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2009年3月

2009年3月24日 (火)

第81話 吉宗兄貴の武勇伝とお慶さんのチャンス!

「吉宗の兄貴なんて、小学校の時から通ってたんっすよ…」

鉄が僕を思って言った、そのとてつもないありがた迷惑な言葉に、めぐみちゃんは驚きの顔を浮かべていた…

(あーーー!だめだー、もうおしまいだーーー!)

心の中でそう叫んだその時だった、今までキョトンと僕を見ていためぐみちゃんが、急に真っ赤な顔でぷーっと噴き出し、

「…鉄君、それって面白すぎる…くっくっくくく…」

お腹を押さえて笑い始めたのだ…

「吉宗君が小学校から通ってたなんて、ははは、ははははは…」

(えっ!?…)

今度は僕がきょとんとした顔で彼女を見た

 

「めっ…めぐみさん、まじっすよー、吉宗の兄貴はマジで小学校から通ってたんっすよー!」

「まじって、鉄君そんな訳ないじゃない、本当に冗談いって、ははははは…」

「じょ、冗談じゃないっすよ…めぐみさん!」

「はははは…もう、やめてよ、鉄君、笑いすぎてお腹がいたいよ…クックククク…」

めぐみちゃんはお腹を抱えて笑い続けた…

 

(そ、そうだよ…よくよく考えても小学校からソープランドに通っていたなんて話を、信じる人なんているわけないよな…ははは…とんだ取り越し苦労だった…はははは…)

僕はほっと肩をなでおろした、

ところが恐怖の時限爆弾、鉄は、このまま収まってくれはしなかった…めぐみちゃんに笑われてイライラ顔をのぞかせると、 

「めぐみさん!…これだけ言っても、兄貴のこと信じてくんねえんすね!…それじゃ、もっとすげえ兄貴の武勇伝教えるっす…」 

(えっ!?何言いだすんだ、お前…)

僕は再び額に青筋をたらしながら金髪の鉄を見た

 

「はいはい、今度は何ですか?鉄君…」

めぐみちゃんが笑いながら答えると、鉄は顔を真っ赤にして

「あー、めぐみさん、そんな言い方、兄貴の武勇伝に対してに失礼っすよー、」

「失礼?…ふふふ、そうか失礼ね…」

楽しそうに笑いながら、

「それじゃ、吉宗君のもっとすごい武勇伝、教えてくれる?」

いたずら娘のような顔で鉄を見た

 

「へヘヘ…これを聞いたら驚いて、めぐみさん兄貴に惚れ直しちまいますよー!」

 

(や、やめろ…鉄、こ、これ以上何を言うつもりなんだー!)

 

「で?何?…私が惚れ直すお話って…」

 

「デへー!…実は兄貴なんて、廊下で豪快に滑っちまうんすよー!」

(だーーー!このバカ昨夜のソープランドでの事を、ついに言ってしまったーーー!)

 

「ねえ、めぐみさん、すごいっしょー、兄貴マジすごいっしょー!…」

(鉄ー、お願いだから、もうやめてくれーー!!)

僕は心でそう叫ぶと、顔面蒼白になりながら、めぐみちゃんの様子を伺った…

 

ところが、めぐみちゃんは訳の分からない顔で

「廊下で滑る?…」

「そうっす…兄貴ほどになると、部屋から抜け出して廊下で豪快にすべっちまうんす!…」

「部屋から抜けて廊下で…?、何だかよく分からないけど?…」

首をかしげながら、僕の事を見た、

「ねえ、吉宗くん、何?その廊下で滑るって?…」

「えっ?…あっ、さあ?…ぼくにも理解がはははは…」

必死にごまかし笑いを浮かべながら、僕はさっとめぐみちゃんと鉄の間にわって入った、そして鉄の肩をポンッとたたくと

「もっ、もういいよ鉄…僕の武勇伝は、もう語らなくていいから…」

出来る限りの引きつった怖い顔で、鉄を睨み吸えた…

「あっ!?…えっ?で、でも兄貴…」

「もう、いいってば!!」

「あ…はあ…」

更に苦い顔の僕に鉄はそのまま口をつぐんだ……

 

どうにか鉄を黙らせることに成功した僕は、ごまかし笑いを浮かべながら恐る恐るめぐみちゃんに振り返った…しかしそこには、 

「廊下ですべる…?」

小声でそうつぶやきながら不思議そうに首をかしげている彼女の姿があった… 

(ま、まずい…めぐみちゃん、真剣に考えこんじゃってる…)

「ねえ、吉宗くん?」

「はっ、はい?…なっ、なんでしょう…」

「今、鉄君が言った廊下ですべるって…」

めぐみちゃんが不振そうに顔を上げたその時だった…

  

「よっちーちゃーん、おまたーーー!ほほほほほほー!」

堀の内の夜空に聞き覚えのある甲高い声が響き渡った

(その声は、女衒の栄二さん!!)

地獄に仏、その時響いてきた栄二さんの甲高い奇声は、まさに救世主の奇声だった…

「え、栄二さーーん!」

僕は必死に苦笑いをしながら、声が響いてくる方角に手を振った

 

「あらー?ヨッチーちゃんたら、うれしそうに手なんかふっちゃって、まぁ~、かわいいことー、ホーホホホホホホ!」

栄二さんはうれしそうに笑いながら、僕たちのほうに近づいてきていた、そしてその横には、照れくさそうに笑っている綺麗な女性が…

「あれ、お慶さん、お慶さんもいっしょだったんですか?」

めぐみちゃんはそう言った後、はっと驚きの顔を浮かべた…

「ちょっと、お慶さん、どうしたんですか、その顔!?」

「あら、めぐみちゃん、気がついちゃった…化粧で隠したんだけどね…へへへ…」

お慶さんは沢村に殴られた顔で、恥ずかしそうに笑った

 

「な、なんで!?」

「さっきのヤサオトコよ、ホホホホホホ…私が戻ってみたら、お慶ちゃん、ボッコボコにされてたんだわよー、笑っちゃうわよねー、ホホホホホ…」

「だから、笑うところじゃないでしょ…もう、栄ちゃん!」

そんな二人の会話にめぐみちゃんは

「さっきの人って、あの婚約者さん?」

「元婚約者だわよ、めぐっぺ…」 

「元!?…」

「あっ、うん…ちょっと、いろいろとあってね…」

 

