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2009年3月11日 (水)

第79話 沢村の本性と追島さんはゴリラ以下?

堀の内、喫茶慶…奥の上品なテーブルでは深刻な表情のお慶さんと、いらいらしながらタバコをふかす沢村研二の姿があった…

「ふーー!」

沢村は、落ち着かない顔で煙を吐きだすと、お慶さんをぐっと睨みながら、タバコを灰皿に押し付けた…

「どっ、どういうつもりなんだ、婚約を解消して欲しいって…」

「ご、ごめんなさい…」

お慶さんは、静かに頭をさげると

「あの…ユキのことで…」

そう言ったまま、言葉をつまらせた

 

「ユキちゃんの?、それってどういうこと…ユキちゃんなら僕の子として一緒に暮らすって、そう約束したじゃないか…」

「はい…でも、あの子の心には、まだ…」

「まだって、前の父親のことか?…」

「……」

お慶さんは静かにうなずくと、無言でテーブルの上を見つめていた、

沢村はそんなお慶さんを見ているうちに、額に青筋を浮かばせて目をつりあげ

「ふっ、ふざけるなーーー!」

バンとテーブルを思いっきり叩いた

 

「ご、ごめんなさい…」

お慶さんは、衝撃でひっくり返った灰皿を見ながら、深く頭をさげた、沢村は興奮おさまらない様子で、新しいタバコを取りだすと、鼻息荒く口にくわえ

「それじゃ、まさか…ユキちゃんがあのテキヤの事を忘れられないから、 だから君もあいつとよりを戻すっていうのか?」

「よりを戻す!?」

お慶さんは、あわてて首を横に振った…

「まさか、私があいつと?…そっ、そんなことありえない…絶対にありえません!」

「じゃあ、どうして!?…僕のこと、好きで婚約したんじゃないのか?」

「好きです…、沢村さん、こんな私に対して、本当にやさしくしてくれて、とても感謝してます…」

「それなら、何で婚約解消だなんて言うんだ!?」

 

「それは、あの…ごめんなさい…」

お慶さんは沢村に詰め寄られて、ふたたび頭をさげると

「ユキが…あの子が、あんなにつらい思いをこらえていたなんて、気がつかなかったんです…」

そう言いながら涙をポロポロと流しはじめた…

 

沢村はそんなお慶さんをふつふつとした顔で見ながら、ぶるぶる体をふるわせ

「だからって…何でなんだよ…勝手すぎるじゃないか!」

「ご、ごめんなさい…勝手なのは重々分かっています…で、でも、ユキの気持ちを無視して、私ばかりが幸せになるなんて…出来ないんです……、昨日のお祭りでのユキの様子、それに家に連れ帰ってからも、ずーっと悲しそうに泣き続けていたあの子の事を思うと、私だけが勝手に幸せになるなんて…」

「それに、あの泣き虫な男の子の言葉も…」

お慶さんは、うつむきながら、昨日の縁日、涙と鼻水まみれのぐちゃぐちゃな顔で叫んでいた、僕の顔を思い浮かべた… 

 

(おかーしゃん、お父さんに会いたいユキちゃんの気持ちなんて、あなたにはわからないのれすらーーーーー!) 

 

「私…裏切られた自分の想いばかりで、ユキのことなんて何一つ考えていなかった…、もし、あの子の気持ちを一番に考えていたら…追島と別れることも…」

 

「ふっ、ふざけるなーーー!」

ガシャー!!

「!?」

沢村研二は大声で叫ぶと同時に、目の前のテーブルをひっくり返して立ち上がった!

 

「勝手だ、お前は本当に勝手な女だ!!」

「………」

「子供にも勝手だが、俺にも勝手だ!、本当に勝手だー!」

「ご…ごめんなさい…!本当にごめんなさい、貴方に対しても、ひどいことをしてるって…分かってるんです…ごめんなさい…ごめんなさい…」

お慶さんは、倒れたテーブルの横にひざまずくと、泣きながら沢村に謝りつづけた

 

「謝って済む問題じゃない!」

「ご、ごめんなさい…この償いはしますから…」 

「つぐない?…」

沢村研二はお慶さんのその言葉に、一瞬氷のような笑みを浮かべた…

 

