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2011年1月17日 (月)

第113話 お嬢は俺のもの…

「マサー!、うおーいマサー!」

お祭りのはねた境内に、銀二さんの声が響いてきた

「マサー、お前見たんだってな、森亀さんのお嬢さん!」

「ふぇ?…はあ…」

「不覚にも俺はみそびれちまったんだけどよ、えっれえ、いい女らしいじゃねえか…」

「ふぇ…、はあぁ…」

「何だ…?、おめえ、さっきから、ふぇだのはあ~だのって、ボーっとしてよ…」

銀二さんはマサさんの様子に首をかしげ…

「お前見れたんだろお嬢さんのこと、どうなんだよ、そんなにいい女なのかよ…」

「はぇ?…、はぁ…」

マサさんはまるで魂の抜け落ちたような顔で、向いの金魚すくいの方を指差した…

「はあ?…お前どうしちゃったの?…」

「お嬢…ガマお嬢…アへ…アへ…」

「アへって?…」

銀二さんはマサさんの指す方角へ目を向けた…するとそこには…… 

 

「吉宗はん、売れ残った金魚ぜんぶ袋に移し終えたけど…」

「あっ、すっ、すいません京子さん…」

「すいませんって、そないによそよそしくせんといて、ねえ…次、何を手伝ったらええかな?…」

「次って、もういいですよ…」

「もういいって…、吉宗はん、うちがこうして手伝ったりするの迷惑なん?」

「めっ、迷惑だなんてとんでもないです…すごく助かってます」

「それやったらもっと手伝わせて、うち、吉宗はんとこうしていっしょに居れるだけで、幸せなんやもん…」

「えっ!…しっ、しあわせって…!」

僕が顔を真っ赤にすると

「いややわ、吉宗はん照れて赤くなっとるん?…、ほんにかわいい…」

京子さんは、その美貌を僕に向け、ニッコリ微笑んだ…

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「あっ、あれが…森亀会長のお嬢!?…」

銀二さんは京子さんの姿を遠目に見つめながら、呆然と立ち尽くしていた…

「なっ、驚いただろ銀二……」

抜け殻状態だったマサさんも、何時しか銀二さんの隣にホンワカした笑顔で立っていた

「まっ、マサ…、これは参った…、お前がおかしくなっちまうのもわかるわ…」

「ああそうだろ、美しいだろ…」

「ああ、美しい…いや美しすぎる…」

「そう、美しすぎるんだよ…」

ボエ~~~…

二人はしばらくの間、だらしないボケ顔で京子さんの事を眺めていたが、やがてその隣にいる僕に目を移すと急に目を血走らせ…

「しかし、なんでえ吉宗の野郎、お嬢相手にデレデレしやがって…」

「うむ、何だかむかついてくるだろう銀二!…」

「ああ、だいたいから森亀会長のお嬢さんが、野郎に憧れるってのがおかしいだろう…、このまま行くとあいつ、あんな美人をモノにした上に、森亀会の二代目襲名候補じゃねえか」

「美人のお嬢に加えて、森亀会二代目襲名!?…」

 

(うおっ、そうか!…お嬢といっしょになるって事は、森亀の二代目、つまり西の大親分の仲間入りっていうおまけが!!…)

マサさんは小さな目玉をギラギラ輝かせると、自分が数十名の若衆にあがめられ踏ん反りかえっている姿を思い浮かべた…そしてマサさんの横には、美しい着物姿で寄り添う京子さんの姿が…

(むおあ…いいっ、絶対にいいぞ…これぞ俺が探し求めていた理想の未来像だ…)

「ん~っ!?」

(でも、ちょっと待て…となるとめぐみの事は…)

今度はめぐみちゃんと二人、ホンワカした雰囲気で、愛を語り合っている光景が頭に…が、しかし、そこへ突然光り輝く影が…それはめぐみちゃんのお父さん、捜査四課、閻魔のハゲ虎の怒りに満ちたハゲずだった…

「ぐおぁ!」

マサさんは思わずその場でのけぞると

(あっ、危ねえ!めぐの可愛さにすっかり大事な事を忘れてたが、あいつはハゲ虎の娘じゃねえか!…)

脂汗をぬぐいながら再び京子さんの事を血走った目で見た…

(森亀のお嬢、やはり見れば見るほど美しいぜ…うんうん、タイプこそ違えめぐも容姿ではいい勝負かもしれねえ、しかし、裏のおまけにかんしちゃ、まるで天と地の差だ!)