そんなお慶さんの言葉に僕は思わず目を輝かせてしまった 

「元って、それじゃお慶さん!?あの人と婚約解消を?」

「ちょっと、君…人の不幸話を聞いて、なんてうれしそうな顔してるのよ…」

「あっ!す、すいません、つい…」

「ついって何?…」

「あの、追島さんにもチャンスが…そう思って…」

「追島にチャンス?…」

お慶さんは一瞬眉間にしわを寄せた

 

「あっ!…す、すいません…つい余計なこと…、追島さん、あんなひどいことしちゃったんだから、やっぱり駄目ですよね…ははは」

僕はあわてて謝りながら、そっとお慶さんの様子を伺った…ところがお慶さんはさっきとは一変した優しい笑顔を僕に向けると、

「追島にチャンスねえ…」

静かにそうつぶやきながら、そっと目をとじた…、そして、ふたたび目を開けると、

「追島に…チャンスじゃなくて…、その逆かもしれない…」

そんな意外な言葉を口にしたのだった…

 

「…逆?」

「えっ!?何で?…」

僕とめぐみちゃんは、目をパチパチしながら、顔を見合わせた…

「あの、お慶さん…逆って?…」

「私が…、私があの人にチャンスをもらえるかどうか…かな?…」

「お慶さんがチャンスを?」

「何で?どっ、どいうして?…」

僕とめぐみちゃんは、訳が分からず、女衒の栄二さんを見た

栄二さんはうれしそうに、手にしていた派手な扇子をパタパタさせると

「まあ、大人には大人の、いろんなことがあるんだわよ…ホホホホ…」

そう言って笑いながら、追島さんのソープランド事件の真相を話してくれたのだった…

 

「そ、それじゃ…、追島さんは、ソープのお姉さんを好きになって暴力事件起こしたんじゃなくて、自分の奥さんをそこで働かせていた、その西条というひどい友達が許せなかった…そんな事情があったんですか!?」

「まあ、そういうことだわね、ホホホホホ…」

無言のお慶さんに代わり、栄ちゃんが笑って答えた…

 

「でも…どうして、追島さん、そんな大切なことを、お慶さんに話さなかったんだろう?…」

「めぐみちゃん、私もさっき聞いた時、そう思ったの…どうして?って…、でも相手の竜一さん、その西条竜一さんの深い事情を思い出して、追島が言えなかった理由が分かった気がしたの…」

お慶さんの言葉に、栄二さんは、仰いでいた扇子を止め…

「事情か…そうね…、西条竜一を鬼に変えた、あの一件か…」

「うん…」

お慶さんと栄二さんは、真剣な顔でうなずきあったあと、しばらく曇った表情をうかべていた…

 

(さいじょう、りゅういち…?)

僕は初めて聞く、その名前に首をかしげながら、じっとお慶さん達の様子を見ていた…

 

そんな重苦しい雰囲気を打ち消すように、栄二さんが大きな声で、

「そうだわ!ヨッチーちゃん、めぐっぺ…あんた達にお願いがあるのよ…」

「お願い?……」

「お慶ちゃん、いいわね、さっきのお話?…」

「あっ…うん…」

栄二さんに促されて、お慶さんは照れくさそうに小さくうなずいた…

 

「いいこと、このお慶ちゃんと追島ちゃんの間に、もう一度チャンスが訪れるよう、あんた達にも協力して欲しいのよ…」

「えっ!?!栄二さん…!それじゃ…」

「そうよ、ヨッチーちゃん…」

「お慶さん、それじゃ追島さんのこと、許してくれるんですね!…」

僕とめぐみちゃんは目をキラキラと輝かせた

お慶さんは恥ずかしそうに微笑むと

「許してほしいのは…私の方……、事情も知らずに一方的にユキを連れていなくなったんだもの、あの人の事を、心から信じてあげなかった私の方……逆に彼が、私のことを許してくれるかどうか……」

「許すに決まってるじゃないですか!、追島さんは今でもお慶さんのを思ってるんですよ、その証拠があのスイートピーの花束じゃないですか!!…」

「うん、そうですよ、お慶さん、大丈夫、大丈夫ですよ!」

 

「それじゃ、二人とも、お慶ちゃんに協力してくれるのね?」 

「あたりまえでしょ、栄ちゃん、そんなうれしいお話、協力するにきまってるでしょ、ねっ、吉宗君!!」

「うん…うん、うん…協力しよう!…めぐみちゃん!」

僕たちは、感激の涙を一杯にしながら、手をとりあって喜んだ…

 

「まあ、ヨッチーちゃんもめぐっぺも、まるで自分のことのように喜んじゃって、可愛いわねー二人とも、ホホホホホー!」

「そうね…本当に、素敵な二人ね…」

栄二さんとお慶さんは、手を取り合ってはしゃいでいる、僕とめぐみちゃんを、楽しそうに見つめていた…

  

(これで、ユキちゃんと追島さんが、元通り一緒に暮らせる!…、ばらばらだった追島さん家族が幸せに戻れる…)

うれしくて、うれしくて…心のそこから幸せ一杯な気分だった…

 

しかし、僕は感激のあまり、重大なことを忘れていた…

それは今、僕が現在立っているこの場所が、どれだけデンジャラスな場所であったかという重大なことだった…

追島さんとお慶さんのことで、喜び一杯の僕の背後に、とてつもなく恐ろしい不吉な影がひたひたと近寄っていたなんて…そのとき僕は考えてもいなかったのだった…

続き
第82話 吉宗君なんて最低!!へ

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2009年3月19日 (木)

第80話 恐怖!ハメリカンナイトな夜

まさに、連夜のデンジャラスナイト…

昨夜に続いて今夜も、ハメリカンナイトのデンジャラスな夜が、襲い掛かってこようとは…

 、

「鉄君って、こういう所、来たことあるの?、、、」

「えっ?、、、、、、」

「ねえ、、もしかして、あるんじゃない?、、銀二さんと一緒に来たとかさ、、」

「あ、、、あの、、その、、、、、、あーははは~!」

恐怖の時限爆弾、鉄は、ほっぺをピンクに染めながら、高級ソープランド、ハメリカンナイトの建物をながめていた…

(うあーー!鉄、バカー、何て顔を!!…それにめぐみちゃん、どうしてー!?…よりによって、そんな危険な質問を…)

僕は心臓をバクバクさせながら、二人のことを見た

 

「あれー?…鉄君ったら赤い顔して、やっぱりあるんだ、ねえ、ねえ…」

めぐみちゃんは、僕の恐怖など露とも知らず、いたずらな笑顔で鉄に話しかけた

(やめれーー、てつーー…言うなよー、絶対に来たなんて、言わないでくれよーー)

祈るような気持ちで、鉄を見た……がっ!…

 

「はい!…あるっス…ゲーヘヘヘヘ~」

 

(どわーーーーー!?、バッ、バカーーーーー!!)

