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2009年2月 9日 (月)

第74話 追島ちゃんとお慶ちゃん

「あなたは、、追島さん、、、」

「あ、、すいません、ちょっと、野暮用で、通りかかったもんで、、、」

春菜先生に見つかってしまった追島さんは、照れくさそうに頭をかいた、、、

「野暮用って、、ユキちゃんに会いにいらしたんじゃ無いんですか?、、」

「ユキに?、、いや、だってこんな夜分にどうして?、、」

「、どうしてって?、、、、ユキちゃんが夜間保育で中にいることをご存じだったんじゃ?、」

「夜間保育!?、、」

追島さんはいっしゅん戸惑いの顔をうかべた

「あ、、はい、、お母さん、お店をオープンしたばかりで、忙しくて、ここ数日、ユキちゃん夜もあずからせて頂いてるんです、、、」

「夜も!?、、そ、それじゃ、ユキのやつ一日中ここに、、、、」

「はい、、、」

 

「、、い、いくら、忙しいからって、、、、、、」

追島さんはむっとした顔で明かりのついた園の建物を見た、、、

「あっ!、、、あの、追島さん、、これってユキちゃんも望んでの事なんです、、、ユキちゃんが夜もここで遊びたいって、、、、」

「ユキが、、、ですか、、」

「はい、、、それで、お母さんも、、、、」

春菜先生はあわててそう答えた

「、、、、、、、、、」

「あ、、あの、、追島さん、、、、」

「我慢してるんですよ、、、、ユキは、昔から、そういう子なんですよ、、、」

「えっ?、、、」

「本当は、、母親のそばで甘えたくて、しかたねーのに、一生懸命我慢する、、そんな子なんですよ、、、、」

追島さんは小声で呟きながら、眉間にしわをよせた、、

 

「あ、、、あの、、追島さん、、、」

 

「あっ!、、す、すいません、、こんなこと言っちまったら、世話になってる先生に失礼でしたね、、、ははは、、、」

「、、、、いいえ、、、、」

春菜先生は静かに首をふると

「追島さんのおっしゃる通りだと、私も思います、強がっていても、やっぱりユキちゃん、いっぱい我慢してるみたいで、、、、」

 

「、、、、、せ、先生、、、、」

 

「そうだ、、、あの、、追島さん、、、ユキちゃんに会って行ってあげてくれませんか?、、」

「、、!?、、いや、、そ、それは、、、」

「お願いします、、ぜひ会って行ってください、、、」

「そんなことしたら、また先生に迷惑がかかっちまう、、あ、、あの、自分はこれで失礼しますんで、、」

追島さんはあわてて春菜先生に背を向けた、、、

 

「待って、、、私だったら大丈夫ですから、ぜひ、ユキちゃんに会って行ってください、、そうすれば、きっとユキちゃんの具合も良くなると思うんです、、、」

「!?、、」

追島さんは振り返ると

「先生、今、具合が良くなるって、、、」

「あ、、はい、、実は、ユキちゃんちょっとお熱を出して、、、、」

「熱!?、、、、熱って、、先生!?、ユキは、ユキは病気なんっすか!?」

真剣な表情で春菜先生を見た、、

「あ、、いえ、少し疲れが出たみたいで、ちょっとだけ熱がでちゃったけれど、もう落ち着いてますから、、それに、元気にお話もしてますし、、、」

「はあ、、、そうですか、、、よかった、、、何しろユキは小さいじぶん、いろいろ病気がちだったもんで、、、」

「はい、、、お母さんからお伺いしてます、、、」

 

「で、でも、先生、熱があるってのに、母親のあいつは迎えにも来ないんですか?、、」

「いえ、、ユキちゃんが、どうしてもお母さんには言わないでほしいって、、」

「ユキが!?」

「はい、、、、」

「、、、、、、、、」

追島さんはぐっと唇をかみ締めながら、うっすら目に涙を光らせていた、、、

 

