23

Waru

Oisan1

仕事をしながら&ちびたちが寝しずまってからで合計9枚のイラストが完成

今日は新作のアップも含めて、ちょっとだけ頑張ってしまいました。。。。

さてさて、これから第一幕のクライマックスへ突入、、どうぞお楽しみにーーー

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2008年11月19日 (水)

第67話 男、追島!哀愁の背中、、、

「追島さん!?」

僕は思わず叫んだ、、、

「何だ吉宗、急にでっけえ声だして?、、、それに何やってんだお前ら?、、、」

追島さんは不思議そうにあたりを見渡し、春菜先生に目をとめた

「あれ、、あんた確かユキの先生、、、」

「あ、はい、、、こんばんわ、、、、」

春菜先生はあわてて頭を下げた

追島さんは照れくさそうに頭をかきながら

「いや、、昨日はすいませんでした、、、、恥ずかしいところ見せちまって、、」

そう言ってキョロキョロあたりを見た、

Oisan1

春菜先生は追島さんのようすに

「あの、ユキちゃんですか?、、、」

「え、、あ、いや、、」

「すいません、ユキちゃん、夜間保育中なんですけど、昨日の事があったもので園でお留守番なんです、、、」

「そ、、そうですか、、」

追島さんは少しさみしそうにうなずいた、、、

 

そんな追島さんと春菜先生の様子を見ていた沢村が

「あの、、春菜先生、、、」

「あ、、副園長、、」

「こちらがユキちゃんのお父さん、、、、ですか?、、、、」

「はい、、、追島さん、ご紹介します、あの、うちの副園長で、、、、」

春菜先生がそう言いかけた時、

「副園長?、、、、それじゃ沢村さん、、、、ですか?、、」

追島さんがぼそっと呟いた、、

「え?、、あの、どうして私の名前を?、、、、、」

「ユキから電話で聞いたもので、、、、」

「そ、それじゃ、私と慶さんの事も?、、、」

「はい、少しだけですが、それも、ユキから、、、、」

追島さんはそう言いながら寂しそうにうなずいた、、、

 

(お、、、追島さん、、、、、)

僕は追島さんと沢村研二の様子を無言で見詰めながら、ふっと昨夜喫茶慶の近くで見た追島さんの後姿を思い出した、、、、

(そ、そんな、、それじゃ、、、追島さんは、すべて知ってて、こっそりあの花束を、、、、)

「お、、追島しぁん、、、、うぐ、、、」

気がつくと僕の眼には大量の涙があふれかえっていた、、、

Oisan2  

「ユキちゃんから聞いて、ご存じだったなんて、、いや、、それじゃ話は早いですね、、、」

沢村はそう言うと同時に笑顔で頭を下げた、、、

「近々、ユキちゃんの父親にならせていただこうと思ってます、沢村です、、、はじめまして、、、、」

「あ、、、はあ、追島です、、はじめまして、、、」

「実は、こちらの春菜先生から、昨日のこと伺いまして、今日もこちらに来れば、あなたにお会いできるんじゃないかって、そう思いまして、、、」

「私にですか?、、、、」

「はい、、、お会いして、私と慶さんの事を許していただこうと思っていました、、」

「許し?、、、、」

追島さんは不思議そうな顔で

「何で俺なんかの許しをもらう必要があるんですか?、、、俺はもうあいつとは赤の他人なんですよ?、、、、」

「いえ、それでも追島さん、あなたはユキちゃんのお父さんですから、、、」

「、、、、、、、、」

追島さんは無言で沢村の顔を見た、、、

 

「ユキは確かに俺の娘ですが、、、、でも、もう会わない、慶と約束してますし、、、だからあんたが俺に気を使うことないでしょう、、、、」

「本当にそうですか?、、、」

「ええ、俺が口をはさむことでもなんでもない、、、、、」

追島さんはつぶやくと、さっと横を向いて持っていたジュースを銀二さんに手渡した、、、

 

「あの、、追島さん、、それじゃ、お願いがあるんですが、、」

沢村の問いかけに追島さんは無言で振り返った、、、

「ユキちゃんと、今後一切、かかわらないで頂きたいんです、、、、」

「、、、、!?」

「電話も、しないでもらいたいんです、、、」

「、、、、、、、、」

追島さんは不機嫌そうな顔で沢村の顔を見ていた、、、

 