恐怖の時限爆弾には、この状況がどれほど危険なことか、理解できるはずはなかったのだった…

めぐみちゃんは鉄の言葉に、目をぱちぱちすると

「えーー!、鉄君、来たことあるのー!?」

驚きの顔を浮かべて、僕に振り返った

 

「ねえ、ねえ、吉宗くん…聞いた、鉄君来た事あるんだって、すごいびっくりだねー」

「えっ、あっ…そうだね、びっ、びっくりだねー、ははははー」

僕は顔面をひくひくさせながら、作り笑いを浮かべた…

「あれ?吉宗くんどうしたの?…引きつった顔して…」

「えっ?いや…あっ、あの…そう、びっくりしたから、僕もびっくりしたから、ははは…」

めぐみちゃんは、一瞬、不思議そうな顔をしていたが、はっと何かに気がつくと、再び、いたづら娘のような顔で鉄の方を振り返った…

「そういえば鉄君って、まだ、16歳だよね…」

「あ…はい、そうっす…」

「えー!すごい、16歳でこんな所に来た事あるなんて…」

めぐみちゃんの言葉に鉄はきょとんとした顔を浮かべると、

 

「…えっ?すごい?…いやいや自分なんて全然すごくないっす…」

そう言いながら僕の事をチラッと見た…

 

(えっ!?何…なんで僕の事をみるわけ???)

訳がわからない様子の僕に、鉄はぼろぼろに欠けた歯で、ニヤーっと不気味な笑い顔を見せた……と、同時に僕の脳裏に、昨日仕事に行く車中での出来事が…

(そ、そういえば昨日、すべーる、すべるの意味が分からなかった僕が…)

そう鉄と僕の食い違いの会話がよみがえってきたのだ…

 

(あのー、鉄、すべるっていったい?)

(えー、兄貴すべったことねーんすか?だって川崎って言えばすべーる、すべーるの名所っすよ…)

(すべるの名所????)

(兄貴ほどの人が、またふざけちゃって、、、、散々すべりまくってたくせに…)

 

(あ、そうだ!…あの時はまだ、すべるの意味がソープランドだったなんて知らなくて、てっきりスケートだと思っていたから、ぼ、僕は……)

 

(すべるって鉄、そのことか、ははは、、、でも僕がすべったのは小学生以来だからな…うまくすべれるかどうか…)

(しょ、小学生ー!?…) 

(え?…あ、うん、小学生の時、毎週いってたけど…)

(毎週ーーーーー!!)

(え?…うん、毎週、だけど…)

(すげえ……さすがは兄貴だ…小学生ですべってたなんて……)

(さすがって、そんな驚くことじゃないじゃないか、ハハハ、鉄は面白いなー)

(…すげえ…すげえ…やっぱ俺が兄貴とほれ込んだ男だ……)

 

(そ、そうだ…たしか、あの時、あんな会話が…ま、まずい、このままだと、この男、めぐみちゃんに、とっ、とんでも無い事を…)

そう思った僕は、必死に引きつった顔で、鉄に「言うなー、言うなよー」っと目で合図を送った……

(たのむ…鉄…頼むから僕のテレパシーを理解してくれーー!)

そんな悲痛な心の叫びを、受け止めたのか、鉄はうんうんとうれしそうにうなずいた…

(あー、通じた、この男も、このデンジャラスな状況を理解できたんだ…)

ほっと安心した、その時だった…

 

「めぐみさーん、16歳なんて自慢になんねーすよ、ここにいる吉宗の兄貴なんて小学生の時、毎週通ってたんっすよー!でへへへー…」

 

(どぇーー!このバカーー、な、なんてことをーーー!!)

僕はすさまじい顔で鉄を見ると、口をぱくぱくさせ両手をバタバタと振り続けた…

「えっ?…えっ?…もっと?もっとっすか?…」

(ちっ、ちがう、ちがう!)

首をぶるぶると横にふる僕を見て、鉄は、急に何を悟ったのか、うれしそうにうんうんとうなずき、

「そうか、それって、むちゃぶるいっすね、分かりました兄貴がもっと言えって、むちゃぶるいまでするなら…自分はめぐみさんに、兄貴の武勇伝を思いっきり語らせてもらうっすよ!」

(ちっ、ちーがーうーー!それに、むちゃぶるいじゃなくて、武者震いだろー!このバカーー!)

僕は心で叫びながら、めぐみちゃんを見た

そこには驚きの表情で、じっと僕を見ている彼女の姿があったのだった…

続き
第81話 吉宗兄貴の武勇伝とお慶さんのチャンスへ

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2009年3月11日 (水)

下書き吉宗くんを描く光一郎画伯

うさぎさんの撮影用に買ったビデオで、ちょっといたずらしてみましたcoldsweats01

はじめのうちはちょっと見ずらいかなーーーsweat01

時間があるとき、今度はペン入れシーンもお見せしまーすscissors

さあ、家に帰ろうっと。。。happy01note

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第79話 沢村の本性と追島さんはゴリラ以下?