「そうだ!やっぱりお嬢がいいに決まってるじゃねえか!」

気づくとマサさんは、拳を握りしめながら大声で叫んでいた…

 

「何だマサ…お嬢がいいに決まってるって?…」

ふと見る隣の銀二さんが、片方の眉を吊り上げながらマサさんを睨み据えていた…

「あっ銀二!?いやっ、何でもねえ、何でもねえ…」

「さては、てめえもお嬢のこと!?」

「えっ!?…」

「あの美人お嬢を物にして、森亀の跡目を継ぐ、てめえもそう考えてやがったのか!」

「てめえもって銀二…おめえまさか…」

「そのまさかだ、お嬢は俺がもらう…」

「何だと!?」

「森亀会二代目も、あの美しすぎるお嬢も…、俺にこそふさわしいんだ…」

胸をグッと突き出しながら、自信に満ちた笑顔から白い歯を輝かせた

「てめえ銀二、俺の半目に回るってのかコラ!?」

「バカヤロウ、半目もくそもねえだろうが、俺は鬼瓦興業でもいい男ベストスリーに入る色男…、それに引きかけてめえは万年女日照りの変態フルチン野郎だ…はなから勝負になるかってんだ、あーははははっははーー!」

「変態フルチン野郎だと!てめえ喧嘩売ってんのかコラ!」

マサさんは鬼のような形相で銀二さんにつかみかかった

「おうよ、一生の人生がかかってんだ、上等じゃねえか!」

まさに一触即発、二人が獣のように牙を向き合ったその時だった…

 

「やっぱり吉宗はん、見れば見るほど、ええ男やわ~!」

二人の耳にお嬢のおのろけ声が響いてきた…

「むお!?…」

銀二さんとマサさんは慌てて僕のほうに目をむけた…

「おい、俺らが喧嘩してる場合じゃねえぞ、銀二…、先ずはあいつから何とかしねえと…」

「それだったら心配いらねえだろ、しょせんあいつは童貞男だ、俺の真珠入りのマグナムの敵じゃねえぜ、あーはははは~!」

銀二さんは腰をカクカク動かしながら大声で笑った

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「バカ、笑ってる場合じゃねえだろ、何とかしねえと吉宗の野郎、お嬢とできちまうぞ!」

「お前もわかってねえな、野郎の心の中は何所を切ってもめぐみちゃんだらけ、愛のめぐみちゃん飴男だぞ、そんなやつがめぐみちゃんを裏切って、お嬢とできちまう訳ねえっての、ははは…」

余裕たっぷりに笑うと、銀二さんは腹巻からブラシを取り出し、

「そんな心配するより、お嬢へのアタック準備だ…」

ニヤニヤしながらリーゼントヘアを整え始めた…しかし、マサさんは額から青筋をたらしながら

「それが…実は今のあいつは違うんだよ!」

鬼気迫る顔で銀二さんを見た

「違う?何が違うってんだ?…」

「吉宗のやつは今、めぐみのことをあきらめる為に新しい愛を探し求めている真っ最中なんだよ!…」

「めぐみちゃんをあきらめる!?…なんだそりゃ?…」

「いや、あの…実はよう…」

マサさんは苦笑いをしながら、事の次第を銀二さんに話した…

 

「なっ、何ーーー、てめえとめぐみちゃんが婚約者だって嘘ついたってかー!?…」

「いやあの、嘘っていうか、俺の勘違いもあってよ…、それで、お人よしのあいつ、めぐみと俺が幸せになる為に、自分も真実の愛を探すんだー、なんて気合いれちまってる最中なんだよ、はは…ははは…」