「ちょっとーー!沢村しゃんー!それはひどいらーーーー!」

たまらず僕は涙と鼻水をたらしながら叫んだ、沢村はふっと僕を見ると

「何がひどいんですか?、、、、慶さんとの約束を破ってこっそり連絡を取り合っている方が、よっぽどひどいんじゃありませんか?」

「それでも、ユキちゃんは追島さんの事が大好きなんれすよー、それなのにー、それなのにー、、、」

「私もそう思います!ユキちゃんの気持ちを無視して、ひどすぎると思います!」

「、、めぐみちゃん、、、」

気がつくとめぐみちゃんも僕の隣で沢村に訴えていた、、、、

 

「あなたたちは関係ない、これは私と追島さんの問題です!」

「関係ないって、、、あんたー!」

 

「吉宗!!」 

「!?」

 

「この人の言う通りだ、、、、お前には関係ない、、、、」

「でも追島さん、、、」

「そうですよ、、追島さん、それじゃ、ユキちゃんが、、、」

「めぐみちゃん、、、」

追島さんは、めぐみちゃんの言葉の続きをさえぎった

 

「それじゃ、、わかって下さったんですね、追島さん、、、、ユキちゃんとはこんりんざい電話もしないって、、、、」

沢村は得意の氷のような目で笑った、、、

追島さんはそんな沢村の顔をしばらくじーっと見つめたあと、おもむろに胸ポケットから煙草を取り出し火をつけた、、、

「追島さん、、、、ユキちゃんとは、、、、」

「フーーーー!」

  

「お、追島さん、、、、」

 

「沢村さんだったっけか、、、悪いけど、そいつはあんたと約束することじゃねーだろ、、、、」

「え!?」

「慶と別れるとき、そのことに関しちゃ、話しは済んでるんだ、、今更あんたと約束することじゃねえよ、、、、」

「そ、、そんな、、、」

「、、、、、、、、、、、」

「お、追島さん、、、、」

「、、、、、、、、、、、」

追島さんは、しばらく沢村を見ながら煙草を吸い続けていた、、、

無言の迫力に押されたのか、沢村は青ざめた顔でカタカタと震えはじめた、、、、

Oisann3

そんな沈黙の後、突然追島さんが、口を開いた、、

「あんたと約束することじゃねえがよ、ユキのことで、あんたと慶の間をかき回す気もさらさらねえから、安心しなよ、、、、」

「あ、、、、はい、、、」

沢村はカタカタと震えながらうなずいた、、、

「それじゃ、、悪いけど仕事の途中なんで、、、、、」

追島さんはぼそっとつぶやくと、春菜先生に対して丁寧に頭を下げた、それから、その隣にいたイケメン三波に目を移すと、一瞬ぴくっと片方の眉を吊り上げた、、、

「ん、、、?」

「え!?、あっ、、、、」

三波はあわてて下を向いた、、、

「お前、どっかで見た面だな、、、、」

「あ、、いや、、私は、、、、」

三波は下を向いたまま必死に手を横にふっていた

「、、、、、、、」

追島さんはしばらくに三波のことを見たあと

「まあ、いいや、、、、」

ぼそっと呟き、どすどすと音を立てて境内の入口近くの持ち場に向かって歩き去って行った、、

 

「お、、追島さん、、、」

僕はあわてて、追島さんの後を追って走り出した、、、

「待って、吉宗君!!」

そんな僕に続いてめぐみちゃんも走りはじめていた、、、 

「あーーー、おい吉宗ー!、めぐみちゃーん!仕事の途中だぞー!」

銀二さんがあわててたこ焼きの三寸から叫んでいた、、

 

  

追島さんと僕たちが走り去った後、なぜかイケメン三波は震え続けていた

そんな三波の様子に、ふしぎそうに春菜先生が

「三波先生、、追島さんのこと、ご存じだんたんですか?、、、」

「い、、いや、、知りませんよ、、、、」

「それじゃ、人違いですか?、、」

「は、はい、、そ、そうでしょう、、」

そう言いながらも三波の足はカタカタと震えていた、、、

 

「あ、、そうだわ、、三波先生急いで園に戻らないと、、、、」

「え?」

「三波先生にお客さんが見えてるんですよ、、、、」

「お客さん?、、」 

と、その直後、ちゃらららー、ちゃらららーん、ちゃらららー♪

突然沢村の携帯が鳴り響いた、、、

「あ、、!?」

沢村は携帯に映し出される名前を見て、思わず顔をひきつらせた、、、

そして三波に目を向けながら、電話の着信ボタンを押した

「もしもし、、あ、、はい、、、、、はい、、申し訳ありません、今、連れて一緒に戻ります、はい、、、」

「、、、副園長、、西条さん、、ですか、、、」

三波の問いかけに、沢村は電話を耳にあてながら静かにうなずいた、、、そして少ししてと電話を折りたたむと、

「春菜先生、三波君と先に戻りますので、子供たちお願いします、、、」

そう言って、沢村と三波はあわてて境内の外に向かい小走りで去って行った、、

 