「お、、追島さん、、、、」

「、、、、、」

 

「あの、本当に私でしたら大丈夫ですから、ユキちゃんに会ってあげていただけませんか?、、」

「せ、、先生、、、、」

追島さんはそっと目を閉じると、静かに頭をさげた、、、

 

 

 

そのころ喫茶慶では、、、、

追島さんから贈られたスイートピーを握り締めたお慶さん、そして涙顔でひっしに訴えかける僕とめぐみちゃんが、カウンター越しに向かい合っていた、

「おねがいです、、、どうか、そのお花、捨てないであげてくらさいれすら~、、、」

「お慶さん、お願いします、、、、」

 

「で、、でも、、、、、」

お慶さんは困った顔で、泣き顔の僕とめぐみちゃんを見た後、となりの栄ちゃんに目を移した、、

「お慶ちゃん、、、いくら追島が憎くっても、お花に罪は無いんじゃないかしら、、ホホホホホ、、、」

「、、栄ちゃんまで、、、、、」

お慶さんは静かに手にしていたスイートピーの花束に目を移すと、

「たしかに、、こんな綺麗なお花をゴミ箱にすてちゃったんじゃ、可愛そうね、、、」

そうつぶやきながら、もとの花瓶の中に花束を戻して、そっと僕たちの前のカウンターに置いた、、、 

 

「あ、、ありがとうございます、、、、お慶しゃん、、、、、」

僕は涙と鼻水まみれの顔で、深く頭を下げた

「仕方ないじゃない、そんなこの世の終わりーみたいな顔で泣きながら、二人がかりで訴えられたんじゃ、、お花だけは捨てないで置いてあげるわ、、、」

お慶さんは明るくそう言うと、暖めてあったカップに静かにコーヒーを注いで、僕たちの前に差し出した、、、

 

「でも、めぐみちゃん、、、、約束って?、、、あいつそんな事言ってたの?」

「あ、、はい、、、、お慶さんとの約束だって、、、」

「あいつとの約束ねー?、、、、、」

お慶さんは細い指にはさんだタバコに火をつけると、何かを思い出そうとしていた、、

「約束、、、?、、、」

 

「何か心当たりは、、無いんですか?、、、」

「うーん、、、、、、、あ?、、もしかして、、」

「思い出したんですか、、、、」

「プーー、ふふふふふ、、、はははははは、、、」

お慶さんは突然呆れ顔で笑い始めると、、、

「ははは、、、ずっと昔の事だけどね、、ずーっと、ずーっと、、、、、」

すこしあきれ顔を浮かべながら、静かに話をはじめた、、、

 

「私と追島がまだ付き合い始める前だったかな、、、、、、、」

 

 

