« 第90話 吉宗君、三途の川への旅立ち… | トップページ | 第92話 吉宗くん曇り無き剣 »

2009年7月29日 (水)

第91話 桃さん登場!

「きっちり地獄へ送ってやるよ!…」

イケメン三波はそう言うと、手にしていた角材を僕の脳天めがけて振り下ろした

(うぐぁーー、せっかく戻って来れたのにー!?)

この世の最後を覚悟した、その時だった…

ピュ~ゥ~~!…ポンポンポンポン!…、ピュ~ゥ~~!……、ポンポンポンポンポンポン!…

何処からか、美しい笛の音と、太鼓の音が僕の耳に響き始めた…

(なっ?…なんだ?……ん!?)

「あっ、あれー!?」

なっ、何と、それと同時に、振り下ろされたはずの角材が、僕の頭の真上でピタッと止まっていたのだ……おまけによく見ると、三波はまるで時間が止まったように、鼻の穴を大きくおっぴげた状態で固まっていた…

(え?…え?…どっ、どうして?…えーーー?) 

ピュ~ゥ~~!…ポンポンポンポン!…、ピュ~ゥ~~!……、ポンポンポンポンポンポン!…

そんな中、笛と太鼓の音色は、どんどん僕のほうに向かって近づいて来ていた…僕はあたりをキョロキョロと見渡し

「えっ!?」

思わず、顔を引きつらせた…なっ、何と僕の目に、超ど派手な着物姿に、鬼のお面をかぶったおじさんが、頭の上に薄い衣をまとって、くるくると舞いながら近づいて来るではないか…

「なっ、何だ~!?」

ピュ~ゥ~~!…ポンポンポンポン!…

着物のおじさんは僕の驚きなど関係なしに、くるくると踊り続けたと思うと…、ポン!!……最後の太鼓とともに、ピタッと足を止めた…、そして鬼のお面をさっと、はずし、ギロッと大きな目玉で僕を見た…

 

「えっ?…あっ!あれーーっ!…あっ、あなたは!?…」

僕の脳裏に幼い日の記憶が蘇ってきた… 

(ふっふふ…父上から、頼まれて来たのだが…ほほう、どうやら私のことを覚えていたようだね…)

派手な着物のおじさんは、キリッと太い眉毛にキラキラ光る大きな目、すっと通った鼻筋に、への字に結んだ口…、その超男前のソース顔を僕に近づけながら、ニンマリと微笑んだ…

「あっ、あの、あの…貴方は、貴方は?本物の貴方!?…」

(その通り…私は、あの、貴方だ…本物の貴方なのだよ…)

着物のおじさんは二本の指を額に突き立てると、キリッと眉間にしわをよせた、そしてかっこいいポーズをささっと決めながら一言、

(桃から生まれた、桃太郎!…)

大きな声で、そう名乗ったのだった…

Momosan  

「やっ、やっぱり、桃太郎侍!!」

僕は驚きのあまり、大口を開けて叫んだ…

天国のお父ちゃんが最後に告げた桃さんの正体、それは、僕が小さい頃からあこがれていた伝説の剣士、桃太郎侍だったのだった…

「父ちゃん言った桃さんって…そっ、それじゃ、あなたは桃太郎侍の霊……あれ?」

そう言いながらふっと大切な事に気が付いた…

「…なっ、なんで?…どうして?…だって、桃太郎侍ってテレビのフィクションでしょ!?だったら霊の訳ないし…そ、それに、高橋秀樹さんだって、全然現役でまだテレビで活躍してるのに!?…なっ、なんで?…」

(こ、これは夢か?…天国のお父ちゃんとの出会いといい、そうだ、これはきっと夢を見てるんだ…)

桃さんはそんな僕に、その超男前の顔をぬっと近づけると

(夢ではない息子殿よ…貴殿の愛する女子を守りたいという、誠、真実の愛が、このわしを現世に呼び寄せたのじゃ…これは愛の力による奇跡なのじゃ…)

「愛の奇跡?…ぼっ、僕の…真実の愛が?…フィクションのあなたを?…」

(そうじゃ…真実の愛の力とは、それだけ凄いものなのじゃ…)

桃さんはうれしそうに微笑むと、ささっと両手でかっこいいポーズをとった、そしてぐっとその男前の眉間にしわを寄せると

(さあ、このような話をしておる場合では無い…さっそく、貴殿の力にならねば…)

「僕の力?…」

(では、参るぞ!)

「参るって、えっ?ちょっと…」

突如、僕をめがけて突進して来て…ドガッ!…大きな衝撃と共に、なっ何と僕の体の中に、にゅーっと入り込んで来たのだ…

「うぐあーー、何だ~!…」

その直後、僕に大きな異変が!…、何と得たいの知れない底知れぬパワーが、体中にみなぎり始めたのだった…

「うおおおおおーーーーー!」

あふれるパワーを押さえきれず、僕は雄たけびを上げた…

 

「あっ!、兄貴?…吉宗の…兄貴?…」

僕の声に、大口を開け倒れていた鉄が、ぷるぷると首を振りながら立ち上がった、そして僕の脳天をめがけて振り下ろされた、三波の角材に気がつき思わず大声で叫んだ!

「兄貴、危ない!!」

鉄の叫びと同時に、今まで僕の頭上で静止していた角材が、再び音を立てて落下してきた

「うわぁーー!」

瞬間、僕の両腕が無意識に、すさまじいスピードで反応した…

 

ガシッ!!

