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2009年1月25日 (日)

第73話 追島さん哀愁の花束

イケメン三波が、保育園の一室で不適な笑い声を響かせていたそのころ、川崎堀之内の夜空にも、、、

「ホーーーーー、ホッホッホッホッホッホッホッホッホーーーーー!」

まるで、妖怪のような、甲高い笑い声が響き渡っていた、、、、

妖怪の声の正体、それは、頼みもしないのに勝手についてきた、女衒の栄二さんのものだった

 

「ちょっと栄ちゃん、何よ急に大声で笑い出したりして、、、」

「ホーホホホホ、、、だってさー、考えてみると喫茶慶だなんて、お慶ちゃんらしいじゃない、、、、」

「お慶さんらしい?、、、」

「そうだわさー、ひねりも何にも無いって言うか、正直、超ダサいっていうかさー、、ホホホホホ、」

栄ちゃんは、お腹を抱えながら、追島さんの元奥さん、お慶さんのお店の看板をパンパンたたいた、

「ひっどーい、、栄ちゃん、そんなこと言って失礼じゃないの、、、、」

「あら、、何いってんのよ、、、めぐっぺったら、、、本当のことじゃない、ねー、ヨッチーちゃん、、」

栄ちゃんは、その丸太のような太いカイナを僕の腕に巻きつけると、巨大なエラをぐりぐり擦り付けてきた

「い、痛い、痛いですって、栄二さん、、、」

「もう、、大げさなんだからよっちーちゃんったらん、、うふふ、、でーも、お慶ちゃんとは久々~、何年ぶりかしら~、、」

栄ちゃんはそういうとハンドバックから大きなピンクぶちのド派手なサングラスを取り出して、大きな顔にかけた

「な、、なによそれ、、、、」

「何って、久しぶりだからおめかしに決まってるでしょ、あたしがデザインした特注品よ、、、」

「デザインしたって、栄ちゃんのほうがよっぽど、ださーい、、、」

「まあ、失礼な子ね、、、、、」

栄ちゃんとめぐみちゃん二人は、楽しそうに話しながら、喫茶慶のドアを開いた、、、

 

カランカラン、、、

「いらっしゃいませー」

カウンターの中にいたお慶さんが、僕たちを見て、一瞬不思議そうに首をかしげた、、

 

「何てお顔してるのよ、、、お慶ちゃんったら、、」

「え?、、、、あっ!、、栄ちゃん、、、あなた栄ちゃんじゃない?、、、」

「おひさーーー!」

「うわーー、何よ急に、、びっくりしたーーー」

「何がぴっくりよ、、こんな所に、お店出したんなら、声くらいかけなさいよね、、ホホホホ、、」

栄ちゃんは笑いながら、店の中をなめるように見渡すと、呆れ顔で、、

「まあ、お店の名前もダサいとおもったら、中まで超ダサいわねーーー」

「なによー、来ていきなり、、相変わらず口が悪いわね、、」

お慶さんは、そういいながらもうれしそうに栄ちゃんを見たあと、後ろに立っていた僕たちに目を移した、、

 

「あら、、貴方たちは、昨日の、、、」

「あ、、どうもです、、、」

僕と鉄はあわてて頭をさげた、

「また、来てくれたんだ、、ありがとう、、、」

お慶さんはうれしそうに微笑み、手を小さくふると、僕の隣に立っているめぐみちゃんを見て

「、、、あれ?、、、あなた、もしかして?、、、、」

 

「こんばんわー、お久しぶりです、お慶さん、」

 

「めぐみちゃん?、、、、ねえ、、、めぐみちゃんよね、、、、」

「はい、、、」

「うわーー、何よー、すごい綺麗になっちゃってーー」

「やだー、、そんなこと無いですよ、、、、」

めぐみちゃんは照れくさそうに舌を出した、、 

「そんなことあるわよ、本当に綺麗になって、、でも、来てくれてうれしいー、、」

 