「ほーう、つぐないか…おもしろい、で?どう償うって言うんだ…」 

「あ、あの…」

「こんな一方的な婚約の解消だからな…それじゃ、きっちりと償ってもらおうじゃないか…」

「は…はい、私に、出来る限りのことは…」

「よし!…じゃあ、一千万用意しろ!それが用意できたら、婚約解消を認めてやる!」

 

「いっ、一千万!?」

お慶さんは驚きの顔で沢村を見上げた

 

「ああ、一千万だ、俺の傷ついた心には、それでも足りないくらいだ…」

沢村は鋭い目でほくそ笑みながら、お慶さんを見下ろした

 

「む、無理です…そんな大金、この店をオープンさせて借金だらけの私には、無理です…」

「無理?…」

「は、はい…」

「おい、さっき償うって言っただろ?」

「はい…で、でも、私にできる限り…」

「だから、出来るだろ…一千万くらい、お前だったら…」

 

「えっ!?」

沢村はくわえていた煙草に火をつけると、不気味な笑顔をお慶さんに近づけ

「お前にとっては、一千万くらい、どうってことないんじゃないか?…いや、お前の親父にとってかな……」

「私の父!?」

「ああ、知ってんだよ、お前の親父は、このあたりでも有名な資産家だって…」

沢村は今まで見せたことのない冷徹な目で、じっとお慶さんを見た

 

「な、何を言ってるんですか?、け、研二さん…私の父が資産家だなんて…」

「はあ?…何とぼけてるんだ?俺が知らなかったとでも思ってるのか?」

「………そ、そんな…」

お慶さんは驚きの顔で沢村を見ていた

「あっ!?…」 

沢村はそんなお慶さんの様子に思わずハッとすると…

 

「あっ、す、すまない…つ、ついカッとなってしまって…」

急に態度を変え、神妙な面持ちで、その場にしゃがみ込み、しばらくじっとうつむいていた

「研二さん?…研二さん?…」

お慶さんは沢村の肩に手をかけた、するとうつむいていた沢村は、ぐしゃぐしゃに崩れた泣き顔をあげ、

「ご、ごめん…慰謝料だなんていって、本当にごめんよ、実はどうしても、お金が必要だったから…」

そう言ったあと、お慶さんの膝に頭をおしつけて、大声で泣き出したのだった…

 

「研二さん、お金っていったいどうして?…ねえ、研二さん…」

「じ、実は僕はヤクザ金融の男からお金を借りてしまって…その借金を払わないと、僕は…飛行機で明日海外に、それで…」

「海外?」

「ヤクザ金融の男が、僕の臓器を売って金利にするって…ううぅー!」

沢村はお慶さんにしがみつきながら、おいおいと泣きじゃくった…

「そ、そんな、臓器を売るだなんて…」

お慶さんは、青ざめた顔で

「研二さん、借金っていったいどれくらい?…」

お慶さんの言葉に、沢村は膝の上でにやりと笑った、そしてぼろぼろの顔をあげると

「さ、三千万円…」

ボソッとそうつぶやいた

「三千万って!?…」

「慶さん、こんな事を君に頼むなんて、情けないんだけど、助けてくれ!…僕を助けてくれ!」

「研二さん?…」

「慰謝料だなんて言って、すまなかった…、ただ、どうしても三千万、いや一千万でもいいから、お金が必要なんだ!」

沢村は追いすがるような目で、お慶さんをみた 

「一千万でもって、そう言われても、私にはそんな大金…」

 

「お父さんに、慶さんの資産家のお父さんに、お願いしてもらえないか?…君のお父さんならそれくらいたやすいだろう、必ず返す、いつか絶対に返すから、頼んでもらえないか?…なっ、なっ?慶さん…」

沢村は必死になってお慶さんに頭を下げ続けた…

お慶さんはそんな沢を、寂しそうに見ながら

「研二さん…、私の父が資産家だなんて、どこで聞いたんですか?…」

「えっ!?」

「どこで聞いたか知りませんが、勘違いしてるわ…」

「勘違い?」

沢村は眼をぱちぱちしながらお慶さんを見た

「ええ、勘違いよ…、私の父は確かに以前は大きな会社を経営していたけれど、今は資産家でも何でもないわ…」

「今はって?なっ、何言ってんだ?」

「父は二年前、事業に失敗して、土地も何もすべて失ったの、今は年老いた母と年金暮らしです、それに私は、その前に、父から勘当された身です…」

「何?…お、おい何言ってんだ?お前…勘当の身って!?…」

「追島と一緒になるとき、ヤクザの身内は御免だって、父に絶縁されました…」

 