「どうしたんだろう?、、、副園長も三波先生も血相を変えて、、、いったい西条さんというお客さんって、、、」

春菜先生は不思議そうに首をかしげていた、、、

 

 

「追島さん、追島さーん!」

「追島さーん!」

僕とめぐみちゃんは二人、追島さんのイカ焼き三寸の前に走りよった

「なんだお前、それにめぐみちゃんまで、まだ仕事の途中だぞ、、、、」

「で、、でも、、、」

「でもじゃねえ、仕事に戻れ、、、」

追島さんはそういうといか焼きの炭をひっくり返していた、僕は眼をうるませながら

「追島さん、本当にいいんですか?、、、あの沢村とお慶さんが一緒になっても、、、本当にいいんですか?、、、」

「いいもクソもねえだろうが、、俺に口出しできることじゃねえんだから、、、」

「それじゃ、追島さん、どうして夕べ、お慶さんに花束なんか、、、!」

「んぁ!?、、」

「あっ!?」

追島さんは一瞬怖い顔で僕を見て、僕は、あわてて口をつぐんだ、

 

「お前、み、、見たのか、、、、」

「あ、、はい、、、すいません、、、」

「、、、、、、、、」

追島さんは無言でしばらく僕を見たあと、恥ずかしそうに背中をむけた、

「見られたんじゃ仕方ねえ、、あれはな、慶との約束を果たしただけだ、、、、」

「お慶さんとの約束?、、、」

「ああ、、、」

「追島さん、約束って?、、、」

「めぐみちゃん、これはあいつと俺の約束だ、、、それ以上は勘弁してくれや、、、」

追島さんはぼそっと呟くと、ひとりイカに串を打っていた

Oisann4  

「追島、、さん、、、、」

僕はマウンテンゴリラのような後姿に、たまらない男の哀愁を感じ、ポロポロと涙をこぼしていたのだった、、、

続き
第68話 めぐみちゃんの思い&三波とマライアさんの秘密

Potiannai
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2008年11月13日 (木)

第66話 恐るべし!イケメン三波

「やっぱり、、、お前だなー!!」

気がつくと僕は、イケメン三波の胸ぐらをつかんでしまっていたのだった、、

「な、、何をするんですか、、、、、」

「何じゃない!、よくもマライアさんをーーー!」

「苦しいーーー!た、、助けてー!、、助けてーーー!!」

三波は大声で叫んだ

 

「吉宗君!!」

突然の出来事に、めぐみちゃんがあわてて、僕の腕にしがみついてきた、、、

Ikemen2

「どうしたの吉宗君!、急にこんなことして、、」

「えっ?、、、あっ!?」

僕は、めぐみちゃんの言葉に我にかえり、あわてて三波の胸ぐらにあった手を放した、、

 

「なんで、、、、どうして、吉宗君、、、」

「いや、、あの、、」

三波はあわてて僕から離れると、

「な、、何なんですかー、あなたは、、、それに、ま、マライアさんって、いったい誰のことですかー、そんな人知りませんよー、僕は、、、」

「知らないって、お前!」

 

「吉宗君!!」 

「!?」

「マライアさんって、さっきの綺麗な人でしょ、、いったいあの人がどうしたのよ?」

「あ、!」

「ねえ、いったい何なの?、、、どうして吉宗君が、あのマライアさんという人の事で、そんなに興奮してるの?、、、」

「いや、、あの、、、、、、、」

「答えて!」

「、、、、、、、、、」

僕は青い顔で、あたりをキョロキョロ見渡した、、そして銀二さんの姿を目にするとひっしに視線で助けをもとめた、、、

銀二さんは一瞬動揺したのち、即座に、、

「え、あーと、、詐欺、、結婚詐欺だ、なー吉宗、、、」

そう言いながら、僕たちの前に歩いてきた、、

「夕べの飲み屋でマライアが言ってたんだよな、、、保育園の先生に結婚詐欺にあったって、、な、な、、吉宗、、」

「え、、あ、、はい、」

「結婚詐欺?、、三波先生が?」

めぐみちゃんはイケメン三波を見た、、

 