僕たちが今まで仕事をしていたお大師さんの境内、そこには数名のコンパ帰りの酔った大学生が大声ではしゃいでいた、、そしてその集団のすみに若き日のお慶さんの姿が、、、

「うおーい、見てみろよー、すっげえ射的もあるぞ、、、」

男子学生の一人が、酔った赤い顔で、射的の露天(さんずん)の前で立ち止まった、、、

「へえ、すごい懐かしいーーー、、、」

「俺よ、コツ知ってんだよ、、、実はコルクの玉を二個つめると威力倍増なんだぜ、、、」

背の高い口髭をたくわえた大学生が、大声で叫んだあと、

「おーっと、、」

わざとらしくよろけて、お慶さんの肩に手を回した、、、

「あっ!?、、、」

「いやははー、悪い悪い、、、慶ちゃん、、、」

「あ、、い、いえ、、、」

お慶さんが困り顔でうつむくと髭男は、、、、

「なんだ、慶ちゃん、相変わらず恥ずかしがって、、ははははー」

「す、、すいません、、、、」

「だから、すいませんじゃないっての、水臭いな、俺と慶ちゃんの仲だろ、、、」

「えっ、、な、仲って?、、」

「これから結ばれる仲、なんちゃってーげへへへ、、よし、そうだ、、俺、あの中から慶ちゃんにプレゼント贈るから、、、好きなの選んで、、」

男はニヤニヤしながら、露天にならんだ景品を指差した、、、 

「い、いえ、私は何も、、、、」

「そんな遠慮すんなって、記念の、贈り物だよ、、、、さあ、好きなの選べよ、、、、」

再びそう言いながら、お慶さんの肩をぐいっと自分の胸にひきよせた、お慶さんはしかたなく、射的の三寸の中を見た、そこには数多くの陶器の人形が、そしてお慶さんが三寸のすみの一人のパンチパーマのおじさんに目を止めた時だった、、

「慶ちゃん、好きなのっていっても、あれは駄目だぞ、、、あれは、、、、ははははは、、」

髭男が突然ニヤけ面で、三寸の中の、そのパンチパーマのおじさんを指差した、、、

「えっ!?」

「あれは、景品じゃないから、あれはテキヤのおじさん、、てーきーやーのおじさん、、はははは、、、」

お慶さんは男が冗談で指差した、テキヤのおじさんを見ると、あわてて頭をさげた、、、 

おじさんは少し呆れた顔で横を向くと、何事も無かった顔で、並んでいる子供達にコルクの玉を配りはじめた、、、、

「ほーい、順番なー、しっかり狙えよー、、、、」

 

「なんだ?あのおっさん、愛想がねえな、冗談も通じねのかよ、、、、」

「ちょっと、先輩、そんなこと言って、失礼じゃ、、、」

「失礼?、、、馬鹿だな慶ちゃん、こいつらヤクザだぜ、それに、粗悪品ばかりだまして売ってる悪達だぞ、失礼なもんか、ハハハハ、、、、」

「おい、そ、そんな面と向かって、、、」

他の学生があわてて静止すると、、、、

「俺の親父が何か知ってんだろ、、、検察官だよ、検察官、、それに俺も空手じゃー黒帯だ、だから、ヤクザなんてちっとも怖くないんだよ、、、ははははーー」

お慶さんはそんな髭大学生の顔をこまった目で見た後、

「す、、すいません、、この方、酔ってるんで、、、、」

三寸の中のおじさんに再び頭をさげて謝った

 

「だーかーら、なんで慶ちゃんが謝るんだっての、、、、そんな事より、俺が君のお気に入りプレゼントできたら、約束、約束ー、、」

「約束?、、、」

「今日、俺とホテル行くんだからな、、、」

「ホ、ホテル!?」

「俺の親父は検察官なんだからな、約束やぶったら大変だぜ、、へへへへ、、、」

髭男はだらしない目で笑うと、よたった足で三寸に近寄り、パンチパーマのおじさにお金を差し出した、、

「おい、ヤクザのおっさん、一回やらせろー、、ヒック、、、、」

「、、、、、、、、」

「おい、聞こえないのかーー、おっさん、、おい、、おい、、」

 

「うるせーぞ小僧、、、」

 

「な、、なに!?、、お、おい、、俺は客だぞー、うるせーとは何だよ、、、銭出してんだからよー!早くやらせろ!」

そう言いながらお札をぴらぴらかざした時だった、パンチパーマのおじさんが突然髭男の手首をつかみ、ぐいっと自分のそばに引き寄せ、

「順番は守れ、、、」

静かな声で髭男に言うと同時に、射的の横で並んでいる子供達の列に目を向けた、、 

 

「な、、、何!?、、おい、親父!、、今なんて言ったんだ、俺は検察官の息子だぞ、こら!、、」

髭学生が三寸の前で叫ぶと、おじさんは、ふっと溜息をひとつつき、握った髭男の腕にぐっと力を込めた、、

「ぐおあーー!いたたたたーー、痛い、は、離せーー、こら、、俺の親父は!」

「検察官だからどうした?、、、」

「!?、、、、」

「そんなに自慢の親父なら、その親父ってのを今ここに連れて来い、、、」

「うぐ、、、、」

「それに、どうした黒帯、右手が空いてるだろ、遠慮しねーで、俺の顔面めがけて、正拳ぶちこんでみろよ、、、、、、」

おじさんはそう言いながら、鋭い目線で髭男の顔に自分の顔をすりよせた、、

 