  

「なっ、何!?…」 

目の前の三波は鼻の穴をおっぴろげたまま、僕を見ていた…

「えっ?…」

完全に頭を、かち割られた、一瞬そう思ったにもかかわらず、まったく頭は痛くない…僕は三波を見た後、ハッと驚きの顔を浮かべた…

なっ、なんと僕は、振り下ろされた角材を脳天の真上で、まさに真剣白刃取りのように、みごとに受け止めていたのだった…

 

(えっ?…なんでー!?)

と、驚くのはまだ早かった…その直後、僕の口が勝手に動き出し、

「許さん!…」

そう叫びながら、すさまじい無意識パワーで、角材もろともイケメン三波を吹き飛ばしてしまったのだ…

「うわあーーーーーーーーーー!」

三波は大またをおっぴろげたまま天高く舞い上がると、そのまま地面に打ちつけられ、まるでぺしゃんこになったカエルのように、その場で動かなくなってしまった…

「うわー、おい、三波?…三波ーーー!?」

(どっ、どうして?…)

僕は驚きで自分の体ををキョロキョロ見回した…そこで、ハッとさっきの桃さんとの不思議な体験を思い出した…

(もしかして、これって憑依?…僕の体に、桃さんが…桃太郎侍が入っているのか?…)

 

「す、すげえ…兄貴…半端ねえ、すげえ…」

金髪の鉄が、涙を流しプルプル振るえながら、じっと僕を見つめていた…

「兄貴…、やっぱ、すげえよ~!…半端ねえ…すげえよ兄貴…」

「いやっ、鉄、違うよ、これは僕じゃない…僕じゃなくて桃さんが……あっ!?」

「そっ、そうだ…めぐみちゃん!!」

僕は彼女の危機に気がつき、あわてて保育園バスを見た…と、その直後、思わず青ざめた…

「うっ!…」

なんと、園バスの入り口に、うれしそうに笑いながら僕を見ている、悪鬼西条の姿があったのだ…

 

「ほう、三波がさっき言うとったが、ほんまやのう、兄ちゃんなかなか、やるやないけ…」

西条は片手に木刀を握り締め、ゆっくりとバスから降りてきた…

「め、めぐみちゃんは、めぐみちゃんはどうした!」

「お前の女か?なかなか、ええ味やったで…あそこもええ具合やったし、あえぎ声も可愛くてのう…くっくくく…」

「きっ、貴様…めぐみちゃんを…」

「おう、たっぷり楽しませてもらったわ…まあ、あの姉ちゃんも、ワイの一物がそうとう良かったみたいや、中で満足顔でボーっとしとるわ、はははは…」

「ぐおぉ!この野郎……」

僕のパンチパーマが、再び逆立ち始めた…

「何やその目は、性懲りずに、もっぺんワイにぶちのめされたいようやの…ただ、今度はさっきの様に甘くはすまさんで…、」

西条は片手で木刀をぶんぶん振り回すと、その先端を僕に向け

「今度はきっちり、いわしたるからの…」

恐ろしい悪鬼の目で睨みすえてきた…

 

「ひ~…もしかして、こ、これが…ぎ、銀二さんが言ってた、さっ、西条!?…」

後ろにいた鉄が思わず足をすくませた…

僕はそんな鉄を横目に、カエルのように倒れている三波の手から角材を拾い上げた…そしてそれをさっと上段に構えると

「貴様は絶対に…、絶対に、許さん!!」

ぐっと眉間にしわを寄せ、悪鬼西条を睨み据えたのだった…

続き
第92話 吉宗君、曇りなき剣 へ…

イラストカットは近日アップします^^

Megulank_2
青いボタンのどれか一つと下の恐いおじさん達のイラストをポチしてねlovely
にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ にほんブログ村 小説ブログ コメディー小説へにほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ
Banar←これも押してくれるとうれしいのらーcrying

good↑侠客☆吉宗くんの他、楽しい
ブログがいっぱい紹介されているサイトです^^

 

|

« 第90話 吉宗君、三途の川への旅立ち… | トップページ | 第92話 吉宗くん曇り無き剣 »

第一章 侠客鬼瓦興業」カテゴリの記事

コメント

桃さんって…
桃太郎侍shine
そう来たか…
やられた~って感じcatface

そ、そ、そんな、めぐみちゃんweep
無事でありますようにweep

投稿: けんさぁ | 2009年7月29日 (水) 16時12分

けんさぁさん
もしかして違う桃さんを想像してましたか?smile
一番星だったり、ずっずずず~んnoteって…coldsweats01

実は前々から、西条が現れた時から桃さんの登場は考えていました…sweat01、でもいざ書いてみるとちょっと無理があるかな?なんて思ってあれこれ迷ってましたが、最後は
「ありでしょ、吉宗くんは何でもありあり…happy02半ばやけのやんぱちで公開してしまいました^^

さてさて、めぐみちゃんの事が気になる…これは早く続きを書かなくては…coldsweats02

投稿: 光一郎 | 2009年7月29日 (水) 16時47分

更新ご苦労様です。
勧善懲悪、桃さんに新さんに黄門様、みんな好きですよ。

投稿: 四番サード掛布 | 2009年7月29日 (水) 21時14分

四番サード掛布さん
こんにちわーhappy01
新さんって、あのサンバを踊っていた新さんですよね…coldsweats01
あの無理のある設定も好きでした^^
黄門様では、なんといっても助さんが杉良だった時が好きでした…父とよーく見てました^^

投稿: 光一郎 | 2009年7月30日 (木) 11時10分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/166831/45734516

この記事へのトラックバック一覧です: 第91話 桃さん登場!:

« 第90話 吉宗君、三途の川への旅立ち… | トップページ | 第92話 吉宗くん曇り無き剣 »