沢村はお慶さんの言葉に、あわてて立ち上がると、 

「ちょ、ちょっと待てよ…、お前が資産家の娘だって、三波が…やつがそう教えてくれたから、俺は!」

「三波先生が?…」

「この店だって、借金とか言いながら、本当は親父がスポンサーになって作ったって、あいつが…三波がそう言ってたんだぞ…」

沢村は突然おろおろしながら、お慶さんを見た

「それじゃ、三波先生にそう教えられて…研二さん、あなたは、私と?…」

「…あ、いや…」

 

「このお店は私が今までコツコツ働いたお金と、銀行の借金でオープンしたものです…」

「……!?」

沢村はしばらく呆然とした顔で、お慶さんを見ていたが、やがてみるみると目玉を血走らせはじめ…

 

「ふーざけるなーーー!それじゃ、俺は三波の野郎の勘違いで、こんな三十路のこぶつき女と!…」

突然逆切れして、お慶さんにどなりつけた

その言葉に、さすがのお慶さんも怒りをあらわに、 

「そ、そんな…、ず、ずいぶんじゃない!?…その言葉!…」

「やかましーー!このバツイチ女がー!!」

沢村は怒りで顔を真っ赤にすると、今度はお慶さんの髪の毛をむんずと鷲づかみにした

「い、痛い!なっ、何よー、放してよ!」

 

「うるさいーー!」

切れた沢村は、怒鳴りながらお慶さんの顔を思いっきり、拳でなぐりつけた

 

「きゃーっ!?」

「何がきゃーだ、小娘みてえな声だしやがってーー!」

沢村は再びその拳でお慶さんの顔を殴りつづけた

 

「やっ、やめて!やめてー!」

 

「やかましいーー!資産家じゃねーなら、お前の身体で婚約解消の慰謝料用意しろー!ソープにでも何でも身を売って、金を用意しろー!さもねーと、お前もあの生意気な娘も、たたじゃすまねーぞー!こらーー!」

沢村研二はついに、その本性の冷酷な姿をむき出しにしたのだった、

そして、ふたたび、お慶さんめがけてその拳を振り上げた、

その時だった、振り上げた拳を、後ろから大きな腕がガシッと押さえつけたのだ

「何!?」

「あっ!」

沢村とお慶さんはハッと驚きの顔を浮かべた…

 

「かよわい女に暴力ふるうなんて、最低じゃない…あんた…」

沢村の腕を握った主、それは女衒の栄二さん、その人だった

 

「お慶ちゃんの事が、心配だって、めぐっぺが言ってたから、私も気になって戻って見たけど…まあ、来て本当によかったわー!」

「栄ちゃん!…」

お慶さんは口から血を流しながら、泣き顔で栄二さんを見た

 

「お慶ちゃん、だから言ったでしょ、この男は、女を食い物にする男だって、だから絶対にダメだって、ホホホホホ…」

栄二さんは、甲高い奇声で笑いながら、沢村をギロッと睨み据えた…

 

「な、なんだよ…お前は!…これは俺とこの女の問題だ!」

栄二さんに腕を握られた状態で、沢村も必死に睨みかえした

「何が問題よ…まったく、虫もつぶさないような顔して、たちの悪い男だこと…」

「何だとー、このおかま野郎が!」

沢村は叫ぶと同時に反対の拳を栄二さんめがけて振り上げた

バキッ!!

沢村の拳が栄二さんの四角い顔面にめり込んだ…

しかし、栄二さんは、拳をもろに受けながらも、まばたきひとつせず、ジーッと沢村の事を見据えていた…

 

「な、何だ、こいつは!?…」

 

「先に殴ったわね…あんた、先に私の事、殴ったわね…」

「えっ!?」

栄二さんはペロッと舌舐めずりすると、その大きな四角い頭を勢いよく沢村に顔面めがけてぶち当てた

バグオーー!