堀の内、喫茶慶…奥の上品なテーブルでは深刻な表情のお慶さんと、いらいらしながらタバコをふかす沢村研二の姿があった…

「ふーー!」

沢村は、落ち着かない顔で煙を吐きだすと、お慶さんをぐっと睨みながら、タバコを灰皿に押し付けた…

「どっ、どういうつもりなんだ、婚約を解消して欲しいって…」

「ご、ごめんなさい…」

お慶さんは、静かに頭をさげると

「あの…ユキのことで…」

そう言ったまま、言葉をつまらせた

 

「ユキちゃんの?、それってどういうこと…ユキちゃんなら僕の子として一緒に暮らすって、そう約束したじゃないか…」

「はい…でも、あの子の心には、まだ…」

「まだって、前の父親のことか?…」

「……」

お慶さんは静かにうなずくと、無言でテーブルの上を見つめていた、

沢村はそんなお慶さんを見ているうちに、額に青筋を浮かばせて目をつりあげ

「ふっ、ふざけるなーーー!」

バンとテーブルを思いっきり叩いた

 

「ご、ごめんなさい…」

お慶さんは、衝撃でひっくり返った灰皿を見ながら、深く頭をさげた、沢村は興奮おさまらない様子で、新しいタバコを取りだすと、鼻息荒く口にくわえ

「それじゃ、まさか…ユキちゃんがあのテキヤの事を忘れられないから、 だから君もあいつとよりを戻すっていうのか?」

「よりを戻す!?」

お慶さんは、あわてて首を横に振った…

「まさか、私があいつと?…そっ、そんなことありえない…絶対にありえません!」

「じゃあ、どうして!?…僕のこと、好きで婚約したんじゃないのか?」

「好きです…、沢村さん、こんな私に対して、本当にやさしくしてくれて、とても感謝してます…」

「それなら、何で婚約解消だなんて言うんだ!?」

 

「それは、あの…ごめんなさい…」

お慶さんは沢村に詰め寄られて、ふたたび頭をさげると

「ユキが…あの子が、あんなにつらい思いをこらえていたなんて、気がつかなかったんです…」

そう言いながら涙をポロポロと流しはじめた…

 

沢村はそんなお慶さんをふつふつとした顔で見ながら、ぶるぶる体をふるわせ

「だからって…何でなんだよ…勝手すぎるじゃないか!」

「ご、ごめんなさい…勝手なのは重々分かっています…で、でも、ユキの気持ちを無視して、私ばかりが幸せになるなんて…出来ないんです……、昨日のお祭りでのユキの様子、それに家に連れ帰ってからも、ずーっと悲しそうに泣き続けていたあの子の事を思うと、私だけが勝手に幸せになるなんて…」

「それに、あの泣き虫な男の子の言葉も…」

お慶さんは、うつむきながら、昨日の縁日、涙と鼻水まみれのぐちゃぐちゃな顔で叫んでいた、僕の顔を思い浮かべた… 

 

(おかーしゃん、お父さんに会いたいユキちゃんの気持ちなんて、あなたにはわからないのれすらーーーーー!) 

 

「私…裏切られた自分の想いばかりで、ユキのことなんて何一つ考えていなかった…、もし、あの子の気持ちを一番に考えていたら…追島と別れることも…」

 

「ふっ、ふざけるなーーー!」

ガシャー!!

「!?」

沢村研二は大声で叫ぶと同時に、目の前のテーブルをひっくり返して立ち上がった!

 

「勝手だ、お前は本当に勝手な女だ!!」

「………」

「子供にも勝手だが、俺にも勝手だ!、本当に勝手だー!」

「ご…ごめんなさい…!本当にごめんなさい、貴方に対しても、ひどいことをしてるって…分かってるんです…ごめんなさい…ごめんなさい…」

お慶さんは、倒れたテーブルの横にひざまずくと、泣きながら沢村に謝りつづけた

 

「謝って済む問題じゃない!」

「ご、ごめんなさい…この償いはしますから…」 

「つぐない?…」

沢村研二はお慶さんのその言葉に、一瞬氷のような笑みを浮かべた…

 

「ほーう、つぐないか…おもしろい、で?どう償うって言うんだ…」 

「あ、あの…」

「こんな一方的な婚約の解消だからな…それじゃ、きっちりと償ってもらおうじゃないか…」

「は…はい、私に、出来る限りのことは…」

「よし!…じゃあ、一千万用意しろ!それが用意できたら、婚約解消を認めてやる!」

 

「いっ、一千万!?」

お慶さんは驚きの顔で沢村を見上げた

 

「ああ、一千万だ、俺の傷ついた心には、それでも足りないくらいだ…」

沢村は鋭い目でほくそ笑みながら、お慶さんを見下ろした

 

「む、無理です…そんな大金、この店をオープンさせて借金だらけの私には、無理です…」

「無理?…」

「は、はい…」

「おい、さっき償うって言っただろ?」

「はい…で、でも、私にできる限り…」

「だから、出来るだろ…一千万くらい、お前だったら…」

 

「えっ!?」

沢村はくわえていた煙草に火をつけると、不気味な笑顔をお慶さんに近づけ

「お前にとっては、一千万くらい、どうってことないんじゃないか?…いや、お前の親父にとってかな……」

「私の父!?」

「ああ、知ってんだよ、お前の親父は、このあたりでも有名な資産家だって…」

沢村は今まで見せたことのない冷徹な目で、じっとお慶さんを見た

 

「な、何を言ってるんですか?、け、研二さん…私の父が資産家だなんて…」

「はあ?…何とぼけてるんだ?俺が知らなかったとでも思ってるのか?」

「………そ、そんな…」

お慶さんは驚きの顔で沢村を見ていた

「あっ!?…」 

沢村はそんなお慶さんの様子に思わずハッとすると…

 

「あっ、す、すまない…つ、ついカッとなってしまって…」

急に態度を変え、神妙な面持ちで、その場にしゃがみ込み、しばらくじっとうつむいていた

「研二さん?…研二さん?…」

お慶さんは沢村の肩に手をかけた、するとうつむいていた沢村は、ぐしゃぐしゃに崩れた泣き顔をあげ、

「ご、ごめん…慰謝料だなんていって、本当にごめんよ、実はどうしても、お金が必要だったから…」

そう言ったあと、お慶さんの膝に頭をおしつけて、大声で泣き出したのだった…

 