「あ、、いや、、あの、、すいません、、、ちょっと酔ってたもので、、、」

「酔ってたら、何でもしていいって、大学で習ってんのか、、、、」

「い、、いえ、、、す、すいません、、、、、」

髭男はおじさんの迫力に押され、青い顔でうなだれた、、、

お慶さんは、そんなパンチパーマのおじさんの姿を、真剣に見つめていた、、

 

やがておじさんはそっと男の手を離すと、 

「分かったんなら、、小学生でも分かるルールくらい守れ、、」

「あ、、はい、、、、」

髭学生は、返事すると同時に、神妙な面持ちで、子供達の後ろに並んだ、、、 

「やりゃあ、できんじゃねーか、、、、」

テキヤのおじさんは、今までと打って変わったやさしい笑顔で、そう言うと、何事も無かったような顔で、

「ほれ、、、、僕、残念賞、、、」

笑いながらはずれの景品を子供達に配りはじめた、、、、

 

そんなパンチパーマのおじさんを、お慶さんは、ジーっと熱いまなざしで見つめていた、、、、、 

 

 

「その、パンチパーマのおじさんが、若いころの追島ちゃんだったのよね、ほほほほほ、、、」

「そう、、あとで年齢聞いたら、私と変わらないのがわかって、びっくりしちゃって、、ふふふ、、」

喫茶慶のカウンターで女衒の栄ちゃんと、お慶さんが、うれしそうに笑っていた、、

 

「へえ、、でも、追島さん、、かっこいい、、、」

「でしょー、めぐっぺ、お慶ちゃんもそれで、追島ちゃんに惚れちゃってさ、、それから、まー何処で調べたんだか、追島ちゃんの行く先々のお祭りに、わざわざ足をはこんでね、、、」

「ちょっと、、栄ちゃん!!」

「いいじゃない、本当の事なんだからさ、、」

 

「そ、、それじゃ、お慶さんの方から、追島さんに、、、、!?、、」

僕は驚きのあまり、すさまじい顔でお慶さんを見た、、、 

「ちょっと、君、、なんて顔してんのよ、、その時は仕方なかったのよ、何しろ世間の事、何にも知らない、箱入り娘だったんだから、、、、」

「でも、その話でしたら、前に鬼瓦のおばちゃんから聞いたことがあります、、お慶さん追島さんのために、手づくりのお弁当まで作って、お祭りに姿を見せてたって、、」

「めぐみちゃん、やめて、、古い話なんだから、、、」

「あっ!、、ごめんなさい、、、、でも、それとお花の約束って?、、、、」

 

お慶さんはめぐみちゃんに訪ねられ、カウンターに置かれたスイートピーに目を移した、、

「たしか、そんな頃だったかな、、、、、」 

(わたしが、早起きして作ったお弁当と、デザートのプリンを持ってお不動さんの縁日に顔を出した時、、、、)

 

 

「追島さーん heart04、、、、、」

 

「な、なんだ、君か、、、」

「君かなんてやめて下さい、慶って呼んでってこの間約束したじゃないですか、、、」

お慶さんはプッと頬を膨らませた、追島さんは恥ずかしそうに頭をかくと 

「ご、ごめん、、、け、、慶、、、ちゃん、、」

「ちゃんは余分なんですよね、、、」

「ごめん、、」

「またー、すぐに謝るんだから、、、、」

追島さんは困った顔でお慶さんを見た

「その、困った顔が、とっても可愛いんですよね、、、追島さんって、、、」

 

「か、、可愛いって!?」

 