「ぶおぁーーーー!」

鈍い音とともに、沢村研二は吹き飛ばされた…

 

「正当防衛よ!今のは正当防衛よー!」

栄二さんは大声でそう叫ぶと、お尻をぷりぷりさせながら、沢村の元へ駆け寄り、やつのネクタイを握ってぐっと締め上げた

 

「ぐえ…くっ、くるしいー、はなせー!…」

沢村は苦しそうに栄二さんを見て、そこで、「はっ!?」と驚きの顔を浮かべた…

「あっ、あわ、あわわ!?」

沢村の前には、今までのような、ひょうきんおねえ姿とはまったく別人の、まるで閻魔大王のような顔に変貌を遂げた、女衒の栄二さんの姿があったのだ…

栄二さんは閻魔の顔をさらに真っ赤にすると、沢村研二の顎をグイッと握りしめ、

「おい!…この、便所バエ男!」

「べ、便所バエ?…」

「いや、便所バエの方が、まーだ役に立つ…おうコラ~!このミジンコ野郎!…てめえ、お慶ちゃんに手あげて、このままで済むと思うなよ!」

栄二さんはすさまじい顔で、沢村を空高く持ち上げた…

 

「ぐえー、痛い…痛い、はなせ…ぼ、暴力はよせ!暴力は!…」

「何が暴力はよせだ、てめえのどの口が、そんな事ぬかしてやがんだ、おーコラー!!」

栄二さんはどすの利いた声で、沢村を怒鳴り飛ばした…

「あっ、はっ、すいません、すいません!」

「すいませんで、済むとおもってるのか、このギョウ虫野郎がー!」

メキメキ、メキメキ…

栄二さんは両手で沢村を高々持ち上げると、その怪力でやつの首を締めあげた

「くっ、く、苦しい、苦しい…死ぬ…し…」

沢村研二は口から泡を吹きながら、白目をむき始めた…

 

「だ、ダメよー、栄ちゃん、そんなことしたら、この人、死んでしまうわ!」

お慶さんはあわてて栄ちゃんの腕にしがみついた

 

「死んだっていいのよ、こんな寄生虫、生きてたってろくな事ないんだから!」

「ダメだってば、栄ちゃん!お願いやめて、栄ちゃん!!」

お慶さんに止められた栄二さんは、しかたなく沢村研二を床に投げ捨てた…

 

「ゲホッ!ゲホッ!!…慶さん、やっぱりあなたは、僕の事を思って…!」

沢村が首を押えながら、お慶さんにひきつった笑顔を浮かべると、

「残念だけど、あんたの事心配して止めたんじゃないんだよね…」

「えっ!?」

「私はね、あんたみたいな男の命と引き換えに、栄ちゃんが刑務所に行かなければならない、そっちが悲しくて止めたんだよ…」

「えっ!?……」

お慶さんの言葉に沢村研二は呆然と涙目を浮かべた…

そんな沢村のそばに再び栄二さんが、その四角い顔を近づけると

「おいっ!…この大腸菌野郎、今日のところはお慶ちゃんに免じて、我慢してやるがな…、今度、お慶ちゃんに近づいてみろ、ぐちゃぐちゃのミンチにして、多摩川のダボハゼの餌にしてやるからな!!コラ!!」

「はっ…はい、はいっ!」

「分かったら消え失せろ!このピロリ菌野郎!」

「はい、はい!」

沢村研二は直立不動でそうさけぶと、あわてて喫茶慶から走り去って行った

 

お慶さんは、そんな沢村の後姿を、寂しげにじーっと見たあと 

「ありがとう、栄ちゃん…」

深く頭をさげた…

「何言ってんのよ、水臭いわね…、それにしてもまあ、派手にやられたものね…せっかくの美人がひどい顔だこと、ホホホホホホ…」

「笑い事じゃないでしょ、こんなにひどい目にあってるって言うのに…」

「自業自得よ、あんたが、あんなたちの悪い男に騙されたりするからじゃない…」

「たしかに、その通りね、ふふふ…ふふふふ…」

お慶さんはそう言って笑いながらも、どこか寂しげな表情を浮かべていたが、ふたたび栄二さんの方を向きなおすと

「ありがとう…栄ちゃんのおかげで、本当に助かったし、それに騙されて悔しいけれど、さっぱりさせてもらったしね…」

「お礼なら、めぐっぺとヨッチーちゃんに言ってちょうだい、何しろあの子たち、すごーく心配してて、それで私も戻ってきたんだからさ、ほほほほほ~!」

「そうね、二人ともとっても優しくて、素敵な子…今度来てくれたときは、腕によりをかけておいしい御馳走しなくちゃね、ふふふ…」

お慶さんはすっきり晴れた表情で笑った、そして栄二さんも何時の間にか、さっきまでの閻魔大王から、元のひょうきんなおネエに戻っていた…

 