「研二さん、お金っていったいどうして?…ねえ、研二さん…」

「じ、実は僕はヤクザ金融の男からお金を借りてしまって…その借金を払わないと、僕は…飛行機で明日海外に、それで…」

「海外?」

「ヤクザ金融の男が、僕の臓器を売って金利にするって…ううぅー!」

沢村はお慶さんにしがみつきながら、おいおいと泣きじゃくった…

「そ、そんな、臓器を売るだなんて…」

お慶さんは、青ざめた顔で

「研二さん、借金っていったいどれくらい?…」

お慶さんの言葉に、沢村は膝の上でにやりと笑った、そしてぼろぼろの顔をあげると

「さ、三千万円…」

ボソッとそうつぶやいた

「三千万って!?…」

「慶さん、こんな事を君に頼むなんて、情けないんだけど、助けてくれ!…僕を助けてくれ!」

「研二さん?…」

「慰謝料だなんて言って、すまなかった…、ただ、どうしても三千万、いや一千万でもいいから、お金が必要なんだ!」

沢村は追いすがるような目で、お慶さんをみた 

「一千万でもって、そう言われても、私にはそんな大金…」

 

「お父さんに、慶さんの資産家のお父さんに、お願いしてもらえないか?…君のお父さんならそれくらいたやすいだろう、必ず返す、いつか絶対に返すから、頼んでもらえないか?…なっ、なっ?慶さん…」

沢村は必死になってお慶さんに頭を下げ続けた…

お慶さんはそんな沢を、寂しそうに見ながら

「研二さん…、私の父が資産家だなんて、どこで聞いたんですか?…」

「えっ!?」

「どこで聞いたか知りませんが、勘違いしてるわ…」

「勘違い?」

沢村は眼をぱちぱちしながらお慶さんを見た

「ええ、勘違いよ…、私の父は確かに以前は大きな会社を経営していたけれど、今は資産家でも何でもないわ…」

「今はって?なっ、何言ってんだ?」

「父は二年前、事業に失敗して、土地も何もすべて失ったの、今は年老いた母と年金暮らしです、それに私は、その前に、父から勘当された身です…」

「何?…お、おい何言ってんだ?お前…勘当の身って!?…」

「追島と一緒になるとき、ヤクザの身内は御免だって、父に絶縁されました…」

 

沢村はお慶さんの言葉に、あわてて立ち上がると、 

「ちょ、ちょっと待てよ…、お前が資産家の娘だって、三波が…やつがそう教えてくれたから、俺は!」

「三波先生が?…」

「この店だって、借金とか言いながら、本当は親父がスポンサーになって作ったって、あいつが…三波がそう言ってたんだぞ…」

沢村は突然おろおろしながら、お慶さんを見た

「それじゃ、三波先生にそう教えられて…研二さん、あなたは、私と?…」

「…あ、いや…」

 

「このお店は私が今までコツコツ働いたお金と、銀行の借金でオープンしたものです…」

「……!?」

沢村はしばらく呆然とした顔で、お慶さんを見ていたが、やがてみるみると目玉を血走らせはじめ…

 

「ふーざけるなーーー!それじゃ、俺は三波の野郎の勘違いで、こんな三十路のこぶつき女と!…」

突然逆切れして、お慶さんにどなりつけた

その言葉に、さすがのお慶さんも怒りをあらわに、 

「そ、そんな…、ず、ずいぶんじゃない!?…その言葉!…」

「やかましーー!このバツイチ女がー!!」

沢村は怒りで顔を真っ赤にすると、今度はお慶さんの髪の毛をむんずと鷲づかみにした

「い、痛い!なっ、何よー、放してよ!」

 

「うるさいーー!」

切れた沢村は、怒鳴りながらお慶さんの顔を思いっきり、拳でなぐりつけた

 

「きゃーっ!?」

「何がきゃーだ、小娘みてえな声だしやがってーー!」

沢村は再びその拳でお慶さんの顔を殴りつづけた

 

「やっ、やめて!やめてー!」

 

「やかましいーー!資産家じゃねーなら、お前の身体で婚約解消の慰謝料用意しろー!ソープにでも何でも身を売って、金を用意しろー!さもねーと、お前もあの生意気な娘も、たたじゃすまねーぞー!こらーー!」

沢村研二はついに、その本性の冷酷な姿をむき出しにしたのだった、

そして、ふたたび、お慶さんめがけてその拳を振り上げた、

その時だった、振り上げた拳を、後ろから大きな腕がガシッと押さえつけたのだ

「何!?」

「あっ!」

沢村とお慶さんはハッと驚きの顔を浮かべた…

 

「かよわい女に暴力ふるうなんて、最低じゃない…あんた…」

沢村の腕を握った主、それは女衒の栄二さん、その人だった

 

「お慶ちゃんの事が、心配だって、めぐっぺが言ってたから、私も気になって戻って見たけど…まあ、来て本当によかったわー!」

「栄ちゃん!…」

お慶さんは口から血を流しながら、泣き顔で栄二さんを見た

 

「お慶ちゃん、だから言ったでしょ、この男は、女を食い物にする男だって、だから絶対にダメだって、ホホホホホ…」

栄二さんは、甲高い奇声で笑いながら、沢村をギロッと睨み据えた…

 

「な、なんだよ…お前は!…これは俺とこの女の問題だ!」

栄二さんに腕を握られた状態で、沢村も必死に睨みかえした

「何が問題よ…まったく、虫もつぶさないような顔して、たちの悪い男だこと…」

「何だとー、このおかま野郎が!」

沢村は叫ぶと同時に反対の拳を栄二さんめがけて振り上げた

バキッ!!

沢村の拳が栄二さんの四角い顔面にめり込んだ…

しかし、栄二さんは、拳をもろに受けながらも、まばたきひとつせず、ジーッと沢村の事を見据えていた…

 

「な、何だ、こいつは!?…」

 

「先に殴ったわね…あんた、先に私の事、殴ったわね…」

「えっ!?」

栄二さんはペロッと舌舐めずりすると、その大きな四角い頭を勢いよく沢村に顔面めがけてぶち当てた

バグオーー!