「それより、もうお昼でしょ、、私、お弁当持って来たんです、、」

お慶さんは手にしていた可愛い紙袋を顔の前に持ち上げた

「えっ、、また、お弁当!?、、、、」

「またって、うれしくないんですか?」

「いや、、そんな事ねえよ、、、う、、うれしいよ、、、」

「よかったー、早起きして作ったかいがあった、、、さあ、食べて食べて、、、」

お慶さんは楽しそうに、お弁当の蓋をあけると、中から小さなハンバーグをフォークにさして、追島さんの口元に近づけた、、、

「ねえ、ねえ、、食べてみて、これってすっごい自信作なんですよ、、」

「あ、、ああ、、」

「はい、追さん、、あーーんして、、、」

「ちょっと慶ちゃん、あ、、あーんって、、」

「はい、、」

「はぐが、、、、!!」

お慶さんは、恥ずかしそうな追島さんの口の中に、なかば強引にハンバーグを押しこんだ、、

 

「ねえ、、どう?、、おいしいですか?、、、」

「ん、、もごもご、、、んまい、、」

「本当!?、、本当においしいですか?、、、」

「あ、、ああ、、ほんとにうまい、、、」

「うれしいーーー」

はしゃぐお慶さんを見て、追島さんは照れくさそうに、、

「ま、まじ、すげえ、、うめえ、、、これだったら、店やれるくらいだ、、、、」

「お店ですか!?」

「あ、、ああ、、、慶ちゃん、食い物屋やったら、繁盛するかも、、ははは、、、」

 

「食べ物屋さん?」

「ああ、定食 慶 なんてな、はははは、、、」

 

「定食 慶、、食べ物屋さんかー、、追島さんがそう言うなら、私、将来その食べ物屋さんになろうかなー」

「ああ、、慶ちゃん、料理うまいから、マジでいいかもしれねーな、、、」

「それじゃ、私、いつかその定食慶、オープンしようっと、、、」

 

「ははは、気が早いな、、じゃあ、その店がオープンした時は、俺が綺麗な花束持って遊びに行くよ、、、」

追島さんはうれしそうに笑いながら、お弁当のおかずをほおばった、、

ところが、お慶さんは急に不機嫌そうに追島さんを見ると、

  

「遊びにって、、何言ってるんですか?、、」

「えっ?、、、」

「私が食べ物やさんをやる時は、追島さんはマスターですよ、、、」

 

「ま、、マスター!?、、」

 

「そう、、、二人で一緒にやるんです、、、、」

「んぐっ!?」

追島さんはあわてて、食べ物をのどに詰まらせながら、真っ赤な顔でお慶さんを見た、そこには、純粋に追島さんを慕う、あどけないお慶さんの笑顔が輝いていた、、

 

 

 

「あいつ、、、、、あの時の約束を、、、」

 

喫茶慶では、お慶さんがたばこを持った手を額にあてながら、呆れた顔で笑っていた、、

 

「あらまあーー、、約束って、そんなことだったんだ、、追島ちゃんらしいわね、、ほほほほほ」

栄ちゃんはお腹を抱えて笑っていた、しかし、僕は決して笑うことができなかった、それは、そんな小さな約束を懸命に果たそうとした、追島さんの悲しい思いが、ひしひしと伝わってきてしまったからだった、、、、

(お、、追島しゃん、、、やっぱり、お慶さんの事を、今でも心から愛しているんだ、、なのにお慶さんには新しい婚約者、、これって、せつなすぎる、、)

僕の脳裏に、再び小さなスイートピーの花束を抱え、切なそうにたたずむマウンテンゴリラの姿が浮かんできた、、、、と、同時に、、 

「うう~、、、、うううぅぅうううぅうううぅうぅぅぅぅ~、、、、」

カウンターの前で、ポロポロと涙をこぼし始めてしまったのだった、、

 