「あっ!そうだわ…お慶ちゃん、あんたに言い掛けていたことだけど…」

栄二さんは再び真剣な顔でお慶さんを見た

「追島ちゃんが暴行事件を起こした、あの一件…」

「あー、またそれ?」

お慶さんは追島さんの名前を耳にしたとたん、不快な顔に変わった…

 

「あんた知らないみたいだから言うけどさ、あの日追島ちゃん、指名したソープ嬢に対して指一本触れてないのよ…」

「えっ!?」

お慶さんははっと目を見開いた

「うそ!栄ちゃん、今さらそんな嘘ついて、どうしようって言うのよ…」

「嘘って失礼ね、あんた…事件の後すぐ、そのお店の店長と女の子達から聞いたことだから、確かなことよ…」

「…確かって、ど、どうして?…」

栄ちゃんは真剣な顔でお慶さんに話しを始めた

「追島ちゃんね、あの日お店に入ってすぐ、そのソープ嬢の写真を見て、急に血相を変えたんだって…」

「何?何でそんなこと…」

「実は、そのソープ嬢の子ね、追島ちゃんが、よーく知ってる女の子だったのよ…それであいつ、あわててその子を指名したのよ…」

「知ってる子!?」

「そうだ、お慶ちゃん、あんただって知ってるはずじゃない、…君江ちゃん、覚えてるでしょ、君江ちゃんよ!」

「き、君江ちゃん…って!?…あの、もしや…えー!?」

お慶さんは、急に顔をひきつらせた、

 

「そうよ、その君江ちゃんよ!…西条竜一、やつの奥さんだった君江ちゃんよ!」

「うっ嘘!?…嘘でしょ栄ちゃん…」

「こんな嘘ついてどうするって言うのよ…」

 

お慶さんは、ショックで顔を引きつらせていたが、やがて、はっと何かを察して、真剣に栄二さんを見た

「栄ちゃん…それじゃ、まさか…?、追島が暴行を加えた女の子のヒモって?…」

「そうよ、西条よ、西条竜一よ…」

 

「えー!?なっ、何でー、あいつ留置場で、そんなこと一言も…」

「やっぱり、そのことあんたに話してなかったんだ、あいつ…」

お慶さんはひきつった顔で、うなずいた…

栄二さんは呆れ顔でおでこを抑えると

「まったく、馬鹿よねー、だからゴリラ以下の脳みそだって言われるのよ、あの馬鹿チン!!…そんな大切なこと、お慶ちゃんに言わないんだから、不器用すぎるの通り越して、本当の馬鹿チンよ!…」

ぷりぷりと怒りはじめた…

そんな栄二さんを横目に、お慶さんも

「馬鹿よ…本当にあいつ馬鹿じゃないの…あの時そんなこと、そんな大切なことを隠してるなんて…ばっ、馬鹿よ!!…」

震える唇で、何度も何度もそうつぶやいていた…

そして、その瞳からは大粒の涙が、とめどなくこぼれ落ちていたのだった…

続き
第80話 恐怖!ハメリカンナイトな夜へ

イラストカットは近日アップします^^

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第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

あの~作者さん~
私仕事中に読んでるんですけど~
便所バエから始まって~
ガマンしてたのに~
ピロリ菌野郎!で、吹いてしもたやんcatface
仕事中なんですよcoldsweats02

にしても、スッキリしたup
栄ちゃんが沢村をボコボコしてくれてup

お慶さんと追島さん、どうなるんやろ~

投稿: けんさぁ | 2009年3月12日 (木) 11時05分

けんさぁさん

噴出していただけました…やったーsmile
仕事中は気をつけてくださいねwink
吉宗君を携帯で読まれている方もいらっしゃるのですが、私の狙いは、読んでくださっている方が電車で笑いが抑えられず周りの人から、奇妙な目でみられる、これですこれ…smile

さてさて次回はちょっと大変なことが起こってしまう予感が…

ちょっとだけ予告です
「吉宗くん、最低~!!」
御期待くださいねーー、

それにしても栄ちゃんがこんなにいい働きをしてくれるなんて…coldsweats01
初登場のときは思いもしませんでした^^

投稿: 光一郎 | 2009年3月12日 (木) 16時04分

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