「ぶおぁーーーー!」

鈍い音とともに、沢村研二は吹き飛ばされた…

 

「正当防衛よ!今のは正当防衛よー!」

栄二さんは大声でそう叫ぶと、お尻をぷりぷりさせながら、沢村の元へ駆け寄り、やつのネクタイを握ってぐっと締め上げた

 

「ぐえ…くっ、くるしいー、はなせー!…」

沢村は苦しそうに栄二さんを見て、そこで、「はっ!?」と驚きの顔を浮かべた…

「あっ、あわ、あわわ!?」

沢村の前には、今までのような、ひょうきんおねえ姿とはまったく別人の、まるで閻魔大王のような顔に変貌を遂げた、女衒の栄二さんの姿があったのだ…

栄二さんは閻魔の顔をさらに真っ赤にすると、沢村研二の顎をグイッと握りしめ、

「おい!…この、便所バエ男!」

「べ、便所バエ?…」

「いや、便所バエの方が、まーだ役に立つ…おうコラ~!このミジンコ野郎!…てめえ、お慶ちゃんに手あげて、このままで済むと思うなよ!」

栄二さんはすさまじい顔で、沢村を空高く持ち上げた…

 

「ぐえー、痛い…痛い、はなせ…ぼ、暴力はよせ!暴力は!…」

「何が暴力はよせだ、てめえのどの口が、そんな事ぬかしてやがんだ、おーコラー!!」

栄二さんはどすの利いた声で、沢村を怒鳴り飛ばした…

「あっ、はっ、すいません、すいません!」

「すいませんで、済むとおもってるのか、このギョウ虫野郎がー!」

メキメキ、メキメキ…

栄二さんは両手で沢村を高々持ち上げると、その怪力でやつの首を締めあげた

「くっ、く、苦しい、苦しい…死ぬ…し…」

沢村研二は口から泡を吹きながら、白目をむき始めた…

 

「だ、ダメよー、栄ちゃん、そんなことしたら、この人、死んでしまうわ!」

お慶さんはあわてて栄ちゃんの腕にしがみついた

 

「死んだっていいのよ、こんな寄生虫、生きてたってろくな事ないんだから!」

「ダメだってば、栄ちゃん!お願いやめて、栄ちゃん!!」

お慶さんに止められた栄二さんは、しかたなく沢村研二を床に投げ捨てた…

 

「ゲホッ!ゲホッ!!…慶さん、やっぱりあなたは、僕の事を思って…!」

沢村が首を押えながら、お慶さんにひきつった笑顔を浮かべると、

「残念だけど、あんたの事心配して止めたんじゃないんだよね…」

「えっ!?」

「私はね、あんたみたいな男の命と引き換えに、栄ちゃんが刑務所に行かなければならない、そっちが悲しくて止めたんだよ…」

「えっ!?……」

お慶さんの言葉に沢村研二は呆然と涙目を浮かべた…

そんな沢村のそばに再び栄二さんが、その四角い顔を近づけると

「おいっ!…この大腸菌野郎、今日のところはお慶ちゃんに免じて、我慢してやるがな…、今度、お慶ちゃんに近づいてみろ、ぐちゃぐちゃのミンチにして、多摩川のダボハゼの餌にしてやるからな!!コラ!!」

「はっ…はい、はいっ!」

「分かったら消え失せろ!このピロリ菌野郎!」

「はい、はい!」

沢村研二は直立不動でそうさけぶと、あわてて喫茶慶から走り去って行った

 

お慶さんは、そんな沢村の後姿を、寂しげにじーっと見たあと 

「ありがとう、栄ちゃん…」

深く頭をさげた…

「何言ってんのよ、水臭いわね…、それにしてもまあ、派手にやられたものね…せっかくの美人がひどい顔だこと、ホホホホホホ…」

「笑い事じゃないでしょ、こんなにひどい目にあってるって言うのに…」

「自業自得よ、あんたが、あんなたちの悪い男に騙されたりするからじゃない…」

「たしかに、その通りね、ふふふ…ふふふふ…」

お慶さんはそう言って笑いながらも、どこか寂しげな表情を浮かべていたが、ふたたび栄二さんの方を向きなおすと

「ありがとう…栄ちゃんのおかげで、本当に助かったし、それに騙されて悔しいけれど、さっぱりさせてもらったしね…」

「お礼なら、めぐっぺとヨッチーちゃんに言ってちょうだい、何しろあの子たち、すごーく心配してて、それで私も戻ってきたんだからさ、ほほほほほ~!」

「そうね、二人ともとっても優しくて、素敵な子…今度来てくれたときは、腕によりをかけておいしい御馳走しなくちゃね、ふふふ…」

お慶さんはすっきり晴れた表情で笑った、そして栄二さんも何時の間にか、さっきまでの閻魔大王から、元のひょうきんなおネエに戻っていた…

 

「あっ!そうだわ…お慶ちゃん、あんたに言い掛けていたことだけど…」

栄二さんは再び真剣な顔でお慶さんを見た

「追島ちゃんが暴行事件を起こした、あの一件…」

「あー、またそれ?」

お慶さんは追島さんの名前を耳にしたとたん、不快な顔に変わった…

 

「あんた知らないみたいだから言うけどさ、あの日追島ちゃん、指名したソープ嬢に対して指一本触れてないのよ…」

「えっ!?」

お慶さんははっと目を見開いた

「うそ!栄ちゃん、今さらそんな嘘ついて、どうしようって言うのよ…」

「嘘って失礼ね、あんた…事件の後すぐ、そのお店の店長と女の子達から聞いたことだから、確かなことよ…」

「…確かって、ど、どうして?…」

栄ちゃんは真剣な顔でお慶さんに話しを始めた

「追島ちゃんね、あの日お店に入ってすぐ、そのソープ嬢の写真を見て、急に血相を変えたんだって…」

「何?何でそんなこと…」

「実は、そのソープ嬢の子ね、追島ちゃんが、よーく知ってる女の子だったのよ…それであいつ、あわててその子を指名したのよ…」

「知ってる子!?」

「そうだ、お慶ちゃん、あんただって知ってるはずじゃない、…君江ちゃん、覚えてるでしょ、君江ちゃんよ!」

「き、君江ちゃん…って!?…あの、もしや…えー!?」

お慶さんは、急に顔をひきつらせた、

 