「えっ!?、、ちょっと、まーた君、泣き始めちゃったわけ、、、、」

 

「うううぅぅぅぅ~、しぃましぇ~ん、、らって、追島さんが、、追島さんが、、ぶえぇぇぇぇぇぇん!ぶぇぇーーーん!、」

僕は拳をぐっと握り締めたまま、一人号泣を始めてしまったのだった、、、

「吉宗くん、、泣かないで、、ぐすっ、、泣かないで、、、」

隣にいためぐみちゃんが、ハンカチで目頭をぬぐいながら、僕の手をそっとつかんでくれた、、

 

「あらまーーー!、、ヨッチーちゃんたら、あんたやっぱり超一流だわ~、、、そんな風に人のために泣けるなんて、、私の思ったとおり、超一流だわ~!!」

女衒の栄二さんはそう言うと同時に、ど派手なポーチから、これまたど派手なハンカチを取り出し、

「わかったわー、ヨッチーちゃん、私も一緒に泣いてあげるわー、、ぐおああああああああああああああーーーー!ぐあおあーーーーーーーー!」

恐竜のような奇声を発しながら僕と一緒に大声で泣き始めてしまった、、、 

 

「ねえ、ちょっと君、、それに、栄ちゃんまで、、ま、まだ他のお客さんがいるんだから、、」

突然のハプニングにお慶さんはあわてて、奥のお客さんを見た、しかし栄ちゃんはそんなことなどお構いなしに

「お客が何よ、ヨッチーちゃんが感動して泣いてるんだから、心いくまで泣かせてあげなさいよ、、」

「そんなこと言われても、、」

 

お慶さんの困り顔をよそに、栄ちゃんは、今度はカウンターの端にいた鉄に、

「おい!、そこの金髪小僧、、あんたも、なーに、一人でご飯なんて食べてんのよ、あんたヨッチーちゃんの何なのよ?」

「えっ!?、、じ、、自分は吉宗の兄貴の、、、しゃ、、舎弟分っす!」

急に栄ちゃんに怒られた鉄は、あわててそう叫んだ、

 

「舎弟分~!?、、、だったら、あんたも一緒に泣きなさい!、、、」

 

「えっ!?、、じ、、、じ、、自分もっ、、、すか?、、、、」

「あたりまえでしょーが、つべこべ言ってないで、お泣きーーー!」

 

「ヒーー兄貴ーーーー、ブヒエーーーーーーー!」

 

栄ちゃんの迫力に押されると、どういうわけか鉄までが、僕を見ながら泣き始めてしまった、、、

 

「えええええ!、、ちょっとー君まで~!?、、」

 

「追島しゃ~ん、ぶえぇぇーーーーーん!ぶぇぇーーーーーーん!、、」

「吉宗くーん、うえーーん、うえーーーーん、、、」

「ヨッチーちゃーん、グーよ、極上のグーよーー!!ぐあああおおおおーーーーー!、、、ぐおおおおおおおおーー!」

「あーにきーーー、ブヒエーーーーー!ブヒエーーーーーー!」

  

「どえーーー!、お願いだから、みんなやめてーーーーーー!」

 

夜の堀之内、喫茶慶では、それからしばらく、ジャングルのような奇妙な鳴き声が鳴り響いていたのだった、、、

続き
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第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

シリアスになりつつ、最後の四人号泣で救われましたconfident

吉宗くんの気持ちもわかるけど、本人達にしかわからない事ってあるからな~sad

flairポチ忘れたcoldsweats01
してこよ~っとgood

投稿: けんさぁ | 2009年2月10日 (火) 10時53分

けんさぁさん
ありがとうございますーーcoldsweats01
シリアスなシーンや暗いお話って書いててもしんどいのですが、お笑い系ってとっても楽しいのですよねー^^

やっぱり吉宗くんの基本はお笑い、忘れないようにしなければ、、happy01

投稿: 光一郎 | 2009年2月11日 (水) 01時22分

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