「はははじゃねえだろが、てめえ何て汚ねえまねを!」

銀二さんは激怒りしながら、マサさんの胸ぐらをつかんだ

「おいおい、今はもめてる時じゃねえっつたろ、とにかく急いで吉宗に本当の事を説明してやらねえと…あいつ俺の言葉真に受けて、お嬢のことを運命の人だなんて思い込んじまうぞ!」

「うお!?そうか!!…」

慌ててマサさんから離れると

「おーい吉宗ー、吉宗よーい!」

大声で叫びながら僕のもとへ走りだした…が、その瞬間、目の前に巨大な物体が割り込み 「ぐおあ!?」 銀二さんはボヨーンっと弾き飛ばされてしまった

「なんだー!、てめえ急に飛び出してきや…あっ!?」

銀二さんはハッと青ざめた…

「んっ…何や?…」

突然割り込んで来た巨大な物体、それは京子さんのお父さん、森山亀太郎会長だったのだった…

 

「あっ!?森亀会長…すっ、すいません!…」

銀二さんは慌てて頭を下げた

「おう、お前確かさっきワシの事を案内してくれた…あー、たしか銀二いうたな…」

「はっ、はい…」

「そうやちょうどええ所でおうた…、銀二、実はお前にも礼を言おう思うとったんや…」

「お礼?…」

銀二さんは慌てて立ち上がると

「あの、会長…俺に礼っていったい?…」

会長はその大きなミットのような手で銀二さんの肩をガシッと叩くと

「お前さんが、ワシの婿の教育をようしてくれとったって聞いてな、はははは…」

「婿の教育?…」

「おう、婿や婿…ほれ、あそおこにおるワシの婿さんや、がははははーー」

大声で笑いながら京子さんの隣にいる僕のことを指差した…

「えっ?…」

銀二さんはしばらく目をパチパチさせていたが、急に大きな口をおっぴろげると

「どえーーーー、婿って吉宗のことですかーーー!?」

大声で叫んだ…

森亀会長は満足そうに大きな顔を立てに振ると

「お嬢が好きになって、このワシが合格をだす…そらあもう婿と同じや、がはははは…」

ガラガラ声を夜空に響かせながら、のっしのっしと僕の方へ歩き始めた

 

「やべえ…森亀会長は乗り気まんまんじゃねえか…、これじゃ俺がお嬢うんぬんより、吉宗の野郎が、とんでもねえ恐ろしい目にあっちまう予感が…」

銀二さんは額から脂汗をたらしながら、京子さんの隣で笑っている僕を見た…

そんな銀二さんの予感が的中して、これから愛と恐怖のトライアングル蜘蛛の巣地獄へと突き進んで行くなんて、その時の僕はまだ知る由もなかったのだった…

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続き 第114話 吉宗くん 祝い太鼓と真実の愛 へ

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第二章 吉宗くんと懲りない面々」カテゴリの記事

コメント

こんばんは!
ご無沙汰してました~
久しぶりにお邪魔させていただきました。^^;

吉宗君、益々面白くなってきましたね~
続きを楽しみにしていますよん♪

新年も、20日も過ぎてしまいましたね…
月日の経つのが早いですね。

今年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m

(ここの書き込み方がわからなくなってしまいました。これで良いのかしら?)

投稿: 楽楽 | 2011年1月20日 (木) 22時35分

楽楽さん、こんばんわ&あけましておめでとうございますー^^
ってもう20日でしたね^^
昨年と違って今年は吉宗くんに集中できています^^
今も続きを書いているところでした…

実は吉宗くん、これから大変なことになっていくのですが、どうなってしまうか私にも結末がみえていないんです…^^

ここはまた行き当たりばったりで彼らにまかせちゃおうと思っています^^


また楽楽さんのところへも挨拶に伺いますよーん^^

今年もよろしくお願いしますhappy01

投稿: 光一郎 | 2011年1月21日 (金) 00時57分

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