「そうよ、その君江ちゃんよ!…西条竜一、やつの奥さんだった君江ちゃんよ!」

「うっ嘘!?…嘘でしょ栄ちゃん…」

「こんな嘘ついてどうするって言うのよ…」

 

お慶さんは、ショックで顔を引きつらせていたが、やがて、はっと何かを察して、真剣に栄二さんを見た

「栄ちゃん…それじゃ、まさか…?、追島が暴行を加えた女の子のヒモって?…」

「そうよ、西条よ、西条竜一よ…」

 

「えー!?なっ、何でー、あいつ留置場で、そんなこと一言も…」

「やっぱり、そのことあんたに話してなかったんだ、あいつ…」

お慶さんはひきつった顔で、うなずいた…

栄二さんは呆れ顔でおでこを抑えると

「まったく、馬鹿よねー、だからゴリラ以下の脳みそだって言われるのよ、あの馬鹿チン!!…そんな大切なこと、お慶ちゃんに言わないんだから、不器用すぎるの通り越して、本当の馬鹿チンよ!…」

ぷりぷりと怒りはじめた…

そんな栄二さんを横目に、お慶さんも

「馬鹿よ…本当にあいつ馬鹿じゃないの…あの時そんなこと、そんな大切なことを隠してるなんて…ばっ、馬鹿よ!!…」

震える唇で、何度も何度もそうつぶやいていた…

そして、その瞳からは大粒の涙が、とめどなくこぼれ落ちていたのだった…

続き
第80話 恐怖!ハメリカンナイトな夜へ

イラストカットは近日アップします^^

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2009年3月 6日 (金)

第78話 イケメン三波VS追島さん

「ぐわっ、いててて……」

ひばり保育園では、追島さんに腕を締め上げられた、イケメン三波が苦痛の顔を浮かべていた…

「ふざけやがって、母親が病気だぁ?…見え透いた嘘つきやがって…」

「うあーーー痛い、痛い痛い痛い……!た、助けて…」

「何が助けてだ、この小僧……」

追島さんは、さらに三波の腕を絞り上げると、その手からお金の入った封筒と取り上げた、

「祭りで見た時、どこかで見た面だと思ったら、てめえ西条の舎弟だった小僧だな…」

「!?」

「西条は何処だ?…ここにツラ出してた事は、分かってんだ、野郎は今何処にいる?」

「うぐっ…!」

「何処にいるんだ?…小僧!」

追島さんの鬼のような形相に、三波は一瞬顔を引きつらせたが、何を思ったか、ふっと口もとに笑みを浮かべると、春菜先生に突然情けない顔を向け

「うわーーー!!…た、助けて…助けてー、春菜先生!!殺されるーー!殺されるーー!」

大声で泣き叫びはじめた…

「み、三波先生!?」

「助けてーー、春菜先生ー、この人に殺されるーー!!うわーー、うわぁーーー!」

 

「こ、殺されるだぁ?」

突然号泣しはじめた三波に、追島さんは、一瞬たじろいだ…

 

「春菜先生ー、助けてーー、この人ですよー、僕の事を殺そうとしたヤクザは、この人なんですー!」

「お、追島さんが!?」

春菜先生は追島さんを見た

 

「殺そうとしたヤクザ?…何言ってんだてめえ…」

 

と、そこへ、 

「何ですかー、何があったんですかー!?」

騒ぎを聞いた、園長が、あわてて近づいてきた

三波は今度は園長に向かって、大声で泣きながら

「園長ーー、助けてーー!この人に殺されるーーーー!」

「こっ、殺されるって!?」

園長は引きつった顔で追島さんを見た…

 

「て、てめえ、さっきから何を訳のわからねえこと!?」

追島さんは戸惑いながら、一瞬、三波の腕を放した、

三波はその隙に、追島さんの元からすり抜けると、大慌てで園長の背後に逃げ込み

「園長ー、この人です!…この人が僕の顔をこんな風にした人です!」

「なんですって!?」

 

「まっ、まさか、追島さんが、そんな…」

春菜先生は驚いた顔で、追島さんを見た

  

「この小僧がぁー!」

追島さんは怒りでこめかみを引きつらせながら、ふたたび三波に襲い掛かろうとした…

と、その時だった…

 

「やめてー!!」 

「!?」

「や、やめて下さい、追島さん!」

そこには、必死に叫びながら、追島さんにしがみついている春菜先生の姿があった…

「お願いです、追島さん、どうか、どうか三波先生を許してあげてください!」 

「何言ってんですか先生、この野郎は…!」

 

「逃げてー、逃げて三波先生!!」

「なっ、何!?」

「早く逃げて、三波先生!!」

春菜先生は追島さんにしがみ付きながら、夢中でそう叫び続けた!

 

「な…、何で、先生!?」

追島さんは驚いた顔で春菜先生を見た、

イケメン三波は、そんな二人の様子を、冷めた表情で見たあと、ふっと口元に笑みを浮かべ、そそくさとその場から姿を消した…

「ま、待て、こらーーーー!」

追島さんはあわてて叫んだが、必死にしがみついている春菜先生のせいで、三波を追うことが出来なかった…

 

「先生!何でだ…、あんた、あの野郎に騙されてるんですよ!」

三波の消え去った廊下で、追島さんは、春菜先生を見た…

「騙されてるんだよ、先生!!」

春菜先生は、追島さんの言葉にうつむくと、その目からポロポロと涙をこぼし、小さくうなずいた…

 

「春菜さん…今のお話しどういう事?あなたが騙されたって、それにこの方は?」

「園長…こちらは、ユキちゃんのお父様です…」

「ユキちゃんの!?、で、でも…三波先生が殺されるって、顔の傷もこの方にって…」

園長は、恐る恐る追島さんを見た

 

「待ってくれよ、おい…おっ、俺は何も…」

「だ、だけど…」

「園長、追島さんはそんな方ではありません!」

「えっ、で、でも…」

「本当にこの方は…追島さんは、違います…」

春菜先生の言葉に、追島さんは首をかしげると

「じゃあ、やつが嘘をついてるっ分かってて、何で逃がしたりしたんですか?先生…」

 

「分からない…分からないけれど、私…気がついたら、あんなことを…」

「気がついたらって…」

「彼のお母さんが病気でっていうお話し、あれも嘘だって、私、うすうす気がついてました…でも…気がついていたけれど…」

 