「ねえ、お慶ちゃん、、あーんたいつまでお客のあたし達、立たせとくつもり、、、」

「あ、、ごめんごめん、座って座って、、、」

栄ちゃんの言葉に、お慶さんはうれしそうに、僕たちをカウンターへ案内すると、

「ちょっとだけ待っててね、、、」

そう言いながら、店内の奥にいた数名のお客さんに、カウンターにあった料理をせっせと運び始めた、、、

「お慶さん、私も何か手伝うことがあったら?、、」

「いいのよ、めぐみちゃん、座って待ってて、、、」

お慶さんは手際よくすべての料理を運び終えると、うれしそうにカウンターの向かいに戻ってきた、、

「ごめんね、小さなパーティーのお客さんが入っててね、、、、」

「あらー、忙しそうで良いじゃないのー、お慶ちゃん、、」

「お蔭様でね、オープンからとってもいいお客さんに恵まれて、、そうだ、君たち仕事帰りでしょ、お腹すいてるよね、、」

「はい、、ぺ、、ぺこぺこっすーー」

カウンターの端にいた鉄が、大声で答えた、、、

「待っててね、今からおいしいご馳走作ってあげるから、、、」

お慶さんはそう言うと、うれしそうに冷蔵庫のドアを開けた、そんなお慶さんの隣には、昨夜沢村研二が持ってきた、バラの花束が、そしてその隣には小さなスイートビーの花束も綺麗に生けられていた

 

(あれ、、追島さんが贈ったスイートピーだ、、、、、)

 

僕は複雑な思いで、大きなバラの横に飾られた、スイートピーを見た、、、そんな僕にめぐみちゃんが

「どうしたの?吉宗くん、、あっ!?、ねえ、あの花?、、さっき話してた、追島さんが贈った花束って、、、」

「うん、、、」

「そう言えば、さっき約束って言ってたよね、追島さん、、いったい何の約束の花束なんだろうね、、、」

小声で話している僕たちを不思議そうに見た栄ちゃんが 

「あーたたち、何ぼそぼそ話してるのよ、、、約束の花束って何なの、、ねえ、めぐっぺ、よっちーちゃん、、」

「え!、、あ、聞こえちゃいました?、、、」

「聞こえたわよー、何よ約束って、、?、、」

「実はね、あのスイートピー、追島さんが贈ったものなんだって、、、」

 

「追島ちゃんが!?」

「はい、、夕べ、、お慶さんに分からないように、こっそり、、、、」

「、、追島が、、、、、、、」

女衒の栄二さんは、急に今までとは、打って変った真剣な顔で、僕たちを見たあと、じーっと無言でスイートピーの花束を見た、、

 

「お、、追島が、、、、、」

 

「栄ちゃん?、、ねえ、栄ちゃんどうしたのよ、急に怖い顔して、、」

「え!?、、」 

「あ、あらやだーー、、、私怖い顔してたー!?、いけなーい、ホホホホホホーーー!」

栄ちゃんはあわて顔をもどすと、甲高い奇声をあげながら笑い始めた、

栄ちゃんの笑い声を聞いたお慶さんは、不思議そうに振り返ると、、、 

「何よー、栄ちゃん、急に変な笑いかたして、、ねえ、みんな、何の話ししてたの?、、」

「何の話しって、、それよそれ、、その花束のお話ししてたのよ、、」

栄ちゃんは、いきなりお慶さんの後ろに飾られていた、スイートピーの花束に指をさした

 

「あーー!、ちょっと栄二さん!?」

 

「えっ?、、何?、、この花束がどうしたの?、、、」

 

「いや、、お慶さん、別になんでもないです、、なんでも、、、、、、、」

僕はあわててお慶さんと栄ちゃんの間に、手をバタバタさせながら割って入った、、、

 

「よっちーちゃん、、何も隠す必要ないわよ、、ホホホホ、、、、」

「で、でも、栄二さん、、、」

「ねえ、もしかして、あなた達、この花束の贈り主のこと知ってるの?、、」

「あんた、、分かんないわけー?、、、相変わらず鈍感だわねー、、」

「えっ?、、、、、」

「あんたのよーく知ってる、男でしょ、、」

「知ってる男?」

「まーだ、分からないの?、、お慶ちゃん、あんたが、昔、惚れこんでた男よ、、、」

「、、、、!?、、」

お慶さんは、無言でスイートピーを見ながら、突然険しい顔になった、、

 

「あ、、、あいつが?、、、、」

 

「そのあいつよ、、、、」

 

「あーーーー!、栄二さん、、、」

僕は額か青筋をたらしながら、お慶さんに、、、、

「す、、すいません、、すいません、、、僕、偶然、店の前で追島さんの後姿を見てしまって、、そ、それから、あの、、追島さんのポケットから出てきた、花屋さんのレシートを見つけてしまって、、それで、、、あの、、その、、、、」

 

「、、、お、追島が、、、これを、、、」

お慶さんは、今までの穏やかな顔から、打って変った怖い表情で、スイートピーの花束を見つめ、やがてカタカタと唇を震わせはじめた、、、

 

「あの男、、、なんで、、、こんな、こと、、、、」

 