「じょ、、冗談じゃありませんよー、僕が結婚詐欺だなんて!、、、ひどすぎますよーー」

三波は、目に涙を浮かべながら、、、、

「春菜先生、副園長助けて下さいよー、僕はそんな人間じゃないって、この人に言ってくださいよー、」

二人に救いをもとめた、、 

「ハハハ、、、三波先生が結婚詐欺とは!?、、、それは絶対に間違いですよ、、ねえ、春菜君、、」

「ええ、そんなわけありませんよ、きっと誤解ですよ、吉宗さん、」

春菜先生も、にっこり微笑みながら僕を見た

  

「吉宗君、、、だめじゃない、、そんな早とちりして、、、」

「で、、でも、、、」

「でもじゃないでしょ、、ちゃんと誤らなきゃ、、、」

「ごめんなさい、、三波先生、、、」

めぐみちゃんは三波に近よると僕に代わって頭をさげた

 

「め、、、めぐみしゃーん、、、」

三波は涙顔で叫ぶと、突然、

「うわーー!怖かったー、怖かったよーー!」

子供のように大声で泣きじゃくりながら、めぐみちゃんにへばりついてきた、、

「ちょ、、ちょっと、、三波先生!?、、、」

「うえーー、めぐみさーん、めぐみさーーーん、、、、」

 

(ぐおーー!、あいつどさくさにまぎれて、めぐみちゃんに、、、、)

僕はふたたび三波を睨んだ、、

Ikemen23 

「吉宗君!またそんな怖い顔して!!」

「え!」

「吉宗君も三波先生に謝りなさい!ひどいことして、こんなに怖がらせてしまったんだから、、」

「で、、でも、、、」

「でもじゃ、ありません、謝りなさい!」

「あ、、、はい、、」

 

「す、、すいま、、せんでした、、、」

僕はしぶしぶイケメン三波に頭をさげた、

三波はめぐみちゃんにしがみついたまま、じーっと僕を見ていたが、再び情けない顔をすると

「本気で謝ってないよー、まだ、あの人は後で僕に暴力をふるうつもりだよーー」

めぐみちゃんの胸に顔をおしつけた、、、、

 

(うあああーーーー、あいつーーー、またしても、、、、、)

  

「吉宗君!もう一度謝りなさい!!」

「うぐ、、、、」

めぐみちゃんに再び叱られた僕は、悔しさをかみしめながら、深々と三波に頭をさげた

 

「、ご、ごめんなさい、、、、すいませんでした、、、、」

  

「三波先生、、今度は真剣に謝ってるんで、許してもらえませんか?吉宗君のこと、、」

「めぐみさん、、あの人は真剣に謝ってなんかいませんよーー!真剣だったら手をついてあやまりますよーー!」

「手をついて!?」

「そうですよーー、手をついて謝ってもらえないと、僕には信じられませんよー!」

イケメン三波はめぐみちゃんに泣き顔で訴えたあと、冷めた目で僕を見据えた、、

 

(こ、、、こいつ!!、、、、やっぱり全部演技だ、、、)

 

「さあ、、、、手をついて謝ってください、、、」

「、、、、、、」

「さあ、黙ってないで、、さあ、、、」

僕は奥歯をきりきりとかみしめながら三波の氷のよう顔を睨んでいた、、とその時だった、

「三波先生!」

隣で様子を見ていた春菜先生が、三波に声をかけた、

 

「手をつけだなんて行き過ぎですよ、、、誤解は誰にでもあるんですから、、」

「でも、春菜先生、とても怖かったんですよ、、、」

「それでも行き過ぎです、、、、」

「なぜ?どうして、春菜先生は、あの人をかばうんですか?」

「別にかばっているわけじゃ、、、」

「やっぱり好きなんですか?、、、、あの人の事が好きなんですかー?」

イケメン三波はめぐみちゃんにしがみついたまま、春菜先生に訴えた、、

「好きって、、そんな、、、、、」

春菜先生は頬を染めながら、無言で立ち尽くしていた、そんな春菜先生の様子を、めぐみちゃんも真剣に見つめていた、、、、

 

「何も言えないなんて、やっぱりそうなんだー、春菜先生はあの人が好きなんだーー!」

「な、何を言ってるんですか三波先生、、思いっきり誤解です、、、」

「誤解?、、、、」

「そう、誤解ですよ三波先生、、、」

春菜先生はそう言うと、恥ずかしそうに微笑んだ

 