「先生……まさか、野郎のこと…」

 

春菜先生は小さくうなずいた、そして目にいっぱいの涙を浮かべ、真剣に追島さんを見ると、

「分かっていたけど、ほうっておけないじゃないですか!…あの人が、あんな風に顔を腫らして…ほっておけないじゃないですか…」

そう訴えながら、廊下に泣き崩れてしまった…

「せ、先生…」

追島さんは、そんな春菜先生の姿を、ぐっと怖い表情で、静かに見つめていたのだった…

 

 

 

「あぶねえ、あぶねえ…、春菜のやつ、まさか追島の野郎を連れ込んでやがったとはよ…」

春菜先生に救われ、外に逃げ延びたイケメン三波は、にくにくしい顔で保育園を振り返った

「しかし、まいったな…とんだ邪魔のせいで、西条さんの今夜の遊び代、用意できなくなっちまったぜ……やっべえなー」

三波が苦い顔で、園の駐車場近くに差し掛かった時だった、

 

「おい!…若造!」

突然スキンヘッドの巨大な影が、三波の前に立ちはだかった…

 

「うわぁ!…な、何だあんた!?」

「何だじゃねえ、てめえに聞きてえ事がある…ツラかせや…」

巨大な影、それはスキンヘッドの熊井さんだった…

三波は熊井さんの二メートルの巨体に睨まれると、ひきつった顔で

「なっ、なんですか?…ぼ、僕に何か、ご、御用でしょうか?…」

カタカタと足を震わせながら返事を返した…

 

「聞きてえ事があるって言っただろうが…」

熊井さんは、その巨体から、長い腕を伸ばすと、三波の頭をぐっと、鷲づかみにした

「な、な、な…、何ですか?…な、何をするんですか!?」

「西条の事だ、てめえ、野郎の舎弟だったんだってな?」

「しゃ、シャテイ?…何の事ですか?…ぼ、僕はここの保育園の、ほ、保父で、そんなこと言われても…」

三波のとぼけた顔に熊井さんは、その怖い顔をさらにパワーアップさせた、それは僕が以前この人と闘うはめになった時見せられ、思わず幽体離脱に追い込まれた、あの鬼の形相だった…

「ひーーーーーー!」

さすがの三波も恐怖で顔をひきつらせた、熊井さんはぐっと三波に顔をすりつけると

「西条はどこだ?知ってるんだろ、てめえ、西条の居場所…」

「い、いや…あ、あの知りません、知りません…」

「しらばっくれんじゃねえ、西条は何処だー!?」

熊井さんはイケメン三波の頭をぐっと持ち上げた…

と、その時だった

 

「ワイなら、ここやで…」

 

熊井さんの背後に大きな影が姿を現した

「何っ!?」

熊井さんが振り返った、と、同時に、大きな影は手にしていた、木刀を熊井さんの頭めがけて、おもいっきり振り下ろした

ガゴッ!!

「ぐおぁーーー!?」

熊井さんは脳天から血を噴き出しながら振り返ると、その場で仁王立ちしながら、大きな影を睨み据えた 

「何や、相変わらず、しぶといハゲやのう…」

大きな影はふてぶてしくつぶやくと、再び熊井さんの頭めがけて、木刀を何度も振り下ろした

 

バキッ!!ガツッ!!グシャッ!!

 

「ぐぉーーー!……おどりゃーー!」

熊井さんは血まみれの顔で、そう言い残すと、鬼のような形相のまま、その場に崩れ落ちた…

 

「この2メートルのハゲが……!おう、三波…このボケな、生意気にワイのことを焼き入れたるって息巻いてたらしいで…ハハハ…」

巨大な影は、魔物のような顔で笑いながら三波に振り返った、そう、それは、西条竜一、その人だった…

 

「さ、西条さん…」

「なんちゅう情けないツラしとるんや、アホ…それにしても、まさか、この連中が、ワイのこと探しとったとはのう、危ない危ない…」

西条は熊井さんの頭を足でこずきながら、蛇のような目を三波に向けると

「で、銭は用意でけたんやろうな?」

「あっ!そ、それが西条さん…とんだ邪魔がはいってしまって…」

「なんやー、それじゃ銭もつくれんと、おめおめ出てきたんか?」

「す、すいません!」

イケメン三波は引きつった顔で西条に頭をさげた

 

ゴツッ!

「うぐ!…」

三波の頭に鈍い痛みが走った… 

西条は持っていた木刀の先を、三波の頭に押し付けながら、恐ろしい顔で睨み吸えていたのだった

 

「おうこら、三波!…われ、まさかわいがはるばる尋ねて来た言うのに、何の接待もせんと、このまま黙って大阪に帰れ言うつもりちゃうやろな?…」

「あっ、いえ、そんなつもりは…」

「ほたら、接待する遊び代も無しに、どないするつもりや…」

「そ、それでしたら、自分がもっといい接待させてもらいますんで、はは…はははは…」

「もっとええ接待?」

「は、はい…くろうとじゃなく、たまには素人の生きのいいの、用意させてもらいますから…」

「ほう、素人なあ…」

西条はニヤニヤしながら、いやらしい表情であごの下をなでた、

三波は少しほっとした顔をすると

「はい、自分に任せてくださいよ、西条さん……」

 

「関東の素人か、それも、ええのう…ほいたら、さっそくわいの車で行こうか…」

西条はうれしそうに笑いながら、ポケットから車のキーを取り出すと、三波に向けて放り投げた…

「あっ、えっ!?」

三波はあわてて鍵を受け取ると、それを見て一瞬戸惑いの顔を浮かべた

「あ、あの、この鍵は!」

「おう、そうや、沢村はんがきっちり金利つけるまで預かることにした、わいの愛車や…、ほれ、あれや、あの車や……、なかなかおしゃれーで、ええ車やなぁ、三波…」

西条はニヤニヤしながら、駐車場に置かれた、一台の車に目を向けた

そこには黄色いボディーに可愛い小鳥達のペイントがなされた、保育園バスが、ひっそりと留められていたのだった…

続き
第79話 沢村研二の本性と追島さんはゴリラ以下へ

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