「なんでって、、、まだ好きなんでしょ、、追島ちゃんは、、、、」

栄ちゃんはカウンターでたばこに火をつけながら、つぶやいた、、

「好きって、、何言ってんのよ栄ちゃん、、、冗談じゃないわよ、、、あんなひどいことしておいて、今更こんな物!!」

お慶さんは震える唇でそうつぶやくと同時に、綺麗にに生けられていたスイートピーの花束を鷲づかみに花瓶から抜き取った、そしてそれをゴミ箱に向かって叩き捨てようとしたその時、

 

「まってーーー!、、捨てないでーーーーー!!」

僕は思わず大声でそう叫んでいた、、、

 

「、、、、、、、、」

お慶さんは、花束を握り締めたまま、怖い顔で僕に振り返った、、、

「お願いですらー、、捨てないれ、、、捨てないであげてくらさい、、、」

「捨てないでって、、あなた、、、」

「でも、、捨てないれあげてくらさい、、おねがいれす、、どうか、捨てないれあげてくらさいれすらーーーー」

そう訴えながら、僕の頭には花束を抱えた追島さんの哀愁のただよう後姿が浮かんでいた、と同時に気がつくと僕の目からは、大量の涙が、、、、

「ちょっと、、き、、君、、、」

「それ、捨てられちゃったんじゃ、、、追島さんが、かわいそうすぎるれすらーー、、せつなすぎるれすらーーー」

「かわいそうって言われても、、、、」

 

「お慶さん、、私からもお願いします、、どうかその花束、捨てないでもらえませんか、、、」

「め、、めぐみちゃん!、、、あなたまで、、」

「どうか、、どうか、お願いします、、、」

気がつくと、めぐみちゃんの瞳にも、いっぱいの涙があふれ返っていた、、、、

 

「そ、、そんなこと、言われても、、、、、」

お慶さんは、僕とめぐみちゃんの真剣な訴えに対して、困った表情を浮かべた

「お願いれすらーーーーー」

「お願いします、お慶さん、、」

 

「で、、でもね、、あいつにこんなもの贈られても、、こまるのよ、、、、」

「あの、、お慶さん、、、それ、追島さんにとって、約束のスイートピーだって、、、そう、、、、追島さん、そう言ってたんです、、お慶さんとの約束だって、、、」

「約束?、、、」

お慶さんはめぐみちゃんの言葉に、手にしていたスイートピーの花束を無言で見つめた、、、、、、、、

 

 

 

ひばり保育園の隣には、小さなお弁当屋さんと、コンビニエンスストアーが並んでいた、そのコンビニのキャッシュコーナーでは、プリンの入った袋を持った春菜先生が、、、、

『カードと現金をおとり下さい、、、ピー、、』

真剣な顔で札束を機械から取り出し、あわてて袋の中にしまった、、

「ありがとうございましたーーー!」

店員さんの声を背に、春菜先生はコンビニを後にした、、、、

 

「三波先生、あんなにひどい顔をして、、いったい彼の言うヤクザって、、、、」

そうつぶやきながら、彼女が保育園の入口のさしかかったその時、園庭の生垣がガサガサと音を立てて揺れた、、

「、、、!?、、」

 

「あの、、どなたか?、、どなたかそこにいらっしゃるんですか?、、、」

春菜先生は恐る恐る、生垣に声をかけた、、

「ど、、どなたですか?、、、、」

 

「あ、、すいません、先生、、じ、、自分です、、、、、」

声と同時に生垣から大きな体が姿を現した、、、

「あなたは、、、!?」

「あっ、はい、、、」

 

「な、、何で?、、どうして、あなたが、そんなところに?、、、」

「す、すいません、、、、あの、、ちょっと、、、、、」

春菜先生に見つかってしまったその大きな男は、照れ臭そうに頭を掻いた、

それは、お慶さんに花束を贈った、鬼瓦興業の鬼軍曹、追島さんだった、、、

続き
第74話 追島ちゃんとお慶ちゃんへ

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第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

追島さん、春菜先生に何を話すのsign02coldsweats02

スイートピーの約束って何やろ~sign02coldsweats02

気になる気になるbearing

投稿: けんさぁ | 2009年1月26日 (月) 16時43分

けんさぁさん

さてさていよいよクライマックスシリーズ突入でーすhappy01
これからどうなっていくか、ご期待ください^^

話は変わって一口愛馬軍団、そろって二着でした
馬券で負けて、またまたみじめランチですcrying

でも次は確勝です、情報ながしますね^^note

投稿: 光一郎 | 2009年1月26日 (月) 18時19分

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