「春菜せんせーーー!」

イケメン三波はぐしゃぐしゃになった情けない顔で泣きだすと、めぐみちゃんから乗り換えるように、春菜先生に抱きついた、、、、

「まあ、三波先生ったら、どうしたんですか?、、」

「だって、、心配だったんですよー、春菜先生の心があの人に行ってるんじゃないかって、心配で心配で、、、」

「、、おかしな三波先生ですね、考え過ぎですよ、、」

「本当ですか?、、本当に本当ですか?、、、」

三波は泣きながら春菜先生を見つめた

「本当です、さあ、いい加減泣きやんでください、ほら子供たちも見てるんですよ、、」

「え?、、、あーー、しまった、、、」

三波は隣でじーっとみている園児たちに気がつくと、あわてて春菜先生から離れた、そして恥ずかしそうに頭をかきながら、さわやかに笑い始めた、、、

「いやーー、ぼ、、僕としたことが、恥ずかしい、、、」

 

「相変わらずあわてんぼですね、三波先生ったら、ふふふ、、、」

春菜先生はやさしく微笑みながら、明らかに好意をもったまなざしで、イケメン三波を見つめていた、、、

 

「三波先生って、真剣に本当に純粋に春菜先生の事を、、私もちょっと誤解していたかも、、」

二人の様子を見ながら、楽しそうにめぐみちゃんがつぶやいた、、、そして、静かに三波に近寄ると、

「本当にごめんなさい、、吉宗君には私からよーく言っておきますから、何も心配いりませんから、」

「いや、、いいんです、僕の方こそ、手をつけだなんて言いすぎちゃったから、はははは、、」

イケメン三波はめぐみちゃんの事を見つめながら、透きとおるようなさわやかな笑顔で微笑んだ、、そして、何時のまにかめぐみちゃんも、そのさわやかスマイルに吸い寄せられるように、幸せそうに微笑み返していた

 

(ち、、違う、、、めぐみちゃんも、春菜先生も、、違うよ、その男は本当はそんなさわやかな男じゃない、、) 

僕は必死に心で訴えていた、、しかしその場の雰囲気から、声を出す事が出来ず、じーっと、イケメン三波に春菜先生、そしてめぐみちゃんの姿を見つめていた、、、

 

そんな最中、

「ほれ、、、差し入れのジュースだぞ、、、、」

背中ごしから聞き覚えのあるどすの利いた声が、響いてきた

(こ、この声は、もしや、、、、)

僕はチラッと、沢村研二を見たあと、おそるおそる聞き覚えのある声に向かって振り返った、、

 

「や、やっぱり、、、お、、追島さん!?」

そう、そこには、片手にジュースの袋をぶら下げたマウンテンゴリラ、追島さんが不思議そうに首をかしげながら立っていたのだった

続く
第67話、男、追島!哀愁の背中、、、へ

イラストカットは近日アップしまーす^^

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2008年11月10日 (月)

パソコンの故障(涙

かわいいフラの天使たち、とっても感動させてもらえましたー^^

小さな子どもたちが一生懸命緊張しながら可愛いダンスを披露してくれて、長女の祐の字も真剣に見ていました。

でも一番うれしかったことは、姉に頼まれてこしらえたパンフをたくさんの会場のお客さんが真剣に見ていてくれた光景を見れたことでした。

これってすごくうれしいことかも、、、当日姉に感謝させてただきました

と、前置きはこのくらいにして、しばし本編の更新が遅れてしまって、すいませーん

フラのイベントが終って待っていたのが、会社のフェンスの改築工事、朝から晩まで、土木のおじさんをやらされていました。

やっとフェンスの改築が終わったかと思いきや、いきなり会社の私のパソコンが壊れて大騒ぎ、、、、

会社の仕事をさぼっては新作を仕上げていたのに、これは痛いです

それでも今週前半には必ず続き更新しますので、しばしお待ちください、、

吉宗君、イケメン三波の胸倉をつかんだまま、、、さてどうなることか、、、、

更新が遅れているお詫びに、イラストを一枚、、、、、

Photo

実はこれって、ホームページ「お笑い漫画職人」を初めてアップしたときにトップ漫画で使っていたものです、、、、

音楽に合わせてこの羊がぴょんぴょん飛ぶものだったのですが、懐かしさに感動させられましたー

って、こんなイラストでは全然お詫びになりませんね、、、、、、、、、、

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